故郷、北海道室蘭市が鉄鋼製鉄の企業城下町として活気に溢れていた昭和40年代。小太り坊ちゃん刈りの朴竜少年が小学校4年生の時のお話。
毎朝の通学路にある大きなお屋敷は高さ150cmくらいの塀に囲まれていました。
そして毎朝、その塀の上にはふてぶてしい面構えでたいそうデブの三毛猫が気怠そうに通学途中の小学生を見下ろしていました。
名前を勝手にマサヲと付けられたその猫は中々の傑物で、悪ガキが棒で突こうが、竹定規でペシペシ叩こうが、輪ゴムを飛ばして狙おうが平然とやり過ごしていました。
ある朝、この傑物マサヲはどうしたら驚くのだろうかと考えた末、急に閃いたのです。
そう、マサヲを塀の内側に落としてやればいいのです。と直ぐに実行しました。
塀の中からドサッと音が聞こえますが一言も鳴かない大物マサヲです。
慌てて逃げ去る朴竜少年。
そして翌日朝の通学路、マサヲは何もなかったかのように、いつもと同じ悠然としてふてぶてしく私を見下ろすのです。
そして私はマサヲをまた塀の内側にどサッと落としてやったのです。それから朝の新しい日課がスタートしました。
毎朝塀の上で睥睨するマサヲ、それを落とし一目散に逃げる朴竜少年。雨の日、冬を除いては毎日毎朝、猫と朴竜少年の根比べが続くこと一年以上。
その狂おしい日々がある日止まってしまいました。
マサヲが死んだ?
いえいえ違います。
私の朝の日課を観ていた近所のクソババアが学校にちくりやがったのです。
毎日毎朝一年以上猫を虐待している小太り坊ちゃん刈りの少年がいると!
虐待ではなく根比べゲームなどと担任に説明しても理解してくれず、結局、マサヲと私の愛しい日々は終わったのでした。
次の日、マサヲは私に落とされるのを待っている様子でしたが、意に反して何もしない私にマサヲは「アレ?落とさんの?」と残念そうな瞳を向けるのでした。
そして、もどかしげなマサヲは自ら塀の内側にどサッと落ちてくれたのです。
手を触れた訳でもないのに、習慣で一目散に逃げる朴竜少年なのでした。
毎朝の通学路にある大きなお屋敷は高さ150cmくらいの塀に囲まれていました。
そして毎朝、その塀の上にはふてぶてしい面構えでたいそうデブの三毛猫が気怠そうに通学途中の小学生を見下ろしていました。
名前を勝手にマサヲと付けられたその猫は中々の傑物で、悪ガキが棒で突こうが、竹定規でペシペシ叩こうが、輪ゴムを飛ばして狙おうが平然とやり過ごしていました。
ある朝、この傑物マサヲはどうしたら驚くのだろうかと考えた末、急に閃いたのです。
そう、マサヲを塀の内側に落としてやればいいのです。と直ぐに実行しました。
塀の中からドサッと音が聞こえますが一言も鳴かない大物マサヲです。
慌てて逃げ去る朴竜少年。
そして翌日朝の通学路、マサヲは何もなかったかのように、いつもと同じ悠然としてふてぶてしく私を見下ろすのです。
そして私はマサヲをまた塀の内側にどサッと落としてやったのです。それから朝の新しい日課がスタートしました。
毎朝塀の上で睥睨するマサヲ、それを落とし一目散に逃げる朴竜少年。雨の日、冬を除いては毎日毎朝、猫と朴竜少年の根比べが続くこと一年以上。
その狂おしい日々がある日止まってしまいました。
マサヲが死んだ?
いえいえ違います。
私の朝の日課を観ていた近所のクソババアが学校にちくりやがったのです。
毎日毎朝一年以上猫を虐待している小太り坊ちゃん刈りの少年がいると!
虐待ではなく根比べゲームなどと担任に説明しても理解してくれず、結局、マサヲと私の愛しい日々は終わったのでした。
次の日、マサヲは私に落とされるのを待っている様子でしたが、意に反して何もしない私にマサヲは「アレ?落とさんの?」と残念そうな瞳を向けるのでした。
そして、もどかしげなマサヲは自ら塀の内側にどサッと落ちてくれたのです。
手を触れた訳でもないのに、習慣で一目散に逃げる朴竜少年なのでした。