記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

ベン・アフレック監督「アルゴ」

2013-03-03 18:37:44 | ア行
今年度のアカデミー賞作品賞受賞映画「アルゴ」を観てきました。

作品賞を獲得するのも納得の映画。
派手なアクションが好きな人には向かないかも。よく「人質を救出」なんていうと、特殊部隊みたいな人たちが潜入して…ってなるけれども、主人公は頭を武器に脱出させるもんで。ドンパチはないです。若干あるけど、ないです。

実話が基になってるということもあるからかなぁ。かなり真に迫った作品といいますか…イランの群衆がヒステリックに迫ってきたり、
潜伏生活を続けている職員たちの恐怖が伝わってきたり。それがあったからこそ、脱出が成功したときの感動がある。
映画を観てる最中何度も息が止まりそうになったというか、「ひっ」ってなりましたもの。

私は当時の事件を知らないですが、現実に最も近い映像を観たと思う。同じようなことが今も世界のどこかで起こってるというのが怖いね。



ここからは個人的な感想。
ベン・アフレックは渋いね。渋いおじさんは大好き。
米英が絡むといいことがないね。中東・アジア関係は特に。あいつら関わった国や地域をしっちゃかめっちゃかにして、どうにもならなくなったら「俺知ーらね(゜⊿゜)」じゃないか。


さらにアカデミー賞に対する個人的な感想。
助演女優賞と録音賞は「レ・ミゼラブル」が獲ってくれたので満足。アン・ハサウェイは可愛いし、あの演技も鬼気迫るものがあったね。
「夢やぶれて」を絶望と苦悩を混ぜたような表情で歌いきってくれた彼女がラストシーンで見せた安らかな笑顔にやられるよね。
(実はヒュー・ジャックマンが好きだから主演男優賞も期待してたんだけど、「リンカーン」のダニエル・デイ=ルイスが獲得したしねぇ。まだ予告篇しか観てないけど、あのダニエルはかっこいいから仕方なかったのかも。)

ジャレド・ドレイク監督「ウィークエンド-爆破まであと1198分」

2013-02-18 17:29:52 | ア行
ジャレド・ドレイク監督「ウィークエンド-爆破まであと1198分」

正直に言います。よくわからなかったです。
まず、邦題がひどい。ほかに何かなかったんだろうか。この邦題は騙されます。あとジャンル「コメディ」も若干違う気が。
週一ペースで映画を観るようになって約一年が経つけれど、以前観た「ラバー」と同じくらいよくわからない。まだ主人公が人である分「ラバー」よりはわかりやすい、程度の違いしかないと思われる。

主人公の置かれた境遇の辛さは理解できます。完全にシステム化された企業に勤め(余談だけれども、TRPG『パラノイア』に出てくる工場ってこんな感じだと思う。)、家に帰ると自己啓発狂いの妻に夜のお相手をせがまれ(完全にレスっぽい)、息子は引きこもり。弟は変人。そして「幸せ」になるように強要してくる社会。(もろ『パラノイア』ですやん。)
安らぎのひと時をもたらしてくれた同僚は、会社に不適応と判断され首に。同じ階の同僚はやっぱり変人。まともだった部下は上司になって仕事をせっついてくる。これで幸せになれって方がどうかしている。
主人公が夢で偉人になって戦場を駆け巡っていたのは、このストレスが反映されてますよねやっぱり。

ラストで、主人公が安らぎの主である(元)同僚を追っかけて、一晩過ごして、そして上記の戦場の夢から解放されたのは、同僚という幸せを見つけ出したおかげで心理的抑圧から解放されて…というような背景があるような気はするんですけど、やっぱりよくわからない。

これは完全に予想ですが、この映画に対するレビューや感想の少なさが、この映画のすべてを物語ってる気がします。