記憶の場所

観た映画の感想をつれづれなるままに書き連ねるブログ。週1~2本、たまに映画館。

パティ・ジェンキンス監督「モンスター」

2015-08-22 23:27:49 | マ行
いろんな意味で観るのが辛かったよパパン…(誰)


パティ・ジェンキンス監督「モンスター」
前回、クリスティーナ・リッチが主演を務めた別の「モンスター」を観たので、なんとなく今回はこれにしてみた。が、今作のクリスティーナ・リッチの方がだいぶモンスターだったぞ。あの子怖い…。
谷崎潤一郎の「痴人の愛」を少し思い出した。ってか今作はアイリーンが娼婦で稼ぎがそんなになかったからあんな感じだったけど、あの小説張りに定職についてそれなりに収入があったらリアル「痴人の愛」だぞこれ。
ちなみに今まで観た映画の中で覚えている限り、一番モンスター的な要素を持っていたのは「ホースメン」のチャン・ツイィーだな。

「泣いた」「感動した」という感想が多々あるが、ごめん無理だった。セルビーがクズいというか、なんというか。愛なんて信用できねぇ、というのが個人的な感想。あくまで個人的な感想なので感じ方には個人差があります。
アイリーンがセルビーを守りたくてあぁ言ったのはわかるよ。理解できるよ。セルビーが警察に協力したのもわかるよ。でもさ。でもさぁ。フィクションとはいえあの展開はあまりに胸に刺さるぜ。なんかもうやめてやれよ…アイリーンが不憫すぎるよ。きっと不倫駆け落ちしたカップルなんかってあんな展開を迎えて破局するんだろうな…いや破局で済むなら良いんだろうけど。

愛を信じたアイリーンと夢を信じたセルビーってところか。セルビーが若すぎたな。これ以上は単なるセルビー糾弾大会になるからやめておく。
「愛」って言葉も人それぞれでさ、自分と同じか近い意味を持っているのであればそれは良いのだろうけど、自分と違う方向性だとそりゃ当然かみ合わないだろう、と。アイリーンとセルビーでは「愛」の意味が全く違ったんだと思う。
セルビーに心酔してしまったアイリーンの気持ちはわからないでもない。アイリーンの世界の中で、セルビーによってもたらされたぬくもりは、それはそれは暖かくて幸せだったんだろう。逆にセルビー→アイリーンは、たぶんアイリーンでなくても良かったんだよね。自分が今いる状況から抜け出したくて、自分と違う世界を見てみたくて、不良に憧れる優等生みたいなところもちょっとはあったと思う。
アイリーンは必死になってセルビーを守ろうとしたけど、セルビーはアイリーンでなくても良かった。
「愛だけじゃダメ。安定した生活も必要」というセルビーの叔母さんの台詞はごもっともだな。それが(女性の場合)男性と結婚することだけとは言えないと思うけど。

蛇足というよりもご意見。
シャーリーズ・セロンがあんなに化ける、というか、すげぇって思った。演じるってこういうことなんだろうか。確かに、いつもの綺麗なままじゃあんな役務まらないというか、浮くよね。ホントどこかの実写化にも見習ってほしいよ。

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