神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.395 教訓的な不幸 

2025-01-31 01:21:06 | 時評
 *見出し写真は北桔橋門からの逆さ影:今日(30日)は風もなく穏やかで、格別でした。

(1)アメリカで旅客機と訓練中のヘリコプターが接触事故を起こし、ハドソン川に墜落しました。9時のニュースですでに30人の死者が確認されていることを報じていましたが、凍り付いた川に墜落しては10分かそこらで体温を奪われてしまうでしょうから、残りの人の命ももう危うい。気の毒としか言いようがありません。

(2)事故の原因は不明ですが、トランプ大統領は、ヘリコプターに旅客機を確認しているかと聞いただけの管制官の対応を非難していました。もっと指示を出すべきだったと。しかし、訓練機とはいえ、それなりの訓練を重ねた結果の実地飛行のはずですし、教官も同乗していたはずです。旅客機を確認しながら、教官がその対応を指示しないということは考えられません。
 ともかく、原因不明なうちに大統領がにわかに管制官を悪者にする発言には反対です。
 
(3)それよりも、なんでああいうところで訓練をやるのか、それが不思議です。
 実は私が住む昭島市から西の福生市などに跨って横田米軍基地があります。そしてここから飛び立った輸送機・爆撃機・ヘリコプター・オスプレイなどは周辺の八王子市・青梅市・あきる野市・武蔵村山市・瑞穂町など広範囲にわたって日常的に騒音被害を及ぼしています。時には夜昼関係なく頭上を飛び交います。これがもし不具合のためや接触事故などのために墜落でもしようものなら、今回の墜落事故とは比べ物にならないくらい甚大な被害を引き起こすに違いないのです。実際、これまでにも機体の一部が落下するなどの事故も起きていますし、町田市の方で墜落事故もありました。

(4)ちなみに、昭島市と東にある立川市に跨って昭和記念公園があります。その東側には自衛隊基地があり、そこと横田基地を行き交うヘリコプターもあるようでこれも実にうるさい。
 それだけではありません。日曜日や休日に昭和記念公園に行くと、平日とは違ってとくに子供連れできた家族の入園者が大勢楽しんでいます。ところが、その公園のすぐ隣東隣で、ゴロゴロ、ガラガラとヘリコプターが離着陸を繰り返し、うるさいことこの上ありません。

(5)そもそも基地があること自体が平和を脅かします。アメリカが日本を守るなどということはないし、防衛費は教育費の2倍化して8兆円に増大し、軍事産業が設け、自衛隊はますますアメリカと一体となって戦争をやる軍隊に仕立てられ、日本列島は要塞化が進められています。
 そういうカネの使い方をやめて、70年代以降進められてきた公共事業によってつくられた公共設備のメンテナンス〔維持・補修〕などに早くもっと力を入れるべきなのです。
 昨日今日のニュースは実に教訓的です。

   
    さざんか:東御苑で

【コレクション 155 ベリー侯の豪華時禱書】
 まあ、こういうパンフは絵を見ているだけで楽しいものです。なかには世界史の教科書に載っているものも出てきます。
 大きさはA4判6㌻です。A4判3枚分の横長の用紙を最初に左から3分の1を折り込み、次に右から3分の1を折り込むとできます。
 全体は、
 1・2㌻ 下に掲載
 2~4㌻ 推薦のことば ウンベルト・エコ(中世史家・思想家)豪華のみならず、創意にあふれ、謎に満ちた世界 木島俊介(美術評論家)世界一高貴な書物で、豪華な美術品 安野光雅(画家)六百年後の今も、感動をもって語りかけてくる 森洋子(明治大学教授)中世の世界へ誘い込まれる不思議な本
      内容紹介
 5㌻ 下に掲載
 6㌻ 刊行案内 体裁・内容:B4判変形(321✕244mm)、240㌻
         定価:23,000円 1988年刊 中央公論社
  
        1㌻


        2㌻


        5㌻


 以上です。
 今日はここで。
   
   風邪・コロナにご注意を!(東青梅で)

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No.394 便利な時代だから 

2025-01-29 23:05:53 | 雑評
(1)便利になったもので、パソコンになにか一つキー・ワードを入力すると、いろいろなことが出てきます。図書館でカードをめくって文献探しをしたことのある旧世代に属するものとしては、文字通り隔世のことです。でもね、その中にはなぜこんなものまで載せることにしたのだろうかと疑われるものまでありますね。検討が必要なのではないかと思います。

(2)たとえば、「若気の至り」と言いますか、若い時にそれなりに苦労してまとめ発表したけれども、今考えてみるとどうもあれは、というのがあります。
 もちろん、書いたことは事実だし、誰に見られても、どう利用されても、文句を言うつもりはありません。しかし、昔からネット公開していたというならともかく、おまけにいまさら読んでもらう必要もないようなものを、なぜ全部公開するという徒労のような作業をするか不思議です。その作業にも人件費がかかっているだろうと思うとなおさらです。せいぜい目次とか内容紹介、それに所蔵先を載せておくくらいでよいのではないかと思うのですが・・・。

(3)話が変わりますが、そういう時代になって、いとも簡単にいろいろな文献や情報が手に入るようになったのに、相変わらず、具体性のない、あっちの事実とこっちの事実とを突き合せた程度で済ませている論文とか、珍しい資料を見つけて来ただけとか、というのをよく見ます。
 今は情報公開法が制定されて、私のやっているような分野だと、明治天皇が直接手に取って見たかもしれないものまで閲覧請求書1通を出すだけでスイと出してもらえます。こういうものは、昔だとよほどの大学者でも見られなかったものですから、貴重なことは確かですが、それならもっと先を解明してみせるべきだと思うのですが、どうもそうはなっていないのではないかと思います。
 ほかの省の公文書についてはわかりませんが、宮内省の御料局・帝室林野局のものなどはほとんど紙切れと言ってよいメモまで残されています。徹底して探索すれば必ず関連するものが見つかります。また、そういう迫り方をして公文書を探索することが必要だと思います。これは昔のカード検索に比べればはるかに有意義で楽しいものです。時間をかけた分だけ手掛かりが得られます。情報公開法が制定されて、研究スタイルが進化したのか、今一度考えてみる必要があるのではないでしょうか?眼を細めて見ています。

(4)あまり具体的に書くと自分に跳ね返ることになるのでこの程度にしますが、月に行ける時代になってきているのに、送られてきた写真を見てあれこれ推測しているだけとか、天体望遠鏡で眺めてあれこれ言っているだけ、まだそういう感じがする研究を見ます。

【コレクション 154 ポンペイの壁画】
 これは、図書館で実物を見てもらうのがよいでしょう。
 大きさは、A4判6㌻です。A4判3枚分の横長の用紙を、最発に右から3分の1を折り込み、次に左から3分の1を折り込むとできます。
 全体は、
 1㌻ 下に掲載
 2~4㌻ 刊行にあたって 
      編集にあたって
      推薦文 弓削達 ポンペイ研究と鑑賞の決定版
          辻邦生 ポンペイ遺跡を訪ねた頃
 5㌻ 内容見本
 6㌻ 本書の特色
    刊行案内 体裁:B4判変形 第1巻342㌻ 第2巻286㌻ 
    定価:42,000円 刊行:1991年3月 岩波書店 

        1㌻

   
 以上です。
 今日はここで。

    
     曇りの日のロウバイ
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No.393 大宝

2025-01-29 01:08:14 | 御料地
*今日はパソコンの動きが鈍く手間どっています。

(1)2~3日前「鉄道ひとり旅」という番組を見ていたところ「大宝(だいほう)」というところが出てきました。歴史で出て来る「大宝律令」は「たいほう」と読んだと思いますが、ここは「だいほう」と濁音になるようです。これを見ていて、ここが御猟場だったこと、その現場を見るために大分前にここを回ったことを思い出しました。テレビでは、御猟場のことは出てきませんでしたが、ちょっと紹介します。

(2)場所は下の地図をご覧ください。古い地図ですが、場所は茨城県です。
 地図の右に筑波町〔現つくば市〕と筑波山が見えます。大宝は、筑波町から西〔左〕へ進んで下妻市〔しもづまし〕に至り、南北に走る関東鉄道常総線で北上した最初の駅です。
 ちょっと先に全体を説明します。
 大宝から北へそのまま進むと下館市〔しもだてし〕に着きます。下館駅で乗り換えて西に行くと結城市〔ゆうきし〕を経て栃木県小山市〔おやまし〕、北へ進むと栃木県真岡市方向になります。


(3)私は、2010年10月に国立公文書館つくば分館に文書閲覧に行きました。資料については今日は触れませんが、行きは秋葉原からつくばエクスプレスに乗り、その際ミニサイクルを持っていって、帰りはミニサイクルで少し見て廻りました。

(4)明治の頃のことですが、大宝駅の西側(私が手書きしたところ)にY字形の大宝沼がありました。現在は干拓されて広い農地になっています。私が見た限りでは、もう当時の形跡はわかりませんでした。
 そして、この沼を中心とした周囲を赤く縁取りしておきましたが、ここが「鬼怒川筋御猟場」でした。御猟場というのは、漁労・接待・遊興などのために設けられていたもので、30ほどありました。
 『公文類聚第12篇 明治21年 第7巻』という文書が国立公文書館にありますが、この中の32番目の文書にここの編入のことが出てきます。編入後、明治期に9回使われた記録が出てきますが、詳しいことはわかりません。そしてその後は払い下げられて農地にされました。
 それから、「鬼怒川筋」という名前の理由は、この一帯の西の縁に沿って鬼怒川が流下しているところだからです。

(5)それから、上の地図の下館から北の真岡市から栃木県大田原市にかけては御料農地が広がっていました。この一帯の水利と農地経営についてはまたいずれ書くことにしたいと思いますが、ここは地形を確かめながら歩いた懐かしいところです。

【コレクション 153 人物20世紀】
 これは楽しいパンフです。
 大きさは縦280✕横225mmの変形です。この用紙4枚分の横長の用紙を左右から4分の1ずつを折り込み、さらに二つ折りした8㌻のパンフです。
 右から
 1㌻ 下に載せました。
 2・7㌻ 内容紹介
 3~6㌻ 代表的人物のピックアップ紹介
 8㌻ 刊行案内 体裁:A4変形 定価:15,000円 講談社刊 1998年
    

 
 以上です。
 今日はここまでです。
 パソコンがへそを曲げて、もうタイヘン。

   
    さざんか

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No.392 常軌逸脱

2025-01-28 00:52:52 | 時評
(1)今日(27日)の複数の新聞で、イーロン・マスク氏がドイツ東部のハレで開催された極右政党の選挙集会にビデオ参加し、同党への支持を呼びかけたことが報じられていました。
 マスク氏は、トランプ政権のメンバー入りが確実視されている人です。

(2)この人は、X(旧ツィター)によって極右支持の立場からドイツの総選挙に介入したことが知られていますが、その主張は歴史的事実に基づかない、金儲け主義から発している短絡的なものです。
 ドイツでは、あの戦争に対する反省から、2度と戦争をしない取り組みをしてきた国です。その中には、とくにユダヤ人や進歩的知識人などに対する抑圧や大量虐殺などの戦争犯罪があり、その徹底追及は日本などがもっと学ぶ必要があるものです。過去の事実のより正確な認識は同じ過ちを繰り返さないための重要な手掛かりになるものです。

(3)ところが、マスク氏はその意味を全く理解していないどころか、むしろそのことを呪って、「子供たちは、曽祖父はもとより、親の過ちに罪の意識を抱くべきではない」とか、「ドイツの文化、ドイツの価値を誇りに思うのはいいことだ」と言ったそうです。しかし、これは間違いです。

(4)まず、「過去を知る」とか、「過去に学ぶ」というのは、よく知って、よいことは生かす手掛かりとし、一方、起きてしまった(起こしてしまった)誤りは取り返しがつかないから、これは2度と繰り返さないための教訓とするためです。
 マスク氏のいうように、決して「親の過ち」たいして、あるいは、「親に代わって」「罪の意識を抱く」ためではありません。

(5)それから、「ドイツの文化、ドイツの価値を誇りに思うことだ」というのはその通りです。
 しかし、その際、良いと思われることだけを学ぼうとすると、ブラックなところやグレイなところは避けられるかもしれませんが、良いところに入るべきところも漏れてしまうことになるでしょうから、結局、良いところも十分には学べないことになるはずです。
 やはり、良いところだけ選んでのつまみ食いでは良いところも見えませんから、全体を知ることが不可欠です。

(6)思い出してください。ナチスは「ドイツの文化、ドイツの価値」を否定したのではなかったですか。〔その極右が「ドイツ文化に誇り」? オイオイ、なんにもわかってねぇな!〕
 あのゲーテやシラーが活躍したワイマール、ナチスはそのワイマール文化を誇りに思うどころか、むしろを呪って、ワイマールの北に広がるブーヘンヴァルト〔ブナ林〕と言われる広大な林の中に収容所を作って5~6万人もの罪のない人々を死に追いやったのです。
 マスク氏も、ドイツの極右も、歴史に目をつむっています。勝手なことを思い付きでいっているだけです。知らないにも程があります。

    

【コレクション 151 総説・ユダヤ人の歴史】
 マスクスもアインシュタインも・・・ユダヤ人、だからではありませんが、読んでみたいなと思ってきた本の一つです。これを読むことが聖書の理解にもつながりそうです。
 ああ、富岡の甘楽教会で見た高校生のお姉さんたちは清楚だったなあ!【実に不純】
 
 この大きさは、B5判6㌻です。B5判3枚分の横長の用紙を最初に左から3分の1を折り込み、ついで右から3分の1を折り込むとできます。
 全体は、
 1㌻ 刊行案内などすべて出ています。*下に掲載。
 2~4㌻ 推薦文 
      関根正雄 日本学士院会員 本書を勧める
      秀村欣二 東京大学名誉教授 綜合的なユダヤ人の歴史のモニュメンタルな業績
      新井 献 東京大学教授 最も信頼できるユダヤ人生活史 *下に掲載。
      石田友雄 筑波大学教授 画期的な共同研究の成果 *下に掲載。
      総目次(著者及訳者分担)
 5㌻ 邦訳本文組見本 
 6㌻ 編者及訳者紹介
    刊行案内 
         1㌻


    3・4㌻の推薦文

 以上です。
 今日はここで。

 カネにあかしての勝手な振る舞いや言動は断固許さない!

     今日の雲
    
    飛行機雲ではないようです。
 
 
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No.391 落穂拾い

2025-01-27 00:01:17 | 閑話
(1)ここのところ、内外共に酷いことが切りなく続いています。心配ですねえ。

(2)冬だから寒いですけど、でもその寒さが「暖かい寒さ」です。このままいくと、夏の暑さは去年よりももっとひどい暑さになる・・・かもしれません。
 「人間は」とまで言いませんが、「日本国民は」、どのようにして問題を、フィーリング〔感覚〕でなく、「きちんと」・「理詰めで」・「政治的」に考えるようになるしょうか。もっというと、「本音で政治を語るようになるのはいつか」と言ってもいいでしょう。間に合うかどうか心配です。

(3)きょうは、いくらか落穂ひろいをしておきます。まあ、在庫一掃です。
1.サルギ尾根の入り口〔養沢神社右脇〕。時間は9時少し前。地図はNo.384を見てください。 
    

2.サルギ尾根にある高岩山です。夏は展望が得られないかもしれません。
    

3.高岩山からの日ノ出山と麻生山。上の写真の右に入ったところから。
 ここで休んでいて、5人のグループに追い越されました。それから、このちょっと前に一人とすれ違いました。
    

4.雨後のロウバイ
    
     
5.光るロウバイ
    

6.わが庭にはもう一つの冬の花があります。
   
 
 もっとありますが、また。

【コレクション 151 宮澤賢治全集】
 これは、宮澤賢治生誕百年を記念して刊行されたものです。賢治の説明はもういいでしょう。
 このパンフは説明が難しいです。
 大きさはA4判16㌻です。全体は、まずA3判の用紙2枚の上に、A4判4枚分の用紙を重ね、最初にこの用紙を左右から4分の1ずつを折り込み、そのうえで、全体を二つ折りしてできています。下には、1㌻と12・13㌻を載せました。
 2・3㌻ 刊行のことば 宮澤清六 「心象スケッチ」の謎 
      編纂校訂にあたって
 4・5㌻ 推薦文 中村 稔 詩人 賢治の全体像を求めて
          原 子朗 詩人 新しい時代の予感
          山下 浩 筑波大学助教授 さらに深まった編纂哲学
 6・11㌻ 賢治の自筆原稿の写真
 7~10㌻ 全巻内容
 12㌻ 「宮澤賢治全集」の変遷 *下に載せました。
 13㌻ 賢治ゆかりの写真 *下に載せました。
 14㌻ 本全集の特色
 15㌻ 本文組見本
 16㌻ 刊行案内 体裁:菊判 95年5月刊行 筑摩書房 
      1㌻


      12㌻


       13㌻


 以上です。
 今日もあれこれと読んでいて忙しくなりました。
 では、ここで。

    
      今日の午後の西の空

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