仕事休み希望にしてまで観たかったこちらの作品。
父親をクローネンバーグ監督にもつ、ブランドン・クローネンバーグ監督が
「アンチヴァイラル」以来8年ぶりにメガホンを取ったSFホラー。
第三者の脳に入り込み、遠隔操作で殺人を行う完全無欠のシステムを容赦ない残酷描写で描く。
暗殺者のタシャにアンドレア・ライズボロー。
脳から潜入され体ごと乗っ取られる男コリンにクリストファー・アボット。
タシャの上司、上司ガーダーにジェニファー・ジェイソン・リー。
命を狙われる大企業の社長にショーン・ビーン。
7/10
POSSESSORとは、”所有者”を言う。
スタイリッシュでグロテスク、その映像も素晴らしいけど、内容もなかなかのオリジナリティ。
他人の脳から脱出するためには、その脳を破壊しなければならなく、
口の中に銃を突っ込み何度も引き金を引こうとするもなかなか引けないという葛藤。
そして、封じ込めたはずのコリンの意識が覚醒して殺しを拒み、自分の存在に気づかれたターシャは
コリンの脳内に囚われ、脱出できなくなってしまう
面白い映画は冒頭から惹き込まれる。
父親の遺伝子を持つとか親の七光とかいうと可哀想だけど、あれほどの作品を撮る父親と比較
されるのは仕方ないかな?
感性は流石に普通ではなく、やはり父親譲り。
バイオレンスシーンは、あと1発減ってもダメになっていたというほど
徹底したこだわりで、グロくエグく、痛めつけるシーンも容赦無く魅せる。
別にわたし、ホラーは大好物だけど、バイオレンスで興奮とかスラッシャーでワクワクするわけじゃないから
さすがの描写に思わず一瞬、目を瞑ったり、こりゃやりすぎじゃ?と思える部分も。
そこを含め、監督としてはそのくらい妥協できずに暴力も抜かりなく描き出した作品。
アートなホラー作品としてみても興味深い。面白い世界を見せてもらった。
前作「アンチヴァイラル」より確実に進化した。次回作も楽しみ。
殺人を請け負う企業に勤めるタシャは、特殊なデバイスで標的に近い人物の脳に入り込み、ターゲットの暗殺を行っている。そして入り込んだ人物を自殺させることで、任務を遂行していた。だが、あるミッションに携わったことで、タシャの日常が崩れ始めることに。