われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・7月の絵本 (29年度)

2017-08-02 12:06:00 | Weblog

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・7月の絵本

 今年度も真人幼稚園の先生方による絵本の紹介をおこなってまいります。これは年間二冊の絵本をそれぞれが書店などで選び、教職員同士で読み聞かせをしたり、それぞれ選んだ理由や見どころなどを発表し合う、教員研修の一環としておこなっている取り組みです。そこで紹介された作品をぜひ皆様のご家庭にもお勧めしたいという願いから、毎年1・2学期末にこのような形で発表させていただいております。

 さあ、今回はどんな絵本が選ばれたのでしょうか? それぞれ作品を選んだ先生がブック・レビューを書いていますので、それらを参考になさって、この夏はぜひ親子で絵本に親しんでみてはいかがでしょうか。

 なお、それぞれの作品は園の図書に収蔵され、さっそく貸し出しをおこなっています。

 

『おうちにいれちゃだめ!』

ケヴィン・ルイス 作  デヴィット・エルコリーニ 絵  フレーベル館

(松野祐実先生のブック・レビュー)

男の子がおうちに虫を持って帰ってきたが、「おうちに虫を入れちゃダメ!」とママに怒られてしまう。それならネズミは? ブタは? ゾウは? そんな男の子とママの対決!最後はどうなるのか・・・。好奇心旺盛な子どもの姿をそのまま描いた作品です。きっと保護者の皆様も自分を重ねてしまうのでは・・・。ぜひお手に取って読んでみてください。

 

『クネクネさんのいちにち きょうはパーティーのひ』

樋勝朋巳 作・絵  福音館書店

(鎌田千秋先生のブック・レビュー)

 『きょうはマラカスのひ』、『フワフワさんはけいとやさん』に続く待望のシリーズ第3弾を手にすることが出来ました。主人公のクネクネさんを中心にユニークで心優しい人々との交流の様子がほのぼのと描かれています。今回はブティックシマさんのお店の7周年記念のパーティーに招待されたクネクネさんの一日と共に個性的な登場人物のプロフィールや関係性も徐々にわかり、読み進めていくのが増々楽しみになります。この夏、皆様にもクネクネさんたちの不思議な世界を是非、楽しんでいただきたいと思います。

 

『ええたま いっちょう!』

くすのきしげのり 作  吉田尚令 絵  岩崎書店

(板垣里奈先生のブック・レビュー)

 子どもって小さいころに教わった大切な言葉をしっかり覚えているんですよね。この主人公の男の子もお父さんから教わった言葉を思い出し、汚れたボールを交番に届けることから始まる心温まるストーリーです。素敵なおまわりさんとの出会いによって、男の子は心が満たされたり、勇気が持てたりと、あこがれの存在ができます。子ども達にとって、「~のような人になりたい」という目標でいたいと改めて私も感じました。子どもとの心のキャッチボールの大切さを感じるこの一冊を、ぜひ読んでみてください。すべて読み終わった後に、この本のタイトルの意味が心に響くはずです!

 

『でんでんでんしゃ』

谷川俊太郎 文  スズキコージ 絵  交通新聞社

(佐藤美樹先生のブック・レビュー)

 「あめなめらめるめ でんでんでんしゃ あめといっしょにふってこーい!」

 雨の降る日に現れた、かたつむり形の電車に乗って、木の上から空の上、虹をすべって地下の世界など、色々な場所を旅するお話です。リズミカルな言葉の数々と、細やかに力強く描かれた絵の迫力が、ページをめくる私たちをたちまち不思議な世界へと連れて行ってくれます。想像力を膨らませ、ぜひ目と耳でこの絵本の世界をお楽しみください。

 

『にているね!?』

五味太郎 作  福音館書店

(石山弥佳先生のブック・レビュー)

 あるひ出会った うま と いす。

「おまえ おれににているよね」そういすは言うけれど。「ぼくはかっこいい うま。きみは いす。ぜんぜんにてないよ」と、うまは思います。

確かに見た目は全然違うけれど、しだいに似ているところを見つけていく二人。

ほのぼのとしたうまといすの表情と、読んだ後に考えさせられるようなお話が素敵な一冊。ぜひ、読んでみてください。

 

『ポレポレやまのぼり』

たしろちさと 文・絵  大日本図書

(小林明日香先生のブック・レビュー)

 3匹の個性豊かな動物たちが登場する物語です。そんな動物たちがみんなで助け合いながら断崖絶壁に挑戦していきます。中には大きな荷物を持って登る動物も。大きな荷物の中にはみんなへの優しさがいっぱいつまっていました。仲間の大切さ、助けることや助けられることを経験している子ども達にぴったりの絵本となっています。また、謎の言葉「ポレポレ」とは一体どんな意味なのか?ぜひ興味のある方はお手に取ってご覧いただけたらと思います。よろしくお願い致します。

 

『えいっ!』

三木 卓 作  高畠 純 絵  理論社

(池田和先生のブック・レビュー)

 くまの親子のお話です。親子が散歩している時にお父さんが赤信号に向かって「えいっ!」と魔法を使って青信号に変えてしまいました。夜空に星を出そうと、またお父さんが「えいっ!」と魔法をかけたら星が出てきました。「お父さんってすごいんだな~」と感心していたけれど、なんだか分かってきたぞ・・・?「今度は僕がやるよ!」と言って魔法をかけたら何が出てくるかな? とても心温まる家族のお話です。

 

『へろへろおじさん』

佐々木マキ 作  福音館書店

(猪俣愛先生のブック・レビュー)

 ある日おじさんは遠くのまちに住んでいるお友達に手紙を書きました。それをポストに入れるために部屋を出ると、ボールを踏み階段から滑り落ちたり、犬に引っ張られたり、ブタに踏みつぶされたり・・・様々なアクシデントが襲います。へろへろおじさんという名前がこれを読んだらなるほどと思いますし、独特な世界観に思わずくすっと笑ってしまう私の大好きな一冊です!!

 

『ケチャップマン』

鈴木のりたけ 作  ブロンズ新社

(佐々木雅代先生のブック・レビュー)

 アンパンマンにウルトラマン、世の中には00マンという様々なヒーローがいる。彼の名前はケチャップマンで始まるケチャップマンとは一体何者なのか?正義の味方なのか?強いのか、弱いのか?正体不明のマンではある。自分探しの途中に入ったポテトフライの店では苦しい修行と、変なお客との出会いが待っていた。押せば出てくる真っ赤なケチャップにスポットを当てたお話はとても興味深い。哀愁漂うケチャップマンの雰囲気に何故だか親しみを感じる。有名なM店に行っても会えないのは残念だが、どうぞ絵本の中で会ってケチャップ愛を感じて頂きたい。彼はケチャップの伝道師に違いない・・・。

 

『おいしそうなしろくま』

柴田ケイコ 作 PHPにこにこえほん

(青木涼香先生のブック・レビュー)

 食べ物が大好きなしろくまはある日「食べ物の中に入ったらどんなかな?」と思い、ごはん、おみそしる、おでん、スパゲッティ・・・など、様々な食べ物に入っている想像をします。子ども達の大好きな食べ物がたくさん出てきますし、何と言ってもしろくまの顔、フォルムが見ていて和みます。子どもももちろん、大人も楽しめる作品になっています。私も食べるのが大好きなので、「おいしそ~!」と子ども達と一緒に見ました。ぜひ読んでみてください!

 

『ぜったい ぜったい ひみつだよ』

アナ・カン 文  クリストファー・ウェイアント 絵  ほるぷ出版

(井関麻衣先生のブック・レビュー)

 可愛らしいカエルのケロケロ。ケロケロには実はある秘密があるんです。ケロケロのヒミツとは一体!? この絵本はまるで絵本と対話しているかのように話が進んでいきます。時に悩みを聞いたり、時にアドバイスをしたりしながら、ケロケロを応援してあげて下さい。読み終わるころには少しの勇気をもらえること間違いなしです。どんなひみつか気になる方はぜひ読んでみてくださいね!!。

 

『きょうりゅうのたまご』

なかがわちひろ 作  徳間書店

(井関麻衣先生のブック・レビュー)

 男の子のおへやに突然恐竜がやってきた!恐竜はたまごを探しているようです。男の子は恐竜と一緒にたまごがないか町中を探します。無事にたまごは見つかるのでしょうか?大きめサイズの絵本で細かく描かれている絵も魅力的な一冊となっています。この夏、ファンタジーの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

『しろおうさまとくろおうさま』

こすぎさなえ 作  たちともみちこ 絵   PHP研究所

(本間里穂先生のブック・レビュー)

 しろのくにに住んでいる白王様。くろのくにに住んでいる黒王様。しろおうさまは黒が嫌い。くろおうさまは白が嫌い。そこへいろんな色の小人がやって来て・・・。ふたりの王様が出会う瞬間は・・・?? あるきっかけで嫌いだったものが好きになる! 白黒のページから徐々に色鮮やかになっていくこの絵本は最後まで楽しめます。ぜひご覧になってみてください。

 

『なつやさいのなつやすみ』

林 木林 作    柿田 ゆか 絵   ひかりのくに

(本間里穂先生のブック・レビュー)

 とうもろこしやトマトにきゅうり・・・。夏の野菜たちが大集合。「なつやすみうれしいなっす」「コーンな日は…」など、やさいだじゃれ盛りだくさん! 夏野菜たちの夏休みとは一体? 夏にぴったりの読んでいて楽しく、夏休みが待ち遠しくなる一冊です。

 

『そりゃあもう いいひだったよ』

荒井良二 作   小学館

(園長のブック・レビュー)

 くまのぬいぐるみであるぼくは、ある日、ほんとうの熊たちから手紙をもらい、会いに出かける。乗り物に乗ったり、暗い山道を登ったりしながら。道々、様々な人々に出会うけれど、みんなとても親切で優しい。そのたび、ぬいぐるみのぼくは、こうつぶやく。

そりゃあもう、いいひだったよ! と。

そのむかし、おそらく10年くらい前になりますが、荒井良二さんの傑作「たいようオルガン」と出会って受けた衝撃がこの作品で久しぶりに蘇りました。絵本は絵であり、絵本の力は絵にかかっているという基本を、改めて示してくださった。これは心温まる、荒井さんの新しい代表作と言えるでしょう。皆様もどうぞお読みになってみてください。

 

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 さて、今回の先生方が選んだ絵本の紹介はいかがでしたか? 

 しんじんようちえんの子ども達は本当に絵本が大好きです。元気いっぱい遊ぶときは遊び、思い切り体を動かす。一方で、集中して絵本を読んだり、何かを作ったり、友だちや先生の話に耳を傾けたり、そういったこともとても得意です。その静と動、集中と発散のバランスが子どもの成長にはとても重要なのだと思います。そのような意味においても、心と体を鍛えるために絵本はとても大切なツールです。そしてなにより、お気に入りの特別な一冊があるということは、子ども達にとって何物にも代えがたい宝物であり、生涯にわたりその子どもを支えてくれる(時に本当に勇気づけてくれる)大切な財産になるはずです。ぜひこれらのレビューを参考にして頂きながら、本屋さんに親子で足を運んで頂き、お子さんと自分だけのお気に入りの一冊を見つけてみてはいかがでしょう。書棚の片隅で絵本たちは皆さんに発見されるのを待っています。

 それでは皆様、素晴らしい夏をお過ごしください!

 

 

 

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