クラブボクシング@ゴールドジム湘南神奈川

普通、湘南辻堂といえばサーフィンなのにボクシングでひたすら汗を流すオッさん達のうだうだ話!

朴竜文庫 50(マウス)

2018年01月29日 | 朴竜文庫
この村田沙耶香さんの「マウス」は2008年3月に講談社から出版されたのちに文庫化されたものです。

村田さんはその後、2009年、『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞受賞。

2013年、『しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞。2014年、『殺人出産』(これも超面白い!)で第14回センス・オブ・ジェンダー賞少子化対策特別賞受賞。

そして2016年、『コンビニ人間』で第155回芥川龍之介賞受賞しました。

まだ38歳の新鋭の作家で、この「マウス」を読んで頂ければその瑞々しい才能とセンスが感じられると思いますし、私は村田さんの作品が肌に合っています。

タイトル「マウス」(mouse)は「ねずみ」のことですが、合わせて「内気な女の子」「引っ込み思案な子」「かわいい子」という意味もあるそうで、主人公は小学校5年の「内気な女の子」で、「内気でおとなしい」という立ち位置でクラスに居場所を作っているのですが、もうひとりの主人公はもっと特異な女の子で、その子との係りでなかで自分と云うものを見つけだそうと苦しみもがきながら大人になっていくというお話。

アイディア、着眼点、言葉の選び方、ストーリーの展開、何より心の内面を滑らかながら深く描く力に感動した作品です。