湯本香樹実・文 酒井駒子・絵
「耳をぎゅうっとふさいでごらん」
学校帰り、ぼくはひとりで川の水を見ていた。
そこに雪柄のセーターのおじさんがあらわれて、
ふしぎなことをおしえてくれた……
>こうやって、
耳をぎゅうっとふさいでごらん。
遠くからやってくる
水の音が、きこえるよ。
(湯本香樹実さんの言葉)
自分が世界の一部であることを知るとき、
それは自分の中にある世界に気づくときでもあるはずです。
心の中のその世界とのあいだに橋を架け、つながりを実感することは、
困難や思いがけない出来事を乗り越えていく力になると信じています。