記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

クリストファー・ノーラン監督「バットマン・ビギンズ」

2013-09-30 22:49:54 | ハ行
ごめん、アメコミ舐めてた。

クリストファー・ノーラン監督「バットマン・ビギンズ」。友人の強い薦めで観ることに。
(友人に勧められたのは「ダークナイト」なんだけど、それを楽しむためにはこちらから観た方がよさそうとの判断)

アメコミ原作の映画って、某クモ男とか某オオカミっぽい男のイメージがあって、どちらも2作目で飽きたため、
「アメコミ原作の映画はもういいや」と思ってたが、これは映画館で観たら面白かったろうなと後悔してる。

バットマンも超人系ヒーローだと思ってたら、違うのね。スーツとかマスクとかを装備することで超人になれる。
日本の平成特撮ヒーローに近いんだね。
迷い、ためらい、それでも前に進もうとする姿に好感が持てる。最初からヒーローなのではなくて、ヒーローになったんだな。
一般人ではなくて、名士の息子でお金持ちというリードはあったにしろ、最初はただの男だったんだな、と。
それが夜な夜な街を守るために大活躍ですよもう!こういうアクションは嫌いじゃない。
これは次のダークナイトにも期待が持てるね!(見た目だけだとダークナイトの方が好きではある)
あと、ラストが、ベッタベタな恋愛展開にならなかったこととそれがラストシーンでなかったことに好感が持てた。
だってキスシーンで終わる映画多いじゃない!モテない奴の僻みということは知っているが、あの展開多すぎて
うんざりしてるんだよ。

蛇足
マッドな精神科医の役の人、本当にきれいな瞳をしていて、それが印象的な俳優さんだと思ったけれど、
この人マイケル・ジャクソンに似ている感じがする。
執事のアルフレッドさん。万能で有能すぎて、この人こそ本当に「あくまで執事」なのではないかと思ったり。


ギレルモ・デル・トロ監督「パシフィック・リム」

2013-09-14 22:42:21 | ハ行
城壁のその彼方 獲物を屠るイェーガー!!

ギレルモ・デル・トロ監督「パシフィック・リム」を観ました。
日本のロボットと怪獣をリスペクトしているとかなんとかという評判だけは知っていたので、公開終了する前に観てこようと。

観た結果、すごいね!
この監督日本のこと大好きでしょう。確実に。日本の特撮とかロボットアニメとか、とにかく研究しつくしたに違いない。特にロボット。「胸からミサイル」「ロケットパンチ」「腕からナイフ」「プラズマ砲」…いやもうトキメキですよね。あの搭乗の仕方もさ、思わず心の中で「パイルダーオン!」って叫んでましたよ!
もはや様式美でもあるあの謎のスーツとかね。もうちょっとロボットをじっくり観たかったなぁ。きっともっといろんなギミックが隠されてたんだろうな。あぁ想像しただけで胸がときめく…!
で、傷だらけなのが、またいいよね。歴戦の勇者的雰囲気を醸し出しているよね。
あとはゲッター線とか光子力とかいった謎のエネルギーがあれば、もう日本のロボットアニメそのものだった気がする。
ここまで読んで気付いた方もいるかもしれませんが、マジンガーZ好きです。エヴァもガンダムもいいけど、マジンガーZの方が好きです。

物語が単純なのも良い。特にここ最近複雑怪奇なストーリーの映画を観ることが多かったのもあって、ただ単に「怪獣が攻めてくるので人類を守るために戦います。」と。ありがちなパイロット間の絡まりあった人間関係とかもないし、最終的に主人公ローリーとマコはカップルになるんだろうけど、あれはあれだけの死闘を繰り広げた後であれば仕方ないだろう。


怪獣も、なんとなく懐かしさを感じるような雰囲気。初めて親に映画館にゴジラを観に連れて行ってもらった時のことを思い出した。(余談だけど、親がそういう特撮物が好きらしく、ゴジラもガメラもモスラも観に行った。)
でも、ウルトラマン系ではないし、ゴジラともなんか違うし…と思ってネットでレビューを見ていたら、非常に納得する意見を見つけた。モンハンだ。あの怪獣は、モンハンに出てくるものに近いんだよ。でも鳴き声はゴジラ。
ロボットは一体も飛べないのに陸海空どれもいけちゃう怪獣が出てきたり、重量系や魚類系とまたバリエーションも豊富。ハリウッド版ゴジラの影響で、向こうの国の人がデザインするものだから異様にトカゲっぽいものになるんじゃないかと思ってたけど、そんなことはなかった。怪獣って、やっぱりジャパニーズ特有のものなんだよね。ヨーロッパのドラゴンのようにデザイン性が高いわけでも、ハリウッド版ゴジラのようにスタイリッシュなわけでもない。大きな体とゆっくりとした動き、主な攻撃手段は物理。それが怪獣だと思うのですよ。あ、でも光線を出すか火を吹くくらいはしてほしかったな。酸を吐くのも効果的だとは思うけど。

そんな怪獣とロボットが殴る蹴る打つ締め付ける噛み付くの大バトルを繰り広げるわけですよ。そりゃもう血沸き肉躍る。街も片っ端から壊される。もうお構いなしだからね。でもそれがいい。特撮の醍醐味よね<街破壊
話は変わるけど、香港の街並みっていいよね。エキゾチックで雑多な感じがいい。


蛇足
いつもなら2時間半くらいかけてゆっくりくる道のりを、上映時間に合わせて2時間ノンストップ休憩なしで来たもんだから、途中眠くて話をうろ覚えの部分がある。惜しいことをした。でも映画館って丁度いい温度で真っ暗だから、さ…

シュテファン・ルツォヴィッキー監督「ヒトラーの贋札」

2013-07-07 19:32:12 | ハ行
ほぼ全編ドイツ語(これは予想してた。)

シュテファン・ルツォヴィッキー監督「ヒトラーの贋札」
先週この映画の原作本を借りたことから、この映画を観ることに。
第二次世界大戦終盤、「ベルンハルト作戦」と言われた贋札作成プロジェクトに携わった
強制収容所の収容者を描いた物語。
主人公は贋札作りのプロ。収容されたのち、ポンド札とドル札の贋札を作るように命じられる
わけです。
最高の機材、(収容者の中では)最高のスタッフ、囚人としては最高級の待遇。
その裏には「いつかは殺される」という不安。
病気になれば死ぬ、働けなくなれば死ぬ、命令を果たせなければ死ぬ、戦争が終われば口封じに殺される。
それでも、生き続けていれば…という一縷の希望。

原作本も面白かったけど、映画も面白かった。
原作と違うけど、映画化するうえでは仕方ないんじゃないかな、というレベル。
(こう言っちゃ悪いが、一介の印刷工と希代の贋作師、主人公に向いているのは後者だろうな。)
この手の映画や話を見ると、「戦争ダメ!絶対!」と心の底から思う。
政治思想とか、面倒くさい話は抜きにしてね。別に変な思想とか持ってないからね。


特に蛇足はなし。
ケチのつけようがない映画だった。素晴らしい。
強いていえば、たまたまゲオでDVDを見かける→本を借りる→「そういえばこの名前、この前ゲオで見たぞ…!」
となったので、この映画との出会いは運命だったのかもしれない。

ギルモロ・デル・トロ監督「パンズ・ラビリンス」

2013-06-24 20:03:32 | ハ行
全編スペイン語!困った\(^o^)/

ギルモロ・デル・トロ監督「パンズ・ラビリンス」。
「大人のダークファンタジー」ということでしたが、まさにその通り。
見応えのあるファンタジーでした。

舞台は第二次世界大戦最中のスペイン。レジスタンスと軍の衝突最前線に行くことになった主人公オフェリア。
読書大好きな夢見る少女。でも大人の手のひらくらいの大きさがあるバッタみたいな虫を見て、「妖精がいたの!」というのはフィルターかかりすぎだと思うぞ。

最前線の基地の隣に遺跡があって、その遺跡に魅かれるように入っていって、そこで出会った山の神パンがオフェリアに告げた衝撃の事実とは…!と、ここまでがプロローグ。

あとはお決まりの冒険なんだけど、常に異世界にいるような感じじゃなくて、現実と異世界が錯綜しながら物語は進んでいきます。
もしかしたらオフェリアの想像の世界なのかもしれない。オフェリアにとって現実はそれほど辛いものだったんですよ本当に。義理のパパンは冷たいし(息子age娘sageのがっちがちの軍人)、頼れる存在であるはずのママンは臨月で苦しんでるし、オフェリアに優しいメルセデスは軍の基地で働きつつレジスタンスの手助けをするというギリギリ綱渡り状態だし。
最後はハッピーエンド、なんだろうな。ぶっちゃけオフェリアは死んじゃうんですが(超ネタバレ!)、あのラストはあのストーリー的にあれしか考えられない。輪廻転生、ブッディズム的な雰囲気すらある。
彼女、オフェリアを待ち受ける未来を考えると、あの展開が彼女にとっても最善だったのではないか、とすら思える。そんな展開だった。
この映画は映画館で観たかったなぁ。


蛇足。長いよ!
“ダーク”ってつくぐらいだから、若干気持ち悪い表現があったりするんだけど、それよりもこの映画観てて痛いシーンが多い。
怖いのも嫌いだが痛いシーンもダメなんだよ。痛みを想像しちゃう。
治療のためとはいえ足を鋸で切るわ、頬をナイフで切られて口裂け状態になるわ。そしてその口を自分で縫うんだぜ!痛い痛い痛い!
口を縫った後お酒を飲んで痛みで顔をしかめてたけど、そりゃ痛いだろ!絶対痛いって!見てて「ふえぇ…」ってなったわ!

この映画はまた観たい。

ジョナス・ペイト監督「精神科医ヘンリー・カーターの憂鬱」

2013-05-12 22:48:53 | ハ行
ジャケット観てコメディだと思ってた。

タイトル見て、「そりゃ精神科医だって憂鬱になることあるよねー」と思って借りたら、思ってたものと全然違う内容だった。
ベッタベタな展開だけど、私はストーリーの深読みとか制作の舞台裏とか監督の意図とかまったく気にせず単純に映画を観るタイプなので、純粋にイイハナシダナーで終わりましたよ。

主人公ヘンリーは、タイトルの通り精神科医なんだけれども、妻が自殺してから若干やけになってマリファナ漬けになってます。
そのヘンリーの元に患者がお悩み相談で押しかけるわけですよ。セックス依存症と言い張るおっさんとか、超潔癖症の凄腕プロデューサーとか、母を亡くした女子高生とか(←これ重要)
あとは、プロデューサーの弟?とか、ヘンリーの義理の弟とか、か?セレブ夫婦(離婚寸前)もいたな。
このセレブ夫婦の妻の方(サフロン・ブロウズ)が美人さんなんだよね。「ディープ・ブルー」は観たことあるな。

あとはもう予定調和で、皆さんが悩んでいるところがうまく補完されていって、最後はみんなハッピーエンド。
ラストシーンは、ヘンリーが(おそらく妻の死後使っていなかったであろう)ベッドに横になって、部屋の電気が消えて…という確かにチープかもしれんが妙に余韻の残る場面。ああいう演出嫌いじゃない。

「自殺は止めましょう」という監督からのメッセージだけは通じた。ヘンリーも女子高生も身近な人を自殺で亡くしてるんだな。
しかも、病気とか、何か問題があったというわけでもなさそうだし、死んだ理由は一切わからない、という。
母を亡くした女子高生の悲しみもさることながら、ヘンリーはショックだったろうて。そういう悩みの解消の手助けを生業にしてるのに、妻が理由なく自殺だもんな。
同じような悩みを抱えた相手だからこそ、お互いにお互いの気持ちが理解できたし、だから女子高生の思いも良い方向に向かっていったんだろう。

全体的に良い映画だと思う。理屈とかなんとかいらないからとにかく良い話を観たい人向け。


蛇足。
妊婦フェチはマニアックだからやめとけ。
妊婦の次に手を出すのが女子高生とか、ちょっとマニアックかな。