桑炭会 島根県伝統の炭焼き 

松江市八雲町で伝統的な八名窯を継承し炭焼き、販売をしています。
メインテーマは自然環境保全。

原発事故と黒い土嚢袋

2021年02月13日 17時25分48秒 | 活動報告

昨日のこと、午後からの伐採現場に向かうとき、道端に小さな土砂崩れでも

あったのだろうか黒い大きめの土嚢袋に詰められ置かれていた。こんな風景

なんの変哲もないありふれたものとこの辺りに住んでいる人は気に留めること

はない。否、東電の原発事故で被害に遭った人以外はというのが正しいだろ

う。ここを通りこの袋を見るたびに浪江町近くや南相馬市などで放射線に汚

染さた土壌が黒い土嚢袋に詰められ人家の横や畑脇に積まれていたのを

思い出す。仮だろうが集積場のような所には谷を埋め尽くすほどの袋がうず高

く積まれシートがかけられていた。

写真を撮ろうとしたが物見遊山と受け止められるのがはばかられ、記憶の中に

か残っていない。

もうすぐ10年になる。被害者は沢山いて今も苦しんでいるのに加害者は一人も

ない不合理なことが放置されたままの法治国家。

黒い土嚢袋を見るたびに原発事故を思い出しては腹を立て、被害に遭われた

にともに頑張ろうーと、エールを送る。

 

     

       フレコンバッグと言われる土嚢袋

(  参考文献 http://coffeetime.a.la9.jp/ouendayori5.pdf)


仕上げは目塗り

2021年02月13日 17時15分39秒 | 活動報告

本当は昨日でもよかったが焚口温度が少しでも低い方が灰泥が付きやすい

だろうと思い一晩明けてから目塗りをする。

今日も天気がいいのだろう。冷え込みが残る中、炭小屋に出かけると昨日の

ような熱気はなく冷え冷えとしている。泥を柔らかく練り液状近くにしたものを

藁箒(わらほうき)のようなもので流しかけたり叩きつけるようにして塗る。

作業は直ぐに終わり待ち構えている外仕事に呼びつけられる。

きょうもまた忙しい日になりそう。


山行き作業と炭焼き最終

2021年02月12日 17時00分33秒 | 活動報告

今日は割木用の楢材調達に出かける。もっとも、本業の炭焼は3晩を越し

て窯籠めもあるがこちらは時を見て温度を測り作業を進めるので窯にべっ

たりとしている必要はなく山行きと調整しながらのことになる。

全体的に前回の時と差は少なく同じようなカーブを辿っているので夕方

17時半頃には決着がつくのではないかと期待する。朝6時、208度少

し温度を上げるために煙突の小枝をとり調節、10時256度になり通風孔を

全開にし煙突の小枝を更に2本除去して温度上昇を図る。

昼に煙突の小枝を除去し煙突・通風孔ともに全開、後は煙突からの煙が

透明になり煙突内部が白くなるのを待つばかり。

一方、山行きは前回伐採したものを持ち帰る班と新たに楢材の伐採班に

分かれて材料集め。ここから少し奥の方に向かっていくと北向きの山蔭に

は除雪で道路わきに寄せられたごみ混じりの雪が未だ残っている。もう雪

は溶けてなくなっているとばかり思っていたのに、しかも同じ町内でこんな

に違う光景にびっくり。

そんな所で山から木を伐り出し転がしたり投げたりして車に積み込むと段

々、身体が温まり着ているものを1枚づつ脱がないといけなくなってくる。

午前中に軽トラ5台、午後から7台分の材料を確保する。

楢の別の用途はシイタケ栽培にある。手頃なものが調達できたので栽培す

る人には配布された。グループで作業すると一人では大変な作業も簡単に

できてしまう。最近はシイタケ用の原木だけでも500~600円もすることから

も皆で力を合わせることは何と経済的な事か。しかも原木で栽培するシイタ

ケはスーパーなどで売っているものと味が格段に違う。

さて炭焼きは6時に集まり温度測定、348度で煙突内部は白くなっているの

を確認、通風孔を閉鎖しガス抜きを始めると煙突からは異様な臭いが出始

める。その後、煙突を倒して閉鎖する。明朝、目塗りをして完。

             9時頃

           ごみ混じりの残雪

             山から運び出す

                本日の収穫

      16時、中の煙突では見えないが外の煙突では未だ見える

           通風孔の閉鎖

              煙突閉鎖


少し低めの推移、炭焼き5日目

2021年02月11日 17時36分06秒 | 活動報告

ここの2~3日いい天気に恵まれている。昼に晴れということは朝方に冷え

込みが残ることになり寒さに弱い爬虫類型人間には陽が温めてくれるま

では横着を決め込む。

朝一の点検に出かける頑丈な人がいるからこそ前述のような我儘が通る。

2晩目を越え一番の温度は152度、9時には162度と少々スピードが速いの

で通風孔、煙突の調節。夕方までの目標は200度前後と設定。これには随

分と広い幅があり、かつては270度くらいまでとしたこともある。しかし実際

の流れは昼には156度と下がり15時になっても161度と17時200度への道が

遠くなったので通風孔、煙突ともに朝9時の状態に戻し様子を見る。

17時174度、取り敢えず現状をキープし3晩目を越させる。最終18時の点検

があればそこで最終調整をする。

明日は作業日のため山行きと炭焼きの二股を掛けることになる。

                      9時頃

                  15時頃

               17時頃


緩やかな上昇、4日目

2021年02月10日 17時33分22秒 | 活動報告

天気がいいと色々なものに目が行き季節の感じ方が違う。どんよりとした空の

下に咲いている梅よりも明るい日の光を浴びた梅の方がずっと華やかに見え

る。また咲いていることすら気付かなんかった水仙の花を見つけ少しだけ春を

感じる。

都会ほどでもないにしてもコロナ、コロナと殺伐とした話しか聞こえないが自然

の移ろいは人の心に『おんぼら』としたものを与えてくれる。

暗い話ばかりの中でもこうしたものを感じ取る余裕を持ち続けることは、ひょっと

すると免疫力のアップにもつながるかもしれない。

老人たちの炭焼きは4日目を迎えた。今日は夕方までの温度を100度辺りにで

きればと打ち合わせる。日中の上昇は緩やかになるよう絞っていたが午後から

少しづつ上昇し17時に100度と狙い通りの結果になった。18時の点検があれば

若干の微調で2晩目を越させることになる。

低めに推移している場合は煙突・通風孔ともに開放の方向にすれば上昇に向

かわすことは可能だが、下げる方向への調節は程度にもよるが難しいので、

この調子でお願いしたい。

             9時頃

               17時頃