老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

なくなった政治の品格と節度 

2025年02月25日 19時22分38秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
(昨日は大寒波の中を琵琶湖の雪見船で長浜迄行って盆梅展や近くの雪景色を見てきましたが、目下写真整理中です。
同じく昨日はソ連の大義のないウクライナ侵攻から3年が経過した日。まだ悲惨な侵略が続いていますが、これに米国の大統領が絡んで余計にややこしくなりそうです。)

 最近の日本や世界の動きを見ていてつくづく思うのは、政治における品格と節度の無さではないでしょうか。

 日本に於いては、ここ数十年は“目先の利益と支持獲得を目的とする、政治家の政治家の為の口先だけの政治”が根付いてしまい、将来における国の在り方や国民の幸せなどはお題目だけになっていますし、世界的に見てもこの傾向は目に余るものがあります。

 私達が若い頃に抱いていた、政治における世界的な指導基盤となっていた精神的な支柱であるべき、品格というようなものは今や夢物語となってしまい、逆に目につくのは、節度のない力に拠る金儲け/権力追及が主目的になってしまい、これらを牽引する政治家に国民の一部が金儲けのおこぼれを期待したり、或いは共同幻想的に追随しているという現実でしょう。


  政治学者ではないので、思っていることを理論的に整理するという作業は避けますが、世界の指導国とされている巨大国の問題点を思い浮かぶままに列記してみます。

<ソ連他の共産圏諸国>
◆かって、共産主義というのは労働者や農民など社会的に圧迫されていた層が、社会の表舞台に出て、全ての構成員が平等な理想のある社会を目指すものだとの幻想を振りまきました。

◆しかし、悲しいかな、人間というのは一度権力を握ると、それを手放したくなり、円満に譲渡することを恐れるものらしく、権力を更に強固にして継続させるために、権力者に拠る監視・管理社会の徹底を目指し独裁的な立場を強めていくものなのですね。

◆その例にもれず、国内を固めたソ連のプーチンは更なる権力拡大を目的に、領土拡大を目指しての侵略を仕掛けましたし、中国もはるか昔の中華圏の復活を旗印にあちこちで領土拡大を目指しています。

<米国>
 ◆何も米国がその誕生時から民主主義のリーダーだったわけではなく、その誕生初期には先住民への武力による圧迫や、黒人奴隷の労働力搾取という暗い過去を持っています。
 その後は世界中から移住してきた移民の力の終結などにより、資本主義国として成長し、旧世界の戦争にも積極的には加担せずに世界の工場として生産力の強化が出来たので、世界的に地位を高めていきます。

◆その後、第2次大戦への参加・勝利を機に経済力を益々高め、軍事力でもその地位をゆるぎないものにし、「自由と民主主義」を精神的な謳い文句として独裁国家に勝利し、資本主義国家の実質的なリーダーになりました。
その後、ベトナムやイラク/アフガニスタンにおける戦争にも関わることで、大きな失敗も重ねましたが、共産主義国に対抗する資本主義国の旗頭としては何とかまだ精神的な支柱であることをキープしていました。

◆しかし前回のトランプ政権の誕生後、その政治は大きく変わってしまい、今回の第2次政権誕生後はまだ短期間ながらその傾向がより顕著になってしまいました。

・まず、資本主義/民主主義陣営の代表ではなく、かっての世界一強の再現を狙って、米国一国だけの利益を最優先することに切り替え、そのためには同盟国と言えども敵対視する施策をとることに躊躇していません。

・そして、従来は米国が主導して築きあげてきた、世界的なシステムである往来や貿易の自由/先進国に拠る後進国支援/性的マイノリティを含めた人権擁護/力に拠る支配の排除/将来にわたる気候変動への対応体制などを、自国の経済性だけを重視し、自らの手で覆す方向に向かっています。
これらの一連の節度のない動きを見ていると、このような人物を絶大な権限を有する大統領に選んだ政治システムと米国の国民に対して疑問を感じざるを得ません。

◆韓国のように大統領が変われば前の大統領が何らかの訴追を受けるのも理解しがたいシステムですが、韓国の場合は対外的な約束事は一応そのまま守られています。
しかし米国の場合は、大統領の持つ権力が余りにも大きく、大統領が変われば新しい大統領のサイン一つで以前の法令や対外的な約束事までもが全く変わってしまいます。

このようなことが可能な政治システムには本当に驚きますが、今回のようにあからさまにこれが実施できることが判れば、今後米国以外の国は、米国との約束ごとについては永続的なものではなく、単なるその場の一時的な取り決めとしてしか考えなくなり、米国との長期にわたる信頼性は期待しなくなるでしょう。

◆現在のトランプ大統領の進め方を見ていると、グリーンランド領有への欲望/パナマ運河の支配権/中近東ガザ地区の米国管理案などの品格と節度のない発言は、ソ連や中国の領土拡大/覇権拡大への動きと根本的には変わらないでしょう。

 更に、ウクライナ停戦への動きを見ても国際法を踏みにじったプーチンを容認するかのように、取りあえずの現状維持の停戦を目指し、その為にはウクライナの大統領を理由なく誹謗するとともに、この仲介に乗じて地下資源などに対する自国権益を確保しようとする浅ましい言動は自国の権益だけを目指す独裁者と変わらないと思わざるを得なく、その品価格と節度の無さは目に余るものがあります。

◆更に不思議なのは、民主主義国家であるはずの米国に於いて、約半数の人が現在の大統領再選に反対したはずなのに、それらの人々の意見は何故外に向かって反映されないのでしょうか?
じっと黙っている国民性でないので、大きな反動が起きていると思うのですが、それが我々にまで伝わらないのは、米国や我が国のマスコミの現米国大統領に対する忖度でもあるのかと勘繰りたくなります。


 以上、私ごときが対応できる問題ではありませんが、物心ついてからは、米国に植え付けられた民主主義社会の中で生きてきて政治の品格というようなものを期待している者として、現在の余りにも無様な政治指導者の人間性に関する品格や節度が感じられない現状を無視するのもおかしく思い、ソ連のウクライナ侵攻から3年経過ということで、敢えて一言言わずにはおられません。


 拙文に長々とお付き合いいただき恐縮ですが、私としては私のブログの一番下に張り付けているタグが、ウクライナが納得する形で外せることを祈っている次第です。(まさ)


早起きした昨日の朝見かけた月齢25前後のお月さん





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