神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.290 国民生活時間調査

2024-09-11 23:34:38 | あの日
(1)きょう、庭で水遣りをしていると、「あんちゃん」たちはもう無事育ったとみえ、もうあたりから見えなくなっていましたが、横から小さい蛾が挨拶に来ました。
 「もう一期一会を決めたから、五月蠅いのはやだよ」というと、
 「いえ、もう九月ですから・・・」と軽口を言います。生意気なヤツと思って見ると、少し羽根を痛めたヤママユのようでした。
    

(2)ヤママユには、むかし父が世話になったことがあります。
 それは、右の肩甲骨の辺りに天保銭くらいの大きさの腫物ができたときのことです。何が原因かはわからなかったようですが、熱をもって赤く腫れあがりました。そこでこれを冷やすと、今度はウミをもって痛み出しました。もちろん、医者に治療してもらいましたが、なかなか治りません。
 困っていると、ある人が、お蚕くらいの大きさでうすい黄色をしたヤママユを持ってきて、「これをほぐして綿みたいにして傷に貼るとウミが取れるから、試しにやってみて。この辺じゃあ、みんなそうやってるから・・・。」と、言いました。
 父も母も「医者で治らないものを」と疑い半分でしたが、ともかく試しに貼って、それから2~3日してその人がまた来て剥がしたところ、ヤママユがウミがみな吸い取っていて、あとには真っ赤な傷口が見えました。すると、「あとは、肉が上がるのを待てば大丈夫だ・・・」と言って帰って行きました。

(3)これは、父が群馬県多野郡中里村神ケ原で教員をしていた1956年ころのことです。
 ちなみに、神足勝記がここを巡回したのは明治17(1884)年ですから、この70年も前のことになります。   
 それから、この時のことが頭にありますから、山でヤママユを見つけたときに拾ってきました。手元のものはきれいな黄緑です。山でもなかなかみつからないものです。

    
      きょうの月

【コレクション 84】
 きょうは「国民生活時間調査」です。
 「昭和16〔1941〕年調査」で「〇に秘〔マル秘〕」とあります。興味深い調査ですね。
 私個人としては、右下の「生活の夜型化はいつから始まったのか」に目が行きました。
 

 大きさは、B5判6ページの冊子です。
 全体は、
 1㌻ 上掲
 2㌻ 下に載せました。鈴木泰「刊行にあたって」はぜひ読んでみてください。せっかくの調査も、平和でないと、時の国策との関係で「秘」されてしまっい生かされません。

 
 3㌻ 本調査の特長
 4~9㌻ 推薦文
     石川弘義 成城大学教授 これは驚くべき調査だ
     一番ケ瀬康子 日本女子大学教授 多面的な活用を
     大江志乃夫 茨城大学教授 「滅私奉公」時代の「私」の時間を調査
     加藤秀俊 放送教育開発センター長 よみがえる半世紀前の生活 
     佐々木亨 名古屋大学教授 よみがえる国民生活の実像
     土屋精作 NHK放送文化調査研究所長 日本人の生活実態を比較する
     中嶌邦 日本女子大教授 戦時生活を問い直す
     中西尚道 文教大学教授 戦前の生活実態を知る貴重な資料
     原朗 東京大学教授 生活の中身を考え直す
     原芳男 東京工業大学教授 新しい知見の得られる貴重なデータ
     松島千代野 日本女子大社会教育会家庭科学研究所長 家政学・家庭科教育の分野にも貢献
     松田義幸 筑波大学助教授 ライフスタイルの昨日・今日・明日を比較する
     室俊司 立教大学教授 社会をつくる人間行動の基底を探る
     山中恒 作家 『国民生活時間調査」の復刻刊行を喜ぶ 
 10㌻ 組見本
 11㌻ 巻別構成
 12㌻ 原版編纂発行 日本放送協会
     刊行案内 A4判 揃定価90000円 大空社  刊行年不記載
 以上です。
 最近、日本共産党議長の志位和夫さんがしきりと「自由な時間」のことをいっています。
 たしかに、これはマルクスも言っていることで、我々の自由は社会経済的に制約された自由なんですね。一見何も問題なく自由に行動しているように見えますけど、これは一定の収入が確保できたうえでの自由です。ですから、もし職がなければ、死ぬ自由くらいしかありません。
 ほかにも、たとえば、職はあるけど低賃金のためにピアノを買えないから練習できない、ピアノは買えるけど置く場所がない、置く場所はあるけどまわりに音が響くのでムリ・・・。こういう例はいくらもあります。むずかしいですね。

 きょうはここで。
 きのうも書きましたが、目の治療のため、あすのNo.291〔実質290回〕をもってしばらく中断します。開始は目の調子次第です。

    
       きょうの夕焼け

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