神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.345 詐欺みたいな入札

2024-11-26 00:31:25 | 近況
(1)サギみたいな入札を経験しました。
 測量で有名な伊能忠敬の『伊能忠敬書状』が250円〔送料無料〕スタートで出品されていました。伊能の書状は別のもので関心のある処は読みましたが、2000円くらいまでなら競ってみるのもいいだろうと、昨日24日に入札ボタンを押しました。終了時間は「25日22時47分予定」とありました。「47分」と「予定」というのが気になりましたが、だいたいそのあたりということだろうと読みました。

(2)終了時間の22時47分が過ぎました。ほかには誰も入札者がなく、この間、開くごとに「あなた最高入札者です」と表示がありました。
 しかし、いつになっても「終了」にならず、22時55分過ぎになりました。それでも、まだ終了になりませんでした。それで、もう10分近くすぎているから「決まり」だろうと見込んで、ちょっと他を検索してから戻ると、「終了」になっていました。
 ところが、見ると、落札者は私でなく、ほかの人でした。

(3)「狐につままれたような」とはこのことです。
 怪訝に思って調べると、オークションの経過が出てきました。
 終了時間は「予定」どおりの22時47分です。しかし、その前に、22時27分に1233円で二人目の入札があり、同31分に1299円で3人目の入札があったというのです。
 私のパソコンのせいなのかもしれませんが、どうもそうとばかりは言えないのではないかと思います。それは入札価格を見ての感想です。
 普通はこの程度の価格のものならば、だいたいは100円刻みで上がっていきます。ところが、競った気配がないのにいきなり1233円、そして1299円です。しかもエラク端数が気になります。

 (4)おそらく、何か理由があるのでしょう。
 ともかく、当の落札者はコンビニの機会を使って入金させられます。それに330円かかります。都合約1600円です。この程度の価格のなら、ほかの古書店で入手可能です。
 ひょっとしたら、出品者はこちらの情報を知りたかったのかもしれません・・・。まあ、気をつけましょう。

    
     陽だまりに おのが居場所の あるならば
  
 (5)斎藤知事の件、炎上していますね。今日注目したのは、次のことです。
 斎藤氏が折田楓氏やMerchuに広報を丸ごと委託したならアウト。委託して金銭を支払っていればアウト。折田氏が利益度外視〔カネを受け取らない〕とかいって会社に損を与えたなら背任行為。選挙期間中はボランティでも〔カネを受け取っていなくても〕、告示前に多く支払うとか、当選後に見返りを約束をしていればアウト。
 折田氏は「有識者」として県の委員になっています。無関係とか、全く面識がなかったとは言えないでしょう。

    
   実はなきに なぜにアケビに居を構う

【コレクション 118 死の沈黙】
 斎藤氏と折田氏の本当のことはこれからです。まだ、「闇の中」、「藪の中」です。ですから、まだ断定的なことは言えませんし、その点はマスコミも予防線を張って警戒していることがよくわかります。私も気をつけなければと思います。
 でも、折田氏のnoteを閲覧して斎藤氏の再当選を思ったとき、期せずしてレ二・リーフェンシュタールの制作した『オリンピア』のことが浮かびました。
 われわれは、まだSNSなどの新しい技術に習熟していません。ですから、いくらか先にそれを知った人が科学の意味を知らないままにそれをほしいままに使うことに翻弄されてしまうのです。
 レ二・リーフェンシュタールは、自分がナチス党員であったかどうかは明かしていなかったと思いますが、ともかく、あの映画を作ることによってナチスを美化し、ドイツ国民を誤らせました。愚弄したのです。
 昨日も引用しましたが、折田氏はSNSを使って「広報全般を任せていただいた」、「今後の日本そして政治や選挙の在り方に大きな影響を与え」たと自負していました。これは、普通に読んで理解したかぎりでは、公選法に違反して国民を誤らせたということです。兵庫県民を愚弄したのです。本当に由々しきことです。
 オット、長くなりました。
 今日は、ナチスの収容所の写真集のパンフレットです。目をそらさずに見てください。
 大きさはA3判を二つ折りした4㌻もののパンフです。
 全体の説明は、全部載せて、略しました。

         1㌻


   2㌻                   3㌻
  

         4㌻
 


 それから、ブーヘンヴァルト収容所がありました。ヒトラーは、あのワイマール文化を憎く思って、ワイマールの北にあるブナ〔ブーヘン〕林〔ヴァルト〕の中に収容所を作って、ここで数万の内外の人を殺しました。
 今その良い写真がありませんから、手元の本の表紙を載せて紹介に変えます。

     
 
 この大きさはA5判、132㌻です。まだ翻訳はないようです。
 ブーヘンヴァルトへは、最初は一人で、二度目は友人と、三度目は娘を連れて行きました。
 娘を連れて行ったときは、説明しながら涙が止まらず、困りました。
 以上です。
 今日はここで。

     
     サザンカの蕾ほころぶ ひとを待つ 
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No.344 学問をする社会的責任

2024-11-25 00:01:05 | 時評
(1)日本維新の会共同代表の吉村洋文氏(大阪府知事)が、兵庫の県議会の「自主解散」を言ったようです。しかし、それは難問題です。

(2)確かに、斎藤知事はとりあえずは再選されました。そして、これは「議会の斎藤知事不信任決議」を「県民が支持しなかった」ということです。しかし、「議会に対する不信任決議」ではありませんし、「議員に対する辞職勧告」でもありません。これは、「議会に対して斎藤知事と共に県民のために尽くしてほしいという意思表明をしたもの」と見るべきです。「打開策を講じよ」ということです。
 現実問題として、選挙には20億円近い経費?がかかります。なによりも、もう年暮に差し掛かっていて、国も地方も来年度予算編成に追われる時期になってきています。ですから、信を問うにしても来年の春先までは避けなければなりません。

(3)それから、昨日の「折田楓氏の記事」です。
 折田氏は、「自己顕示欲が強い人」のようで、「斎藤氏の選挙戦の舞台裏」を「自慢話として公表」してしまいました。その内容の通りなら「公選法違反」です。
 そうすると、折田氏は、県の委員をやってきて現にやっているわけですから、その人が知事選の広報をしたことの問題などを問われるだけでなく、なによりも公選法違反の責めを負わなければなりません。
 また、「当選したことになっている斎藤氏」も公選法違反ですから失格となります。つまり、選挙は、再度やり直しになります。そうなら、議会の斎藤知事への不信任決議はまだ有効で、知事選挙をやり直すことになるでしょう。

(4)科学や知識は、使い方を誤ると多くの人に被害を及ぼします。その現われが武器であり、なんといっても核兵器・原爆です。
 折田氏はつぎのように言ってました。
 「今回の知事選は、兵庫県の未来だけでなく、今後の日本、そして政治や選挙の在り方にさらに大きな影響を与える重要な選挙であった・・・」
 折田氏の「自慢話」が本当なら公選法違反です。そして、この告白もたんなる「自慢話」にとどまらず、折田氏の無知をさらけ出したものとなります。

(5)折田氏が学歴を、慶応大学卒、フランスEssec大学留学、と書いていましたが、公選法違反なら、自分が習得したSNSの技術で兵庫県民をたぶらかし、歴史にない酷い政治的事件を引き起こしたことを自慢したことになりますから、大学で学ぶことの社会的責任はどうなるでしょうか。
 おまけに、起業して、その分野の「識者」として県の委員にまで入り込んでいる・・・となります。
 言うまでもなく、斎藤知事は、この問題の決着がなくては政治に打ち込めないでしょう。資格がそもそも疑わしいのですから。事態は深刻です。

   

【コレクション 118 世界の模様】
 すでに何度か書きましたが、コレクションといっても、目についたものを拾ってきておいたというだけです。自分なりに考えるところがなかったわけではありませんが、とりあえずは、「楽しそうなもの」を集めたわけです。今日のはまさにうっとりします。楽しんでください。


        インドネシアの鳥獣模様:バティックというそうです

 この大きさは、A4判、16㌻です。A3判4枚を重ねて二つ折りしてできています。
 全体は、
 1㌻ 上掲
 2㌻ 刊行挨拶
 3㌻ 本全集の特色
 4~13㌻ 内容見本
       *5㌻と13㌻を下に載せました。ご覧ください。ほかも同じ形式です。
        なお、全巻の概要(15㌻)を最後に載せました。
     
        5㌻       


        13㌻


        15㌻

 
 16㌻ 裏表紙 内容の一部紹介 
  以上です。

 1.残した柿
   
     柿の実の 空に届いて 我を見る

 2.カタツムリが日向ボッコしていました。
   
    カタツムリ 今は動かず じっと動かず
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No.343 極・窮・谷・きわまる・キワマル  

2024-11-24 00:15:40 | 時評
(1)今日は、偶然、郷原信男氏の兵庫知事選についての記事に出会い興味深く読みました。
 詳しいことは直接に検索していただくとして、かいつまんで言うと次のようになります。

(2)兵庫県で3月に匿名で内部告発があった。告発者として特定された県民局長は、3月末で退職予定であったが、特定されて懲戒免職となった。
 一方、県議会に設置された百条委では、問題が「斎藤知事のパワハラ問題」として取り上げられ、当の元局長も出席が予定されていたが、直前に自殺した。
 問題は、県民局長の外部告発が「公益通報」に該当するか否かであった。公益通報なら、県の「匿名通報の犯人探し」や「通報者の不利益処分」は「公益通報者保護法違反」になるが、百条委の視点がその問題から反れて、「自殺」と「パワハラ」がクローズアップされ、パワハラで自殺が起こったかの誤認が生じていた。
 さらに、この斎藤問題の性格がメディア報道で単純化されていて、県民に曖昧かつ不正確にしか理解されていなかった。
 そこへ、ネット上で、この曖昧な認識を覆すほどの「斎藤知事に有利な断定的な発言」が発信され拡散され、斎藤当選となった。

(3)この「発信」をしたのは「折田楓〔おりたかえで〕」という人です。この人は、自分のホームページでいろいろと発信しています。まず略歴です。
  仏Essec大留学。慶大卒。仏大手金融機関勤務。株式会社Merchuの創業者・代表取締役。
  2021年 兵庫県地方創生戦略委員
  2022年 兵庫県eスポーツ検討会委員
  2023年 兵庫県空飛ぶ車会議委員 西宮産業振興議会委員
 県の「委員」が、「渦中の知事」の選挙広報を担っていたとは、なんか違和感を感じませんか。この間の動きをもっと具体的に知りたくなります。

(4)この人はつぎのように言っています。
 1.「広報全般を任せていただいた」
 2.「デザインガイドブックを」作成し、「選挙や看板を製作してくださる業者に配布」して「仕上げていただいた」
 3.「東京の大手の代理店でなく、兵庫にある会社が手掛けたということもアピールしておきたい」
 4.「約1ヶ月半、・・・全身全霊で向き合ってきた」
 ここまでにしますが、変ですね。
 ことは商品の販売戦略を練っているのでなく、知事選挙です。
 「東京の大手の代理店」は無償〔ボランティア〕で広報を引き受けることがあるでしょうか?それを「兵庫にある会社」がやったことを「アピールしておきたい」、つまりMerchu(株)が
やったといっています。
 そしてその内容は「広報全般」、具体的に「デザインブック」を作成して「業者に配布」した、つまり仕事を差配・指示した。「約1ヶ月半」も「全身全霊で向き合った」といってます。
 
(5)「大手の代理店」は無償では仕事を引き受けないでしょう。
 では、お金・報酬を受け取ったのでしょうか。
 受け取っていれば、公選法違反では?
 受け取っていないとすると、スタッフは皆ボランティアでしょうか?
 しかし、この会社は兵庫県の「ミモザ企業認定」を受けているという投稿があります。それが正しいなら、「労働法令に違反する事実がない企業」のはずですから、従業員のSNS運用業務に対価が支払われていることになります。そのお金はどうしたのでしょうか? だれが負担したのでしょうか? 誰からももらわずに会社が負担したとすると、会社に不利益を与える行為ですから「背任」ではないでしょうか?

 (6)その他に、「オフィス」での作業中の写真が載せられています。そこには、撮影設備・機器もあります。これがもしボランティアだとしたら、会社の施設を使って本来の目的でない事業をやっているところを宣伝したことになり、ウソの宣伝では?
 
 もう、ネットだけでなく、マスコミもこの間の動きの悪さを反省してか動き出しています。沸騰し始めています。あの選挙は異常でした。われわれはもっとしっかりしなくてはいけないでしょう。

    
    かの時の 思いはかなき 野辺の花

【コレクション 117 馬場辰猪】
 今日は、福沢諭吉が愛してやまなかったという馬場辰猪です。
 「その非常な勉強によって蓄積した学殖と、常に民衆の立場からの見識と共に、きわめて高潔な志操の持主であった」と富田正文氏は「推薦文」で評しています。



 この大きさは、B5判6㌻です。B5判3枚分の横長の用紙を、最初に左から3分の1を、次に右から3分の1を折り込んでできています。
 全体は、
 1㌻ 上掲
 2㌻ 推薦文 富田正文 高潔な志操の持ち主
        遠山茂樹 在野の志を貫く苦闘の生涯
 2~3㌻ 全4巻の内容
      馬場辰猪君—追弔詞― 福沢諭吉払涙記
 4㌻ 本文組方見本 
    体裁:四六判 平均400㌻ 定価:4700~5200円
 5㌻ 刊行にあたって 1987年7月 岩波書店
    本全集の特色
    *下に載せました。



 6㌻ 刊行案内 1987年10月23日 
    実物大写真
  以上です。
 
 アメリカも、ロシアも、ガザも、どんどん悪くなっていきます。不当なものがはびこるのは我慢できません。その点、神足勝記もそうでした。
 彼は幕末・明治の人なので、今から見ると我慢ならない思想もありますが、しかし、不当なものを放置したり許す人ではありませんでした。だから、もし彼が今いれば、きっと話ができます。それから、カネを大事にする人とカネの亡者は違います。その点でも、神足はしっかりした人でした。

 昨日、庭のバラを切って部屋に飾っておいたら、今日になって、珍客が申し訳なさそうに出てきました。
    


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No.342 『近世日本の儒学』

2024-11-23 00:38:50 | 文書・文献
(1)先日、知り合いから会いたいと連絡があり、今日はぶらぶらと出かけてきました。
 幸いなことに天気も良く、結局、ぶらぶらと神田を回ることになりました。いつもどこをどう歩くかは「企業秘密」ですが、必ずチェックしに寄る店も何件かあります。

(2)東陽堂書店の前に来たとき、信号が赤になりました。別に急いでいたわけではありませんから、店の方を向いて棚を一渡り見ました。すると、とりわけ分厚い『近世日本の儒学』という本が目に入りました。
 ここのところ、No.323に載せた『漢学者伝記集成』をネットのオークションで入手して以来、『国学運動の思想』(岩波書店、日本思想体系)やら、『賀茂真淵』(吉川弘文館)などをいくらか読んでいるせいか、即座に反応しました。すると、副題として「徳川公継宗70年祝賀会記念」とあるのがわかりました。「徳川公継宗」は、「徳川公」=「家達(いえさと)」が「徳川本家の跡を継ぐ」の意です。そして、出版社として「岩波書店」の名があることがわかりました。
 店の外の棚にあるからといって安い掘り出し物とは限りません。たまには目が飛び出るくらいの高価本が置いてあったりもします。ですから、高いだろうなと思いつつ見ると「書込有 600円」とありました。どんな書き込みがあるのかと調べたところ、全体1150㌻ある中の3㌻に朱色のマーカーで少し線が引かれていました。もちろん買いました。帰ってから物差しで測ったところ5㎝ありました。
 専門家の評価はまだわかりませんが、執筆陣は錚々たる人達です。下に載せておきましょう。

 1.表紙
    
 
 2.目次1㌻


 3.目次2㌻
 
 
 4.目次3㌻


 どうですか。専門外の私からみても、驚きの陣容です。
 これで、この年末年始の過ごし方は決まりです。

   

【コレクション 116 法律新聞】
 いろいろなことがあるにせよ、日本は「法治国家」なんですね。それを、体裁だけでなく実質的に、権力者にとってのでなく、権力者をしばり国民の権利を守る、そういう「法治国家」にする必要があります。これは、現在では「憲法9条を守れ」に象徴されるでしょう。とにかくご覧ください。

 
 
 この大きさは、B5判、12㌻です。B4判の用紙3枚を重ねて二つ折りしてできています。これは、パンフレットというよりも、冊子という方がよいかもしれません。
 全体は、
 1㌻ 上掲
 2㌻ 推薦文 今井清一 法曹界に関連した多彩な記事を満載 
        加藤一郎 戦前の判例資料の中で最も価値の高いもの
 3㌻ 内容見本 第1号1面
 4㌻ 推薦文 上記加藤一郎の続き
        辻 誠 わが国司法の変遷を知る貴重な資料
 5㌻ 推薦文 高木四郎 父=高木益太郎と『法律新聞』
 6㌻ 推薦文 利谷信義 日本近代法史研究の宝庫
 7㌻ 内容見本 *これは下に載せました。文字が小さめですがご覧ください。



 8㌻ 推薦文 中野次雄 戦前における下級新判例の唯一の記録
        平野龍一 生き生きとした読み物としても興味深いもの
 9㌻ 内容見本
 10㌻ 推薦文 上記平野龍一の続き
        森長英三郎 政府へ抵抗しつつ、時代を先取りした『法律新聞』
 11㌻ 内容見本
 12㌻ 復刻版概要
     刊行案内 B 5判 定価 各配本毎   75,000円
              揃価 明治期  450,000円
                 大正期 1,125,000円
                 昭和期 1,200,000円
                 総目次 全2冊 25,000円
          刊行:1983年~89年 不二出版 
 以上です。

 ところで、いま日本では、自公政権下でどんどん軍拡が進められ、すでに沖縄には有事の際の自衛隊員の避難壕がすでに2つ造られていて、これをさらにあと8つ造ることが進められています。
 いったい、その有事の際に沖縄県民はどこに避難すればよいのでしょうか? 
 こういう発想は、関東軍が日本人を置き去りにしたことと同じです。軍隊が国民を守るなどというのは幻想です。
 ではここで。

   

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No.341 負けた理由 

2024-11-21 23:41:11 | 時評
(1)アメリカのバーニー・サンダース上院議員が述べた次の言葉が引用されるのを、ここ3日間で3回も見ました。
 「労働者階級を見捨ててきた民主党が、労働者階級に見捨てられたとしても、それほど大きな驚きではない。」
 なぜでしょうか。論調を見直してみました。
 
(2)アメリカの労働者がインフレ〔物価高騰〕のために経済的苦境に陥っていることは大統領戦の中でも言われていました。とくに、トランプ政権の時はよかったが、バイデン政権の下で苦しくなったと。
 そこで、まず問題のインフレの原因ですが、背景に2020年ころからの「新型コロナ感染症」があります。これによってアメリカの国民総生産は、1930年の世界恐慌以来で最大で、2008年のリーマン・ショックを上回る30%の下落率を見せました。
 こうなれば、頼りになるのは政府の財政政策です。
 まず、トランプ政権が、20年3月に「コロナウィルス援助・救済・経済安定化法」を制定して、2兆2千億ドル〔1ドル=150円として約330兆円〕の財政支援をしました。
 ついで、バイデン政権が、21年3月に「米国救済計画法」を制定して、1兆9千億ドル〔同約285兆円〕の財政支援をしました。
 この合計として約600兆円の巨額の資金が短期間につぎ込まれましたから、これによって国内外で需要が急増しますが、供給が追い付かない事態となり、やがて消費者物価が上がって行きました。
 そして、インフレがバイデン政権下で発現しました。こうした状況下で、4年前のトランプ政権下と比べてどうかと聞かれれば、答えは「トランプの方がよかった」となるに決まっています。
 
(3)ここで、バイデン政権(とハリスさん)は、次のような2つの政策をとるべきでした。
 一つは、石油産業や食品産業の価格つり上げの事実を追求することです。インフレは、一般には需要と供給から生じてくる現象ですが、それだけではありません。大手資本〔独占的大企業〕はそうした国民的危機を「好機」として便乗値上げをやってまで儲けようとします。こういう行為に対する警戒心をもって政権運営やるべきでした。そこに政権の姿勢が如実に現れてきます。
 もう一つは、福祉政策です。経済的苦境の時、労働者が困るのは、食生活と共に健康問題があります。アメリカは国民皆保険になっていません。65歳以上と低所得者には一定の公的制度がありますが、現役層にはそれがありません。なぜかというと、保険会社が大きな力を持ち公的保険制度に反対しているからです。
 実は、オバマ政権で保険加入の義務規定と未加入の罰則規定をもうけ、加入者を増やしました。ところが、トランプ政権が「減税と雇用法」の中にこの規定をなくす条項を入れました。その結果、加入者が激減してしまいました。そこへコロナ蔓延したために、患者数が増え、死者も増得ることになりました。
 では、バイデン大統領とハリスさんはどうしたでしょうか。保険会社から多額の政治資金をもらっているために、公的保険制度の強化を言えませんでした。

(4)ダメですねえ。自分で「ガラスの天井」を突破できないようにしていたんです。日本の政治献金・パーティー券と同じです。 スポンサーは、日本でいうなら「97%の国民」=勤労者でなくてはダメです。
 もう一つあげましょうか。
 ハリスさんは、イスラエルへの軍事支援について「止める」といわず、これについても国民の声を聴くことができませんでした。なぜなら、ユダヤ人グループから政治資金をもらっているからです。そうしてもたもたしているところへ、トランプさんに「大統領になったらすぐに戦争を終結させる」と大見えを切られ、結局、イスラエル批判票を失うことになってしまいました。

(5)今でも、トランプさんには大統領としての品位を感じません。それだけでなく、事態はますます悪い方向です。
 話が少し変わりますが、自民党の下村博文さんは裏金問題のために先日の選挙で落選しました。私より6級位下の高校の後輩です。しかし面識はありません。彼も苦労した人のようですが、この落選は彼のこれまでの「経歴」を否定される屈辱だったでしょう。気の毒です。
 ハリスさんは、法務畑を歩いてきたそうですからああいうことにはならないかもしれません。しかし、政治資金をもらっていてはいけません。事実、それがもとで、「女性初のアメリカ大統領」を逸し、「女性初のアメリカ大統領候補」に終わってしまいました。

    
     おでこに毛が見えます。

 【コレクション 115 近世日本対外関係文献目録】
 同じようにパンフレットといっても、こういうのは、パッと目を引いて、自分の専門とか関心外のものでも見てみたくなります。スキャナーの取り込みのせいで、少し鮮明さに欠けるきらいがありますが、ご容赦を。

     いちばん下に「A.レランド「日本帝国図」(1715年)神戸市立博物館蔵とあります。
       日本の地形全体の特徴がわかります。
   
 大きさは、A4判8㌻です。A4判4枚分の横長の用紙を、最初に左右から4分の1を折り込み、さらに二つ折りするとできます。
 全体は、
 1㌻ 上掲 平成11〔1999〕年11月 B5判 920㌻
 2㌻ 下に載せますからお読みください。説明は略します。

       円内は、左が中国大陸、右が日本、間に垂れさがっているのが朝鮮半島です。

 3~6㌻ 内容見本
 7㌻  刊行のことば 推薦
    *下に載せます。読みにくいですが、見出しだけでも読んでください。  


 8㌻ 地図 刊行案内
    *興味深いので、下に載せます。


 以上です。
 今日はここで。
 
    
     ときどき来ますが・・・まだわかりません。

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