きょうは、どこのとは言えませんが、ある沢の写真を1枚お見せしましょう。
ふだんは、ざあざあというほどではありませんが、小さく水音がするくらいには流れている沢です。ところが、この年は雨が少なかったために、流れているのにほとんど水音も聞こえず、風でも強く吹かないかぎり波がもたたないくらい静かでした。
水面には波一つなく、鏡のようにまったいらで、背景の杉林をそのまま映していました。頭上には雲がかかっていましたが、木々とその向こうに広がる青空を、澄んだ水が鮮やかに影を映し出していました。写真の左下でその様子がうかがえます。
しばらくして雲が動きました。すると急に空が晴れて光が差し込み、辺りが明るくなり、陽が当たった下草がくっきりと姿を現しだしました。あまりの鮮やかさに、なんども、無意識に上と見比べました。
やがて、小さい魚が無数に泳いでいる中を、数匹の大きな魚が行き来しているのに気付きました。少し腹が赤いのとそうでないのとがいて、ゆったりと、悠然と、くつろいでいました。
魚も明るいところが好きなようで、光が当たる所を何度も行き来するのが見て取れました。それで私は、太陽が直接当たる所へ来たときは、魚が光ってしまうので、木の陰のところ(今中央で写っているところ)へ来る時を狙ってシャッターを切りました。するとうまくいきました。それがこの1枚です。
狙った通りに撮れたので、まあこれは自分の自慢の1点なのですが、上にも書いたように、水がほとんど流れていない、風もなく波もたっていない、魚は悠然と泳いでいる、なのに、よく見ると魚のしっぽがドジョウみたいに曲がって見えるのです。
みなさんにはどう見えますか。こういうことってあるのでしょうか。
上のことがわかってから、私は4回通って、できる限り同じような条件を考えて、撮りましたが、同様の写真は撮れませんでした。動画も撮りましたが、ありませんでした。
ところで、この写真、市の商工会の青年部?が主催する「芸術家なんとか」という催し物に「静かな沢で」と題して応募してみました。
押すだけのデジカメで撮ったものですから、性能の良いカメラで撮った写真に比べれば、画質では太刀打ちできません。しかし、写真の本質として「瞬間をとらえる妙味」があります。その点では「わが作品は優れている」と自認していたのです。でも、結果は「没」でした。残念至極!
後日、返されてきた書類と写真を見たところ、わかったことは、審査員がこの写真を逆さに現像したものをみて判定したということでした。(これは、デジタル・データで応募したものの打ち出し方と、打ち出したものの綴じ方でそれがわかったのです。)
・・・「たぶん、見ないで審査した」、そう思いたい・・・(苦笑)。
『御料局測量課長 神足勝記日記 -林野地籍の礎を築く-』(日本林業調査会(J-FIC))がもうすぐできます。
「こんなの100部も売る自信がない」と・・・言いし人あり。
されど、この本には日本の大事な記録がある。失ってはならない。
きょうは、後日を期して、静かに静かな写真をお楽しみください。
甲府で撮ったものです。暖かで静かですね。
では、もう少し静かなのを1枚。
青梅の沢で撮ったものです。もちろん流れている沢です。
右下の石に影があります。本体はアメンボウです。どこにいますか?
では、もっと静かなのを。
我が家の庭にちょっと前まで、こういう賓客が来る大木があったのです。
では、これはどうですか?
夏油温泉への途中で見たホトトギス。
これも我が家の賓客。
では、一声聴いて終わりましょう。
聞こえましたか?
この鳥、片足ですね?
最後に