喫茶 フランソア
京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町184
TEL 075-351-4042
定休日 無休
営業時間 10:00~22:00
京都には素敵な喫茶店の文化がある。
その中の代表的喫茶店の1つがここ「フランソア」。
創業はなんと昭和9年(1934年)。
2003年、喫茶店として初めて国の登録有形文化財に指定された。
昭和の初期という時代に和と洋を組み合わせた革新性、
その後も改装されることなく建物が内部の調度品や装飾を含めて
当時のままの姿で残っている点が高く評価された。
尚、当店の場所は四条小橋を南に少し下がった路地にある。
まさに西洋の街角で見かけるような粋な喫茶店だ。
店名の「フランソア」はフランスのバルビゾン派の
画家フランソワ・ミレーより名付けられたという。
バロック様式風の室内は当時のイタリア豪華客船の面影を写し、
海外の文化と自由への憧れを象徴した内装の数々。
ステンドグラスの窓、優雅な白い天井、赤いビロードの椅子、
壁に掛けられたモナリザの複製画などだ。
ここは当初からサロン風の贅沢な喫茶店だ。
当店には前アップしたメインの部屋の他に隣りにこじんまりとして落ち着いた部屋もある。
ここではクラシック音楽が流れ、コーヒーを飲みながらゆったりした時を過ごせる。
当店の創立オーナーの立野氏のフランソア設立の意図は次の通りだ。
戦時色が深まり自由な言論が困難になっていく時代に、
反戦や前衛的な芸術を議論する場として、このフランソアを提供しようとした。
そんな文化的雰囲気にひかれてフランソアに通った青年の中には
今は亡き藤田嗣治、宇野重吉、桑原武夫のような人もいた。
喫茶フランソアは京都昭和史の貴重なインデックスだ。
お店のウエイトレスさんの古典的で抑え目なユニフォーム。
部屋のセンターには歴史を感じさせる暖炉が。
そして床は年季の入った木のフローリングになっていて、
やはり昭和の雰囲気が漂っている。
メニューの表裏表紙の絵も手書きの温もりが伝わってくる。
当店の売りのコーヒー(宇野重吉オリジナル)
フレッシュクリームorブラックが650円。
ジュースの種類も多彩だ。
食べ物はトーストとサンドイッチのみ。
昔の気分に戻ってレスカではなく
近い味のゆずスカッシュ950円を頼んで昭和のノスタルジーに浸りつつ
しばし祇園祭、神幸祭で歩いた疲れを取った。
お店の壁面のいたるところには印象派の絵の複製が飾ってあった。
これはシャガール。
周りを見渡すとこの部屋はシャガールが多かった。