われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

種をまく

2009-02-27 17:12:12 | Weblog
 今週のある朝、先生の部屋で仕事をしていると、年中組のある女の子がやって来て言いました。「えんちょうせんせい、これ私がうちで書いたんだけど、読んでもらおうと思って持ってきたの。読んでくれる?」
 彼女は手に持っていたかわいらしいキャラクターのメモ用紙二枚を差し出します。私はそれを受け取ると、さっそく読んでみることにしました。題はついていませんでしたが、そこには本人が自分で書いたらしい手書きのひらがなで、こんな詩が書かれていました。


きみがいるから
きみがいるから
きみがいるから
ぼくはいつもげんきでいられるんだよ
ちょっとふしぎだね
ちょっとおもしろいね
ちょっとたのしいね

はっぱにかたつむり
はっぱにかたつむり
もりのあさ

はっぱにかたつむり
ぼくにはじぶんの
こころがある

ぼくにはじぶんの
かぞくが
いる


 ふいにまぶたに涙がどっと溢れてきて、私はそれがこぼれ落ちてしまわぬようにこらえるので必死でした。こんなにも豊かな言葉による表現が5歳児の子どもにもできるのです。発表会の様々な活動を経た今、すべての子どもが大きく変貌を遂げようとしていますが、この女の子の無限の可能性にもつくづく感心させられ、大きな成長を感じました。私たちが想像し意図することを遥かに凌駕して、子どもたちの中では多くの変化が起きているのです。そしてこれこそが、私がこれまでずっと長いあいだ子どもたちの中にぜひとも育てたいと願い続けてきたことなのだと、その時はっきりと思い至ったのです。

 それは、それぞれの子どもが「自分の言葉で語り、記し、歌い、描き、喜びや悲しみといった自らの想いを豊かに表現できる」そういった力をたくさん養ってほしいという願いです。言い換えれば、それは自分の頭で考え、自分の意思で行動し、自分たちの生活を自分たちで作っていくことのできる力でもあります。それを実現するために、私たちはありとあらゆる方法を考慮してカリキュラムを組み、日夜実践と反省をくりかえしながら、さらなる改良を重ねてきたのです。そしておそらくは、この女の子が(当人はそれと気づかぬうちに)そのひとつの答えを携えて、その朝わたしに伝えに来てくれたのでしょう。あなたがやり続けてきたことの、これがひとつの答えですよ、と。そんな気がしてならないのです。

 それが詩であれなんであれ、形のないものを形にするということ、何もないところから何かを生み出すこと、これは人が生きていくうえでとても大きな力になります。発表会に向けた一連の活動を通して垣間見ることができた子どもたちのあの姿はそのことを如実にあらわしています。確かに芸術や表現はそれ自体何の腹の足しにもなりませんが、人はパンのみに生きるにあらず、精神という巨大で精緻な構造物を誰もが胸の奥深くに秘めているのです。生きて今ここに在ることの証(あかし)を打ち立てなければならないのです。それは大人も子どもも同じなのですね。そして結局のところ、私たちにできることは、彼らが彼ら自身の心と体で自らの人生を力強く生き抜いていくそのために、いま必要と思われる様々な可能性の種をまいてやること、それに尽きるのではないでしょうか。その種がやがて芽を出し、木になり、枝を広げ、花を咲かせ、いつの日か大きな実をつけることを信じて。
 
 もちろん、形になったもの、できあがったもの(作品)の上手下手や出来不出来はこの場合問題ではありません。結果よりもその過程にこそ意味があるのであり、たとえどんな身なりをしていても本物には本物の輝きというものがあります。大切なことは、その子どもが自己の内面をどれだけ見つめたか、心の声に耳を傾け自分と向き合ってきたか。放っておけばただ慌ただしく繁雑に流れ去っていくだけのこの日常の中で、どれくらいそのような透明でしんとした時間を持つことができたか。あるいは様々な人々とのかかわりや、出会いや別れや、その時々の言葉や音や匂い、風景の記憶といった細部に至るまでの事柄を、どれくらい自分の血や肉として取り込んで来れたのか、ということなのです。

 さて、三月がやってまいります。
 一年の活動も終わりを迎え、また年長組の卒園を間近に控えた今、私たちがこれまで歩いてきた道のりと、これから辿るであろう道のりについて、静かに心を巡らせる毎日です。

 
 それでは皆様、よい週末をお過ごしください。


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クッキーを焼く(あお)

2009-02-25 15:50:51 | Weblog
 きょうは年少組の子どもたちがマリンピアへ園外活動に行き、年中組の子どもたちはお雛様飾りの制作、年長組の子どもたちはクッキー作りを楽しみました。それぞれのクラスからは美味しそうな甘くて香ばしい匂いが漂ってきて、カメラ片手に様子を覗いてくることにしました。こう見えても甘いものにはめっぽう目がないアタクシであります。さぞ物ほしそうに見えたのでしょう、あとで出来上がったクラスから代表の子どもがおすそ分けのクッキーをたくさん持ってきてくれました。そのお味は・・・。それはそれはすご~くおいしかったです。年長組の皆さん、ごちそうさまでした!
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クッキーを焼く(そら)

2009-02-25 15:50:25 | Weblog
 何気ないことかもしれませんが、「えんちょうせんせい、みんなで作ったクッキー、たべてください!」と言ってわざわざ届けに来てくれるその気持ちが、心にジワッとしみるのです。この仕事をやってこれて良かったなあ、とつくづく思うのです。顔は笑っているけれど、心の中ではたくさんの涙がこぼれているのです。
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クッキーを焼く(ばら)

2009-02-25 15:49:49 | Weblog
 卒園を間近に控えた年長組の子どもたちは一日一日を噛みしめるように、ひとつひとつを確かめるように、生き生きと楽しんで過ごしています。この子達がもうすぐ巣立って行ってしまうと思うと、一日一日の重さがぐっと増します。その日その時の一瞬一瞬がかけがえなく、尊く感じます。
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交通安全教室(年長組)

2009-02-24 17:11:00 | Weblog
 皆さんこんにちは。
 先週末には年少組の子どもたちの発表会がおこなわれ、大成功のうちに終えることができました。これで3学年の発表会がすべて終了し、私たちスタッフも少しホッとしているところです。一年を締めくくる大きな行事ということで、たくさんの保護者の皆様方にもおいでいただきました。この場をお借りして改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 さて、きょうは年長組の子ども達を対象にした「交通安全教室」がおこなわれました。(画像)
 春からは小学校へ自分の力で通わなくてはならない彼らに交通安全に対する意識を持ってもらい、危険を察知する能力や自分の身を自分で守る力を少しでも養ってもらえればと願って、毎年この時期におこなっています。卒園と四月の小学校入学をはっきりと意識し始めている子どもたちは、楽しそうに真剣に指導を受けておりました。
 すべての子ども達が事故などに遭わず、無事に過ごしていけますよう、私も心から祈っています。

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僕らの出番がやってきた!(みどり1)

2009-02-20 17:22:00 | Weblog
 皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
 いよいよ明日は年少組の子どもたちの発表会がおこなわれます。年長・年中と順番におこなわれてきましたこの発表会、自分たちの番を今か今かと待ち焦がれてきた年少組です。今週は毎日順番に運動場へ出て大変な集中力とあふれるパワーで練習を重ねてまいりました。本日、リハーサルを兼ねた「子どもたちの発表会」がおこなわれ、他の学年全員と全教職員が一堂に会し、年少組のお芝居を鑑賞しましたが、いずれのクラスも見事に仕上がり、素晴らしい劇が完成しておりました。明日は保護者の皆様方にご披露いたします。どうぞご家族お揃いで、お楽しみにおいでください。

『僕たちのハッピーエンド』
       まえだ かん

ともだちはいった
きみのちからがひつようなんだ
ぼくにちからをかしてくれないか
いいとも
ぼくにできることがあるならば
そうぼくはこたえる
きみのために
ぼくにできることがあるなんて
なんてすてきなことなんだろう

だれかがだれかをひつようとしている
ともだちがぼくをひつようとしている
じぶんがだれかのやくにたてるなんて
ぼくはこれまでかんがえたこともなかった
だれかにひつようとされるということは
なんてあったかいんだろう
なんてこころづよいんだろう

ああ、かみさま
ありがとう
あのひ
こごえそうなほどひとりぼっちだったぼくは
もうひとりぼっちじゃありません
もうけっしてひとりぼっちじゃありません

・・・そうして
ことしもこどもたちのおしばいのまくがあがる
もちろんおはなしのさいごは
すてきなハッピーエンド



**今週も即興的に詩を書いてみました。これらの詩をわれら愛すべきすべてのしんじんの子どもたちに捧げます。**

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僕らの出番がやってきた!(みどり2)

2009-02-20 17:13:30 | Weblog
 この発表会に向けた活動を通して子どもたちは様々なことを経験し、多くのことを学びました。それは目に見える形で表れることもあるでしょうし、すぐには目に見えにくい形で彼らの心の奥深くに染み込んでいくこともあるかもしれません。いずれにせよ、それらは彼らが生きていくこれからの人生の様々な場面において、大きな自信につながっていくだろうと思います。
 それくらい圧倒的な体験なのです、この芝居作りの体験は。そしてそれを多くの人々の前で発表するということは。
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僕らの出番がやってきた!(みどり3)

2009-02-20 16:02:17 | Weblog
さあ、今年度のすべての活動を締めくくるにふさわしい、素晴らしい年少組のお芝居の幕が上がります!

準備は万端整いました。みんなでがんばるぞ、エイエイオ~!
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み1『ももたろう』ができるまで(4)

2009-02-19 17:46:30 | Weblog
 皆さんこんにちは。いかがお過ごしですか。今週末に迫った発表会を前に、連日集中して練習をおこなってきた年少組の子どもたちですが、今日はいよいよ本番と同じ衣装を着て小道具を持ち全体を通して練習をおこないました。明日はリハーサルを兼ねた「子どもたちの発表会」、明後日は保護者の皆様にご披露する発表会となります。それぞれのクラスが楽しみながら作り上げてきたお芝居、子どもたちの息もぴったりと合ってまいりました。どうぞ皆様もお楽しみになさってください。

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み2『3匹のこぶた』ができるまで(4)

2009-02-19 17:46:00 | Weblog
 衣装をつけると、よりいっそう物語の中へ入り込んでいくことができるようで、子どもたちの意欲もぐっと増します。全体の流れや動き、セリフなど、ひと通り掴んだ子どもたちは物語世界の中を縦横無尽に駆け回りながら生き生きと生き始めました。一人一人のまなざしもきりっと澄んでいます。濃密で充実した時間を過ごせている証でしょう。よし、やるぞ!という気持ちが観ているこちらまで伝わってきます。

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