『という、はなし』吉田篤弘(著), フジモト マサル (イラスト) を読む。
フジモトマサルが描いた読書の風景から
吉田篤弘さんが紡いだ物語。
動物が本を読んでいる1枚の絵から。話を。
24枚の絵からは、それぞれに24のストーリーを。
たしかに、物語の断面を切り取ったような絵ではある。
そこから膨らませる作家さんてすごいね。
「読書をめぐる小さな絵物語集」という言葉がぴったりです。
帯には
「ひっそり
のんびりといきたい。
しかし、なかなかそう上手くいかなくて、
静けさと余裕は
この世で最も高価なものになりつつある。
せめて本を読むときくらい、
なんとかならぬものか」
と書かれていました。
情報社会の波にのまれてアップアップする私たちのことですね…
イラストをかかれたフジモトさんは2015年にお亡くなりになられたそうです。
この作品に登場する絵は、
吉田さんのポストにとどいて(仕事場が近かったから)
「あとはよろしく」というメモが添えてあったそう。
「あとはよろしく」
最近なんだかこの言葉を、直接ではないけれど
なにがしかの仕事とともにばんばん投げつけられているような感覚がある。
でも、この本ににじんでいる「あとはよろしく」は
次の人につなげていくような、優しく手渡す雰囲気があって、
「こういうふうに言ってほしいんだよなぁ」って思う。
穏やかに過ごしたいのに。
そして無性に、古武道の音楽が聴きたくなった。
古武道だと言っているのに、結局選んだのは
藤原道山さんの「かざうた」だっていう…(笑)
日本語の題名は美しいね。
尺八の音色もね。
時々サポートで入っている、古川さんのチェロの音も
妹尾さんのピアノの音も、本当に穏やかだ。
もしかして、音楽聴いてないのでは…?疑惑浮上。
(CD、全然聴いてなかったよ💦)
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