"不良"とか"チンピラ"
劇中の字幕では"不良"になってたけど、
もっとタチの悪い、"チンピラ"のニュアンスの方が近い。
南アフリカ、ヨハネスブルグ。
誰も本名を知らず、「ツォツィ」と呼ばれる一人の少年。
仲間とつるんでは窃盗、カージャック繰り返し、過去も捨て未来もない毎日を生きていた。。。。
2006年、アフリカ初の外国語映画賞受賞、
(ちなみに今年は先日観た、『善き人のためのソナタ』)
トロント映画祭はじめ、各国で観客賞を受賞
ということで早く観たい!って 当初から楽しみにしてた☆
試写にて鑑賞。
たまたま車を盗み、逃走した車中の後部席に生後間もない赤ん坊が!
生まれて間もない赤ちゃんとの対面で、これまで封印してきた自分の過去を
見つめはじめる、、、、、。
さて、赤ちゃんをどうするのか??
ストーリーはシンプル。
それでもこんなにひきつけるのは、オーディションでこの役を得た新星
プレスリー・チュエニヤハエ。
この人のあらゆるシーンでの顔、悲しみをたたえた瞳、赤ん坊を見るときの目、
瞳で語るとはこのこと、、、、
いい映画で主演が良いのは当然ながら、この映画ではこの少年が圧倒的な存在感を放ってる
舞台俳優といっても、ほとんど無名。
84年生まれで撮影時は22歳、役の上では19歳なんだけど
劇中いろんな顔(表情)を見せて、時にオバサンに見えたり、すごく子供に見えたり、、、。
ひどいことをしてるんだけど、どこか感情移入してしまう。。。。
監督は、この作品の成功でハリウッドデビューも決まったという
南アフリカ出身の新鋭ギャヴィン・フッド。
自分の国の社会問題をまっすぐな目で捉えている。
南アフリカには、この主人公ツォツィのような境遇の子たちがストリートにたくさんいて、
本当の自分を見せず相手を脅して生きてるような
ストリートで生き抜くために暴力的になるしかないというような子たちも沢山いるという
悲しい現実。
そういった問題や、
映画ではでてこないが、南アフリカでは5人に一人の成人がHIVに感染しているという現状。
主演のプレスリーくんもインタビューで語ってるけど、
一番の解決策は教育。
どんな人間も生きる価値があるということ、存在価値。
ただ流されてその場しのぎに生きるのではなく、生きる目的、希望。。。。
そういうものを全く知らずに野放しに育つということは
悲劇を生むばかり、、、、
それには劇中使われる言葉、「DECENCY(品位)」を自らが学んでいかなくては、、、。
8/10
脚本も良かったし、映画としてとても面白かった☆
あまり細かい事知らずに観ることをお勧めします☆
南アフリカの現状は深刻でも、流行の"クワイト"というノリノリの
アフリカンミュージックが使用されてるせいか、それほど重く感じない。
すごく入り込みやすい作品。
最近は2時間超えが多い中、この映画は95分。
そのため、伝えたいメッセージが明確でムダがなく一気に観られる。
単館ロードショーではないので、是非多くの人に観てもらいたいな。
あ、それと気になるのがこの作品、
日本ではR-15指定(15歳未満は見られない)を受けてしまったこと。
そんなに過激なシーンがあるわけではないのに、
生きる目的を見失ってしまった10代の子たちにこそ伝わるメッセージがある作品なのに、
それってかなり残念な事。。。。
DVD化になった後はもちろん観られるけど、公開後すぐに観ることができないなんて
ちょっとヒドい。
そこで、公式サイトに大人同伴で入場出来るティーンエイジャー試写の予定が組まれてるらしいので、観たい15歳未満の方は応募してみては??
(といってもこのblog、15歳未満の方読んでる確率低いけど)
公式サイト
TSOTSI 2005年 イギリス=南アフリカ 95min
4月14日より 全国ロードショー
劇場用チラシにも大きく書かれてる
"自分もかつてはツォツィ(不良)だった" という言葉。
発言したのは写真の中央、元南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ。
いよいよ東京では桜満開
週末お花見する人も多いのかなー。
皆さま、よい週末を、、、、
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