記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

クリストファー・ノーラン監督「ダークナイト」

2013-10-20 17:26:47 | タ行
だんだんジョーカーが可愛く見えてくる不思議。


クリストファー・ノーラン監督「ダークナイト」を観ました。
この映画を観るために「バットマン・ビギンズ」を観た。面白かった。嫌でも期待が高まるよね。その上で本作を観たらやはり面白い。
映画館で観たかったなぁ、これ。映画館で観るべきだった。今興奮冷めやらぬ感じで、このままだとキーボード壊すんじゃないかって勢いで書いてる。最後30分のクライマックス感というか盛り上がりと緊張感がぐっとくる!癖になりそう。

そもそもジョーカーのメイクというか、ジョーカーが割とタイプ。可愛い。可愛いんだよ。こんなにネジがぶっ飛んだ悪役そうそういないよね。(ヒース・レジャーよ…。・゜・(ノД`)・゜・。)
狂ってる。この狂気の演技が、もうね。この人は本当に狂ってるんじゃないかって思うほど。そしてこれが遺作かよ…。いろいろな意味で名を遺す俳優になってしまったのだな。
アメコミ=ヒーロー物(主人公が悪を潰して、中盤か最後あたりに彼女とラブラブになるような展開の)というイメージがあったけど、良い意味でそのイメージはぶっ潰されたね!そもそもアメコミものでまともに観たことあるのがスパイダーマンとX-MENってあたりでお察しください。

正義とは、悪とは何ぞや、なんてこの映画の前では安っぽく感じるテーマですらある。悪の求心力と感染力の強いこと。ジョーカーの「狂気とは重力」という台詞が強烈。確かに現実を見ても、「なんでこんな人が…」みたいな事件あるけれども、昨日までの善人が凶悪な悪意と敵意に蝕まれる、なんて珍しくはないのかもしれない。そのきっかけが、デントにとってはレイチェルの死であったわけで。でも同じようにレイチェルを想い大切にしていたバットマンは冷静(に見える)のだが、デントはどこに無念や復讐心を向ければ良いかわからなかったけど(結果的にジョーカーのせいでそれが「レイチェルの死ぬ原因」に向けられたわけで)、バットマンは"悪"という概念自体に向けている…のか?

デントが「悪人をなくす」ことでゴッサムシティに平和をもたらそうとしたのに対し、バットマンは概念と戦っているように見える。そりゃいつまでたっても終わらないよな。レイチェルがデントになびくのもうなずける。
結局、デントは、自分に負けたような恰好になるのかなぁ。同じような状態になっても、「殺さない」という信念を貫いたバットマンと、復讐のために人を殺したデントと。

それにしても、これがジョーカーという存在一人のために引き起こされたものなので、やっぱりジョーカーの凶悪さは群を抜いていると思う。



蛇足
ジョーカーについて、これほど芳忠さんがしっくりくる吹き替えってほかにないだろうて。
(芳忠さんが好きすぎて、ナレのために「バン〇シャ」を観て、真Ⅳタヤマの台詞は飛ばせない系女子。)