スミダマンのほのぼの奮戦記

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奥嵯峨 祇王寺

2021-08-21 06:32:58 | 旅 ~京都

祇王寺は京都市右京区の奥嵯峨にある真言宗大覚寺派の仏教寺院。

寺自体は尼寺である。

山号は高松山。

院号は往生院。

本尊は大日如来。

平安時代、法然上人の弟子・念仏房良鎮が往生院を開設し、後に祇王寺と呼ばれるようになった。

https://www.giouji.or.jp/

祇王寺は竹林と楓に囲まれたつつましやかな草庵で「平家物語」にも登場し、

平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が清盛の心変わりにより都を追われるように去り、

母と妹ともに出家、入寺した悲恋の尼寺として知られている。

祇王寺は明治初年に廃寺となったが、残された墓と仏像は旧地頭の大覚寺によって保管された。

大覚寺門跡の楠玉締師はこれを惜しみ、再建を計画していた時に、

元京都府知事・北垣国道氏が祇王の話を聞き、明治28年に嵯峨にあった別荘一棟を寄付された。

これが現在の祇王寺の建物です。

祇王寺は苔の庭としても知られている。

ご覧のようにあまり広くはない苔の庭だが、新緑が最も美しい時期、

緑一色の祇王寺の苔庭、若竹の緑の風が静かに流れていく。

ひぐらしの声は暑さを感じさせない。

また、秋の散り紅葉は見事だそうだ。

山門に向かって歩く俥夫の後ろ姿が絵になって思わずパチリ。

彼から祇王の悲しい恋話を聞き、祇王寺の切なさをさらに感じてしまった。

苔庭でも有名なだけに代表的な苔の展示と分布の絵が書かれていた。

山門から右に進むとシノブゴケ、真ん中にスギゴケ、

さらに行くとハイゴケ、そしてヒノキゴケ、帰路にはコツボゴケ。

苔と一口に言ってもこんなに色々あるとは知らなかった。

とても勉強になりました。

因みに俥夫の勝木君はヒノキゴケが好きだと言っていた。

京都人は苔の好き好きまでもがあるとは関心してしまった。

テレビの時代劇などでおなじみの「この紋所が目に入らぬか?」という

徳川家の三つ葉葵の紋所は、フタバアオイの葉3枚を組み合わせたものと言われている。

フタバアオイは5月15日に賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)で

行われる京都三大祭りの一つ「葵祭」の飾り付けに用いられるため、

カモアオイの別名もある。

素晴らしい竹林、夏の風物詩ほおずきも白拍子の祇王の悲恋の尼寺としての物悲しさを

表現しているように思えて仕方がない。

草庵の控の間にある大きな窓を吉野窓といい、影が虹色に見えることから虹の窓とも称している。

仏間の仏壇には本尊大日如来、清盛公、祇王、

妹の祇女、母の刀自、仏御前の木像が安置されている。

祇王、祇女の像は鎌倉末期の作で作者は不明ですが、

眼が水晶(玉眼)で鎌倉時代の特徴をよく表している。

俥夫の勝木君曰く「清盛公の像は本尊と祇王の間にあり、

壁の間にあってよく見えないのが何かを物語っている」とか。

・・・なるほど、これは意味深だな。

正面に向かって左の宝筺印塔に祇王、祇女、母刀自の墓がある。

右の五輪塔は清盛公の供養塔で、いずれも鎌倉時代の作といわれている。