老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

契約は簡単、でも解約は大変!!

2022年07月14日 19時28分21秒 | 高齢化社会での生活・終括・社会保障など

 今回の話題は生命保険のことです。

 現在の金利ではあまりメリットある保険商品はないでしょうが、かっては高金利による有利な保険が沢山あったこともあり、ツレアイは少し小銭が貯まると銀行などへの預金よりも生命保険には結構入っていました。

 そのほとんどは、我が家の夫婦の年齢差にも拠るのでしょうが、私が先に亡くなる場合を想定したもので、私もその内容は把握していました。


 しかし、思いもかけないツレアイのアルツハイマーの進行で、介護施設のお世話にならざるを得ないという事態になり、私に万一のことがあればツレアイには独自での判断/対応が難しかろうという状況に直面し、以前に作成していた遺言書の変更と共に各種保険の見直しなどが必要になりました。


 その中で、今後もし私に何かあった場合に備え、ツレアイ名義で加入し私が受取人になっている生命保険は解約して、ツレアイ名義の預金などにしておいた方がツレアイの為には良かろうと思って、満期前の解約による損失は覚悟の上で生命保険会社に解約を申し入れました。

 しかし、それからが大変。 簡単には進みません。
 S社の方は、年ごとの家庭訪問があり、我が家の事情も良く知っていただいているので、解約申込書に署名ということになりましたが、その署名は本人の自筆が必要とのことで、昨日も書き込んだように手間取りました。

 一方、N社の方は2件ある内の、営業所管轄の1件はS社同様に何とかなりそうですが、もう1件が外貨建てという事情もあるのか本部管轄で「本人からの申し出による解約の意思確認が必要。状況次第では成年後見人も必要」との固い態度で、同じ保険会社なのに対応が違って目下調整中です。


 要するに、契約者が認知症などに拠って、自己判断能力がないと見なされれば、解約ができないこともあるのです。

 このコロナ下で施設に入られている認知症の方は、家族との面会もままならない状況で、急激に症状が進んだという事例を沢山聞いていますし、生命保険に関して少なくても下記のことは徹底させてほしいところです。

 

<勧誘/成約時>に必要な事項

・解約にそのような制限を設けるなら契約時にも、本人の認知症有無や加入の判断能力の確認。

・解約は自由にできるのではなく、「契約人の明確な意思表示と署名ができる状況が必要」なる旨の説明。

・「もし契約人の自己判断が難しいと会社が判断したり、署名ができない状態になっていれば、解約などには法律に基づく後見人制度が適用される」旨の説明。

 

<契約後> 毎年契約内容の確認書の送付時に、必要な事項

・その後の認知症症状の問い合わせや確認(要するに、自己判断能力があるかどうか)

・解約は自由にできるのではなく、「契約人の意思表示と署名が絶対に必要」なるとともに、「もし契約人の自己判断が難しいと会社が判断したり、署名ができない状態になっていれば、解約などには法律に基づく後見人制度が適用される」旨の再確認


<自己判断に拠るものかの判断方法>

 現在では保険会社に契約人が電話で申し出るか(間違いなく本人からの電話かどうかの確認方法は聞きませんでしたが・・・)、保険会社の担当者が契約者と面会ということですが、認知症が急激に進んだ状態では、電話のかけ方を忘れたり、相手の顔も見えない電話では相手の言っていることも理解しにくい状況になっています。

 また、例え面談しても初めての人には委縮したり緊張して相手の言っていることが理解できないし話しにくいという認知症の症状を十分に理解して、公的介護者であるケアマネさんを介しての意思確認などの対応なども必要かと思います。

 確かに金銭に関することで当事者間の利害が反することもあり、色々な法律的な問題があるでしょう。

 しかし、要は契約獲得のために、「いつでも解約できます」などと良いことだけを安易に伝えるのではなく、契約者に不利なことはもっと詳しく伝える必要があります。


 自己判断能力が疑われるアルツハイマーなどの認知症については、一般的にはゆっくりと進行するケースが多いが、今回のコロナ問題のようなケースでは関係者が十分な対応もできないような急激な進行を見せるのだということを理解し、契約者や受取人の安心を守り便宜を図れないのであれば、生命保険の存在価値はないでしょう。(まさ)