いやぁ邦画っていいものですね。
李相日監督「怒り」
今公開中で大ヒット満員御礼中の映画の感想を書くのは主義に反するが、どうしても書きたいから書く。
衝撃が多きすぎて自分でも与えられた情報の処理が追いついていない。ネタバレしない自信もない。
最初は優馬(妻夫木聡)と直人(綾野剛)のベッドシーンを見たいからという理由だったけど、そんな生温い気持ちで行ったせいもあってか脳みそをぶん殴られて帰ってきた感じがある。
「信じる」ってなんだろう。私も相方に対して「信じてる」「愛してる」って言うけど、それがどこまで本気なんだろう。わからなくなる。
原作を読んでいないから、推測の域を離れていない部分もあるけど許してほしい、って念押ししておく。
最初から田中が犯人っていうヒントはあったらしい、が、気付かんがな。ただ、東京編と千葉編は今考えるとあからさまに怪しい部分がはっきりと出されているんですよね。沖縄編だけがあいまいにされているし、田代くんと直人は疑われるんだけど、田中は疑われないんだよね。前者二人は行方をくらますけど、田中はさらに日常に入り込んでくる。
信頼度合としては、千葉組(愛子と田代くん)>東京組(優馬と直人)>沖縄組(田中)のように感じる。田代くんは疑われて一度離れたけど、きっとどこかで信じたいという気持ちがあったから、最後に電話をかけてきたんだろう。田代くんと直人の違いはたぶんそこで、優馬と直人はそこから一歩踏み出せなかった。最後の最後で、信じきれなかったんだと思う。
沖縄組は「信じる」ではなく、泉も辰哉も田中に対しては「憧れ」だったんだと思うのよね。もちろんそこは田中の能力(「俺わかるんだよね、こいつは俺を簡単に信じるって奴が」みたいなことを言ってたし)のせいもあったんだろうが、信じるというより依存してたんではないかと。裏切られたと感じた時に、「怒り」に向くのか「悲しみ」に向くのか、そこが違うんだと思う。専門家ではないのでうまくは伝えられない。某死神漫画の某眼鏡が「憧れは理解からもっとも遠い感情だよ」と言っていたが、沖縄組はその言葉がしっくりくる気がする。
東京組はネウロの弥子ちゃんの言葉を思い出した。今コミックスが手元にないのでうろ覚えだが、人の関係は磁石のようなもので、大切な人ほど失った時にごっそりと自分を持って行ってしまう、といった趣旨だと思う。優馬と直人の関係は、出会いこそいびつだったのかもしれないが(なんせ優馬ったら直人のこと無理矢理襲ってましたからね)、二人の絆が強まっていく描写を散々見せられて魅せられた上で、あのラストはつらい。優馬にとって、最初は、直人はたくさんある自分のものの一つにしか過ぎなかったと思うよ。それが、直人と生活を共にするようになって、直人のことを考え始めて、おそらく今まで自分が大切だと思っていたものと直人とを比較して、直人を優先させたんだろう。そして残った大切なもの=直人を失ったときの優馬の心中たるや。どうしても自分に置き換えてしまって、自分が相方を失ったら?ということを考えてしまって、胸が詰まる。
世間慣れしてなさそうだし、自分の命が残り少ないってこともわかってただろうし、優馬に魅かれてしまって大切な唯一のもの=優馬だったと思うのよね。その優馬に少しでも疑われたら…?直人が失った大切なものというのは、優馬だったのか、優馬からの信頼だったのか。それにしても直人マジ天使。
「一緒には無理かもしれないけど…隣なら、いいよね」って直人お前それが最後の台詞って泣かせに来てるだろ!たぶん一生忘れない台詞。
千葉組がおそらく一番ピュア。純粋。信じてたから確かめたかったのか…どうして通報したのかはまだわからないけれど、それでも信じたい。裏切ってしまったのは受け入れた槇親子の方で、田代くんはそれをまた信じたんだ。信じるって、本当に難しい。
渡辺謙も松ケンもそうだが、宮﨑あおいの演技力が半端ない。これが本当に宮﨑あおいなのか?って思う。
前評判でいろいろ仕入れていたこともあり、感想の量からもお分かりかとは思いますが、東京組への思い入れがすごいです。やばいですあのカップル超好みです。優馬も直人も可哀想で胸が詰まります。
もちろんベッドシーンも良かったというか、出会い頭のシーンが完全に挿入済って感じで吐息とか喘ぎとか直人の声出さないようにしてるであろう感じとか優馬の色黒細マッチョとか鼻血通り越して吐血します。血を吐きます。直人マジ天使。
私がここで長々と感想書くよりTwitter等々で感想探したほうがこれは早いと思う。
もう一度見返すには度胸がいるが、もう一度見たい。映画が終わってからしばらく動けなかった。信じるってなんだろう。怒りって何なんだろう。
李相日監督「怒り」
今公開中で大ヒット満員御礼中の映画の感想を書くのは主義に反するが、どうしても書きたいから書く。
衝撃が多きすぎて自分でも与えられた情報の処理が追いついていない。ネタバレしない自信もない。
最初は優馬(妻夫木聡)と直人(綾野剛)のベッドシーンを見たいからという理由だったけど、そんな生温い気持ちで行ったせいもあってか脳みそをぶん殴られて帰ってきた感じがある。
「信じる」ってなんだろう。私も相方に対して「信じてる」「愛してる」って言うけど、それがどこまで本気なんだろう。わからなくなる。
原作を読んでいないから、推測の域を離れていない部分もあるけど許してほしい、って念押ししておく。
最初から田中が犯人っていうヒントはあったらしい、が、気付かんがな。ただ、東京編と千葉編は今考えるとあからさまに怪しい部分がはっきりと出されているんですよね。沖縄編だけがあいまいにされているし、田代くんと直人は疑われるんだけど、田中は疑われないんだよね。前者二人は行方をくらますけど、田中はさらに日常に入り込んでくる。
信頼度合としては、千葉組(愛子と田代くん)>東京組(優馬と直人)>沖縄組(田中)のように感じる。田代くんは疑われて一度離れたけど、きっとどこかで信じたいという気持ちがあったから、最後に電話をかけてきたんだろう。田代くんと直人の違いはたぶんそこで、優馬と直人はそこから一歩踏み出せなかった。最後の最後で、信じきれなかったんだと思う。
沖縄組は「信じる」ではなく、泉も辰哉も田中に対しては「憧れ」だったんだと思うのよね。もちろんそこは田中の能力(「俺わかるんだよね、こいつは俺を簡単に信じるって奴が」みたいなことを言ってたし)のせいもあったんだろうが、信じるというより依存してたんではないかと。裏切られたと感じた時に、「怒り」に向くのか「悲しみ」に向くのか、そこが違うんだと思う。専門家ではないのでうまくは伝えられない。某死神漫画の某眼鏡が「憧れは理解からもっとも遠い感情だよ」と言っていたが、沖縄組はその言葉がしっくりくる気がする。
東京組はネウロの弥子ちゃんの言葉を思い出した。今コミックスが手元にないのでうろ覚えだが、人の関係は磁石のようなもので、大切な人ほど失った時にごっそりと自分を持って行ってしまう、といった趣旨だと思う。優馬と直人の関係は、出会いこそいびつだったのかもしれないが(なんせ優馬ったら直人のこと無理矢理襲ってましたからね)、二人の絆が強まっていく描写を散々見せられて魅せられた上で、あのラストはつらい。優馬にとって、最初は、直人はたくさんある自分のものの一つにしか過ぎなかったと思うよ。それが、直人と生活を共にするようになって、直人のことを考え始めて、おそらく今まで自分が大切だと思っていたものと直人とを比較して、直人を優先させたんだろう。そして残った大切なもの=直人を失ったときの優馬の心中たるや。どうしても自分に置き換えてしまって、自分が相方を失ったら?ということを考えてしまって、胸が詰まる。
世間慣れしてなさそうだし、自分の命が残り少ないってこともわかってただろうし、優馬に魅かれてしまって大切な唯一のもの=優馬だったと思うのよね。その優馬に少しでも疑われたら…?直人が失った大切なものというのは、優馬だったのか、優馬からの信頼だったのか。それにしても直人マジ天使。
「一緒には無理かもしれないけど…隣なら、いいよね」って直人お前それが最後の台詞って泣かせに来てるだろ!たぶん一生忘れない台詞。
千葉組がおそらく一番ピュア。純粋。信じてたから確かめたかったのか…どうして通報したのかはまだわからないけれど、それでも信じたい。裏切ってしまったのは受け入れた槇親子の方で、田代くんはそれをまた信じたんだ。信じるって、本当に難しい。
渡辺謙も松ケンもそうだが、宮﨑あおいの演技力が半端ない。これが本当に宮﨑あおいなのか?って思う。
前評判でいろいろ仕入れていたこともあり、感想の量からもお分かりかとは思いますが、東京組への思い入れがすごいです。やばいですあのカップル超好みです。優馬も直人も可哀想で胸が詰まります。
もちろんベッドシーンも良かったというか、出会い頭のシーンが完全に挿入済って感じで吐息とか喘ぎとか直人の声出さないようにしてるであろう感じとか優馬の色黒細マッチョとか鼻血通り越して吐血します。血を吐きます。直人マジ天使。
私がここで長々と感想書くよりTwitter等々で感想探したほうがこれは早いと思う。
もう一度見返すには度胸がいるが、もう一度見たい。映画が終わってからしばらく動けなかった。信じるってなんだろう。怒りって何なんだろう。