記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

ジョン・エリック・ドゥードル監督「クーデター」

2017-02-05 18:28:37 | カ行
原題より邦題の方がしっくりくる気がする稀有な例だと思う。

ジョン・エリック・ドゥードル監督「クーデター」
主人公は「ナイト・ミュージアム」でお馴染みのオーウェン・ウィルソン。既視感があると思ったら「ダージリン急行」と「グランド・ブダペスト・ホテル」に「ミッドナイト・イン・パリ」にも出演。意識はしていなかったけど意外に観たことのある人だった。

オーウェン演じるジャック一家が到着したその日にクーデターが勃発。開始5分で殺される国トップ。早いよ。トップの死を目撃し近くにあったナイフで自らの首を掻っ切るSP。諦めるの早いよ。

この映画の怖いところって、もしかしたら自分もいつかそういう場面に遭遇することがあるんじゃないか、と思わせるくらいにはリアリティがあること。だとしてもいきなり銃ぶっ放されたり戦車が町中を走っているような事態には遭遇したくはないが。
ジャック一家の幸運はあるゲストに会っていたこと、なんだろうけど、そんな幸運が自分の身にも起こるとは俄かに信じがたいし。

別にジャック父さんは元傭兵みたいな経歴を持っているわけではないので、暴徒相手に壮絶なアクションを繰り広げる、というものでもない。イメージとしては映画版クレヨンしんちゃんのひろしに近いような活躍の仕方をする。それがまたリアルなんだよなぁ。
でもって暴徒のリーダーがゲスい。あの兄ちゃんがちょいちょい出てきたからきっと暴徒のリーダーであってるんだろうけど、ゲスい。レイプ(未遂だったけど)は想定内とはいえ、そのほかにもいろいろと。なんつーかね、うん、あんまりやることが汚いと、いくら信条や使命があったとしても評価はされんよ…って感じだった。
ジャックの奥さん相当恨み溜まってたんでしょうね。最後は若干、本当に若干リーダーが可哀想になった。

設定如何で「面白いB級」と「観るに堪えないB級」のどっちかにこの手の映画は転ぶ気がするんだけど、これは面白い方だった。