スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

浦和エリア旨い店シリーズ ~番外編350~

2021-08-06 06:21:45 | 食~番外編(京都)

祇園 呂色(ロイロ)

京都市東山区花見小路四条西入ル北側 伊澤ビル5F

TEL 075-541-5510

定休日 水曜日

http://www.roiro.net/

京都で和を取り入れた洋食(フレンチ・イタリアン)の

レストランに行きたいと調べていたら当店を知り予約を入れた。

当店は食べログ洋食・西洋料理店部門でNo4、2021年ブロンズ店、

西日本エリア洋食部門2021の百名店にも選ばれている。

場所は四条通りに面して祇園「鍵善良房」の右隣りビルの5階にある。

予約はランチだが、なんとなくディナーの雰囲気で女性ウエイトレスが丁寧に迎えてくれた。

当店は2017年11月15日オープンということだから3年半という新しいレストランだが、

オープン1年目でミシュラン京都・大阪で1ツ星を獲得している。

今や祇園の街で食通らの耳目を集めている注目のレストランだ。(完全予約制の店)

ご覧のように当店はカウンター席のみで、

コロナの関係からか本来10席のところ、8席のセットになっていた。

店内は照明を落とした大人のハイソな空気が流れていてとても素敵な店だ。

カウンター席のちょうどセンターにダウンライトで浮かび上がった緑の

なんとも素晴らしい活け花(?)がお客を歓迎してくれているようだ。

オーナーシェフ曰くプロの作品だそうだ。

当店名の呂色(ROIRO)は京都で生まれた漆の色。

漆の中でも特別な黒色の精神がこの店にも活かされているとかで、

カウンター、奥の壁面、床のフローリングは黒色の基調。

あとは白系とモノトーンのコントラストがすごくお洒落だ。

この男性の方がオーナーシェフの小霜浩之シェフ。

他に男性ソムリエと女性シェフと女性ウエイトレスの4名で

皆その所作がプロフェッショナルの振舞で気持ちが良い。

料理は仕上げ段階でお客の前で整えるやり方だが、かならずしもオープンキッチンではない。

見えそうで見えない不思議な距離感でカウンターの高さが設定されていて

ここでも想像力を働かせてしまう。

これが呂色のメニューです、皆さん見て下さい。

長く縦に書かれた文字は「温石・定跡・DHA・出逢い・恵み・

大地と海・生命・結び・共鳴・金塊」

こんなメニュー正直初めてです。

途中で自分なりに解釈したのは、各レシピのイメージ・コンセプトを字に置き換えたのでは?

もうこの段階で小霜シェフの世界観に酔いしれはじめてしまいました。

カウンターに置かれたビールのグラスが当店では絵になること。

なぜか当店のビールは殊の外、美味かった。

そのわけを考えたらまず当店の雰囲気、このグラスのなんと薄いこと、

そして外の京都の夏の蒸し暑さが重なってか。

 

 

それでは小霜シェフの繊細な料理の謎解きメニューサプライズのスタートです。

従来の枠組みを超越した作品をこれから紹介いたしましょう。

(温石) 黒いのは帆立を竹の炭で調理し帆立貝と与謝野米に

チーズを添えリゾットに仕立てた逸品。

フランス料理の技法を大切にしつつも

京都というイメージに相応しい和を取り入れたコースが始まった。

(定跡) 冷たいスープ、白桃としょっぱい生ハム、

そしてじゅんさいを合わせ薫香(スモーク)したもの。

これは最高に旨い、唸る程だ。

食材の個性を活かし引き出しているのが特徴。

すごいシェフの技だ。

(DHA) 青魚の鯖と赤玉葱を使った作品。

青魚が血液をサラサラにさせるサプリメントになるという所がDHAか?

このお料理は味もさることながら、まず見て美しい。

そしてかわいらしい。

シェフが細かいピンセットで花びらをあしらっているのがカウンターから覗き込んで見えた。

これは料理というよりはアクセサリーを作っているような色彩芸術だ。

(出逢い) 京都の夏の食材、鱧のフリット。

下のソースはヤングスイートコーンにラー油を入れたもので、味はフリットゆえ軽い。

鱧とコーンで夏の出会いを表現しているようだ。

それにしてもここまで特にこの料理の呂色の皿など食器へのセンスも素晴らしい。

すべての美的センスはビックリの連続だ。

シェフが早朝から焼いている自家製のパンは本当に美味しかった。

もっともっと追加したかったが、コースの量がわからずブレーキを踏んだ。

このバターもフランス製で半端じゃない。

そしてまたまた鉄平石のようなこのお皿と

ズッシリくる小振りだが重厚なバターナイフも惚れ惚れしてしまう。

(恵み) トマトとビーツをベースにモッツァレラチーズ、ブラータを使った作品。

またまた花びらをあしらった料理で美しいが、

DHAで一回驚かされたのでこの料理は見た印象は半減してしまった。

恵みは花の恵みを表わしているらしい。

(大地と海) 夏の魚・スズキと焼き茄子にアーモンド、ヘーゼルナッツ等に

タイムの香草そしてシェリビネガーを使った手の込んだレシピだ。

カウンター上で繰り広げられるプレゼンテーションは圧巻で唯一無二の料理を提案してくる。

先ほどはバターナイフを褒めたが、たぶん同じシリーズもののフォークとナイフだと思うが、

改めて重厚で品位のある素敵な食器だ。

(生命) フランス・シャランの鴨のわらの香りづけしたステーキに無花果(いちじく)のソテー。

ソースは赤ワインと蜂蜜。

これもシンプルだが美しい盛り付けだ。

ソースのかけ方も美的センスが溢れている。

小霜シェフは芸術的才能が秀でた人なのではないかと拝察します。

ここで驚きの道具、お箸が登場した。

一体何が起きるのだ?

(結び) 七谷鴨 中華そば 九条葱

すっかり京風フレンチの世界で身も心も堪能していただけにこれには参りました。

全く想定外の〆が出てきました。

なんとラーメンです、ラーメン。

思わずシェフを呼んで言ってしまいました。

「結びがラーメンとは恐れ入りました!」と。

(共鳴) 夕張メロン大葉入りと抹茶アイス。

メロンと抹茶アイスの間を大葉の香りと味が架け橋になってコラボしている。

共鳴している。

(金塊) 5種のミントのハーブティー。

ガラスの急須から見た、ライトアップされたグリーンが美しく光っていた。

かたやプレーンとゆずのフィナンシェ。

仏語のフィナンシェは金融、金持ちの意味があり、

色・形において金塊に似ているゆえ。

そして最後にチェックをするとスタートのイメージメニューの解答が

シェフのサイン入りでお客に渡された。

小霜浩之シェフ曰く「当たり前の事をしていたらこの世界で生きていけない。

スタイリッシュでなければ・・・。」

京都は食のすごい激戦区だとつくづく思う。

東京と違って狭いエリアで伝統と革新の料理がしのぎを削っている。

そんな中「呂色」さんは連日、一期一会を楽しみにする美食家たちで賑わっていると言う。