東京都、旧こどもの城に酸素ステーション設置へ(産経新聞) - Yahoo!ニュース
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない東京都が、自宅療養者らが酸素吸入が必要になった場合に備える「酸素ステーション」を、旧国立児童館「こどもの城」(渋谷区)に開設することが17日、関係者の話で分かった。21日から患者を受け入れる予定だ。 【イラストで見る】一般の方と専門家による感染症のイメージ 酸素投与や投薬、点滴、心電図によるモニタリングなども可能としており、130床の運用を予定している。医師が往診し、看護師が常駐する。 都内の16日時点の自宅療養者は2万2166人で、入院・療養などの調整中は1万1642人に上っており、自宅療養中に死亡する事例も出ている。危機的な状況を受け、政府は13日、速やかに酸素を投与できる酸素ステーションを自治体と連携して設置する方針を示していた。
専門家「酸素ステーション使用は"異常事態”」
こうした「酸素ステーション」が、「国民の命を守る」大きな一手となるのでしょうか? 神奈川県医療危機対策統括官 阿南英明氏: 災害医療の発想です。本当に最低限、点滴をするとか酸素を吸う、こういう応急救護所の医療があるわけです。 それと同じ考え方で とにかく酸素だけがあれば命が繋がる。だから酸素を投与して、命をつないで病院に入院してもらうんだ……命をつなぐための施策です。 こう語るのは、この酸素ステーションを実際に考案した神奈川県の医療危機対策統括官を務める阿南英明氏。 神奈川県医療危機対策統括官 阿南英明氏: やらなかったら1時間後に死ぬでしょう、という人たちを、酸素を投与することで半日一日、命がつながって、病院につながっていくわけです。 あくまでも入院させたいです。入院して治療すべきだと思っています。 だけど、入院がどうしても無理な時に使う、という位置付けで開いてます。酸素ステーションは、あくまでもその人の病床が確保されるまでの時間稼ぎ。最終的なゴールというのは、やはり病床の拡大。ここは肝なので。 ただ、他の医療を止めなければいけないという、我々としてはもう究極の選択をしている。自分で作っておきながら、使うべきではないです。使うような事態は異常です。 でも、その異常なところまで来てしまったからこれを使う。 「酸素ステーションを使う」というのは「異常事態」。阿南氏はそう強調します。 本来ならば、使うべきではない施設。それだけに、政府が打ち出した方針には違和感があると言います。 神奈川県医療危機対策統括官 阿南英明氏: 酸素ステーションは解決策でもありません。つなぎです。この視点を持たないとだめです。そこが見えてない。あえて批判しますけど、あの発言の中には何も見えてない。酸素ステーション作れば解決するなんて、とんでもない。 酸素ステーションに頼る必要のない医療状態に早急にもっていくことが今求められています。 (「めざまし8」8月17日放送)
東京都が酸素ステーション設置へ 130床、21日から運用(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
新型コロナウイルスに感染し、酸素投与が必要になった自宅療養者などに対応するため、東京都は、大規模な酸素投与ステーションを設置する。旧国立児童館「こどもの城」(渋谷区)の建物を活用し、約130床を設けて患者への酸素投与を進める見通しで、21日から運用を始める方向で準備を進めており、医師や看護師の確保を急いでいる。 都関係者などによると、酸素投与ステーションは大部屋をパーティションで仕切り、患者用のベッドを置く形式を想定。酸素投与が必要になった自宅療養者などを一時的に受け入れ、酸素投与のほか、投薬、血中酸素飽和度のモニタリングといった処置を実施するという。最大で医師2人、看護師25人ほどの態勢で、容体の急変がないかどうか、24時間態勢で見守る。 政府は入院患者以外の療養者に向け、重症化を防ぐ効果があるとされる「抗体カクテル療法」を進めるとともに、酸素投与ステーションの設置を推進する考えを示している。都は複数の医療機関などにも開設を打診しているという
「首相は何も見えてない」政府表明の“酸素ステーション設置”に発案者から疑問の声(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース
首相「酸素ステーション設置」表明…専門家から疑問の声
菅首相が8月13日、打ち出したコロナ対策の一手。 菅首相: 国民の命を守る、これが政府最大の責務であります。 例えば酸素の投与が必要になった場合、酸素ステーションを設置して対処する。そうした体制を、これから速やかに構築するように関係大臣に指示しました。 【画像】これが神奈川県が独自に整備した酸素ステーション
呼吸に異変の生じた自宅療養者に酸素を投与する場所、すなわち「酸素ステーション」を整備することを表明。 しかし、この方針に対しては疑問の声をあげる人がいます。 酸素ステーションを考案した神奈川県の医療危機対策統括官です。 「状況はもう異常です!本来こんなのはあるべきではない。」 酸素が必要な自宅療養の患者に、酸素を投与できる場所を作ること―ー。 それに対して、いったいなぜ批判の声が上がっているのでしょうか。 神奈川県医療危機対策統括官 阿南英明氏: あえて批判しますけど、(菅首相の)あの発言の中には何も見えてない。酸素ステーションをつくれば解決するなんてとんでもない。 8月7日から神奈川県が独自に稼働を開始した「酸素ステーション」の内部にカメラが入りました。これは16日の様子です。 無線: 患者を搬入させていただきたい。 長岡看護統括: 了解です。名前と時間教えてください。 職員:20歳、女性。苦しいところは? 患者: ない。 職員: 苦しいところがあったら、おっしゃってください。 パーティションで仕切られた空間には、簡易ベッドに机と椅子のセット、そして酸素投与の装置が置かれています。そこで防護服姿のスタッフが対応します。 神奈川県の16日の新たな感染者は、2584人で過去最多を更新。重症病床の使用率は9割を超え、医療崩壊の危機にあります。 そこで、この酸素ステーションでは、医師が入院と酸素吸入が必要と診断したものの入院先が見つからない患者を一時的に受け入れ、24時間体制で酸素投与を行っているのです。 患者の血中酸素飽和度を測るパルスオキシメーターには、「95」の数字が表示されます。重症化の目安となるのが血液中の酸素飽和度です。 酸素量が不足している93%から、正常値の96%以上にするため、ここで酸素投与を続けるといいます。 長岡看護統括: 自分が見た患者の中では、すぐに人工呼吸器につなげた方がいいなと思う患者もいたし、今すぐ治療が必要だなと思う患者も入所していました。 こんなに酸素が必要な人が入院できずここにいるということが、私としてはびっくり。 酸素投与しかできないので、とても心配な状況が続いています。 この1週間で、28人がここで酸素の投与を受けました。 しかし病状は回復せず、全員が病院に搬送され、入院することになりました。