確かに僕の言葉はうそになるかもしれなかった。
だけど、そのときはそう思ったのだ。
今の君と同じように。
僕は不適切な関係を終わらせ、
互いに光の当たる場所で会いたかったのに、
君の決断は少々遅かったようだ。
本当は僕を試す必要はなかったんだ。
あのとき、その手を離して、こっちに来てくれるだけで。
だけどもう遅すぎる。
君を失った僕はいつまでもそこにはいなかった。
もう僕の手は他の人の手を握ろうとしている。
別れを告げられるのは辛いが、
別れを告げるほうがもっと辛いという事を
改めて思う。
いつのまにか入り込んだ「不信」は
もう取り除けない。
たとえ今、証を見せられたとしても。
君を切り捨てる勇気がほしい。
その瞳を見ても、動じない冷たさが。