空色のきもち

晴天の日も、雨の日もあるけれど、好きなものと一緒に毎日を過ごしています。

『宙ごはん』 23-3

2023-01-06 22:47:37 | 本の森


育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』。 
厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ。
ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親。
代わりに手を差し伸べてくれた、商店街のビストロで働くタトゥーだらけの佐伯。
自分からみたとても優しいあの人が、
他の人にとってはまったく違うように見えていた、
そんな面が!?と思うことってあるね。

次々に登場する人物たちが、
あまりにもたくさんの過去を抱えていて、
そしてあっけなくいなくなったりするので、
胸が痛くなったり、涙が出てきたりして、
こんな人生はちょっと…と思った。
辛すぎずかもよ。


こういう本を読むと決まって思い出すのは息子の同級生。
お互いすごーく仲良し、だったかどうかはわからない。
その同級生がある時イジメの加害者になってしまった。
聞いたところだと、何人かと一緒にやったようだけれど、表沙汰になったとたん、「彼のせいだ!彼の言う通りやっただけだ!」とサッと離れられて、一人で全部を背負ったらしい。
2年近く針のむしろの上で過ごして、最後の学年に上がるとき
「転校するかとさんざん迷ったけれど、しないことにしようと思う。
それで…●くん(うちの子)と同じクラスになりたいと学校に伝えてもいいだろうか」
とお母さんから電話があった。

なんて答えたらいいか、わからなかったあの気持ちを今でも思い出す。
いまだになんと答えたら良かったのかな、と反芻する。

昔過ぎてもうよく覚えていないけれど確か…
私が決めていいことではない気がする。
子供に話してみる。
その考えを私は尊重してやりたいと思う。
多分、同じクラスになったからといって、
なにか手助けするとか、
ずっと一緒にいるとか、
必ず同じ班になるとかいう約束は、
ごめんね、できないと思う。
ただ友達として普通に接するだけでいいなら。
と答えた気がする。

息子に聞いたらあっけなく
「いいよ」
といったのはすごく覚えていて
それに対して私は
「そう。(彼といると)あなたまで同じように仲間はずれにされるという可能性は?」
なんていう、どうしようもないことをにおわせたと思う。
(これが非常にクヨクヨする原因。
実体験に基づく部分があるので、仕方がないといえば仕方ないかも。
手を差し伸べてみたら周りからは疎遠にされ、
手を差し伸べた相手からは非常に密着された💦)

「イジメはやってはいけないこと、というのはわかる。
アイツが本当にやったなら、いけないことだ。
だけどオレはその現場を見たことがあるわけじゃない。
オレがやられたわけでもない。
本当にやり返していいのは、被害者だけなんじゃないかなぁ。
もう十分、制裁は受けたと思う。
オレは普通のクラスメイトとしてアイツと接するよ。
大丈夫、エスカレートしたら『もうよくね?』って▲とかと一緒に言うさ」

そう言ってました、とお母さんに伝えたら泣いてたなぁ。
「普通に接する、それだけで十分。ありがとう」

普通が普通でなくなるときってあるんだよね。
一緒に泣いたり笑ったり、時には喧嘩することも、何なら他愛ないことを話すのだって難しくなってしまうことは、あるね。

そしてまた、公平でいたい、
できることをしたい、とも思ってはいるものの
実際に行動に移せるのか、
または、自分の中に差別がないのか、
と考えると、「うーん…」と思ってしまう未熟者です。

このお話にはたくさんおいしそうな料理がでてくるので、お腹が減ります。
そして、それぞれの思いを理解すると、ちょっとほんわりするのです。

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