神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.300 被団協にノーベル平和賞

2024-10-11 23:14:53 | 時評
(1)被団協にノーベル賞が贈られることになりました。2017年にICANへ贈られましたから、いずれは被団協にもその時があるものと思っていました。遅かったといえば遅かったといえますが、ついにその日が来ました。これは、贈られた側の被団協にとってだけでなく、贈った側のノーベル委員会にとっても、きわめて晴れ晴れしい快挙です。世界的な歴史的な日といってよいでしょう。

    
     シジミチョウ(ウラナミシジミ?)

(2)ところで、日本は政界で唯一の戦争被爆国です。それなのに、日本政府はアメリカの核の傘の下で経済繁栄し、どんどん軍事力を強化し、相変わらず「核抑止力」論から脱却できず、核兵器禁止条約に署名も批准もしていません。このうえは、日本の政府に一刻も早く条約への署名・批准をするよう求めましょう。

(3)本来なら、日本は憲法前文や9条を遵守して軍事はやらないはずです。その日本が、自衛隊は軍隊でないとか、戦車を特殊車両と偽って装備し、すでに世界でも有数の軍事力・軍備を持ち、日米安保の下で米軍と一体となってその世界戦略を担おうとしています。
 歴代内閣がそうでしたが、とくに岸田内閣は置き土産として防衛費を、かつては教育費≒防衛機=約4兆円でしたが、防衛費を教育費の2倍の約8兆円に増額しました。これには、軍艦などは数年がかり次々に装備していきますから、後年度負担(ローン)がかさんできて、この先はもっと膨らんでいきます。
 こんなことをせずに、カネが余っている大手資本の内部留保から法人税を上げ、高額所得者の優遇税制を改めて税収を確保するのと合わせれば、教育費も無料化に近づけられますし、福祉・高齢化予算も増やせますし、農業・中小企業関連予算も増やせます。消費税でさえ下げられます。これは、財政学を庶民の立場で考える人なら否定できないことです。

   
     上と同じ:小さいのに優雅です

(4)ウクライナや中東・イスラエルなどの戦争行為の拡大を見据えたとき、本来、憲法上からも世界の先頭に立って平和のために働けるのでなければならない日本が、軍事費を倍加してそれに加担しようとしているのですから、そして、その再右翼が石破茂総理であり、小野寺五典自民党政調会長ですから、被団協へのノーベル賞の贈呈はノーベル委員会の憂慮の表明ともみえます。

(5)実際、アメリカがウクライナに資金援助をして軍事費が欠乏した分を、日本が軍事費を増やして、自衛隊がその一翼となって軍事に加担したなら、日本の軍事費増は玉突き式にウクライナへの軍事費援助につながります。そうみなされても仕方ないことになります。ロシアが、嫌がらせで北海道周辺に飛行機を進入させる口実にもされかねません。

(6)もう一つ、与党という場合、今は自公です。
 公明党は、あの裏金議員だった候補者を推薦(応援)するそうです。その中には自民党が非公認にした候補者も含まれています。
 かつて、あまりにベッタリなので、「どこまでもついてゆきます下駄の雪」と川柳ができて批判されたとき、当時の浜四津敏子代表代行は、「下駄の雪ではなない。下駄の鼻緒だ。」と大見えを切って反論し、おまけに「下駄は鼻緒がなければ履けない」と解説までしました。
 つまり、公明党が連立を組むから自民党政治が続くことを自分の口で説明したわけです。ですから、「語るに落ちる」とはこのことで、公明党は、最初はいかにも反対をしているように見せかけて、あとから大概賛成に廻り、結局、自民党の政治を延命させてきたのでした。
 もちろん、公明党がチェック機能を果たしているから、自民党の悪政がこの程度で済んでいる、というようなことを言っていた時期もありますが、それは言いようで、実態はちょっと違うと思います。そういう点も、今度の選挙では見なければいけないでしょう。

(7)被団協の地道な努力は立派です。それに対して、日本の政治のひどさは、度重なる被災への対応一つみてもはっきりしています。
 私は、被団協へのノーベル賞贈呈は、同時に日本政府への警告も含んでいると見ていますが・・・どうでしょうか。

   
    セセリチョウ(オオチャバネセセリ?) 

 長くなりました。きょうはここで。

   
    小さいけどエレガント!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする