「気狂いピエロの決闘」などで熱狂的な支持を受けるスペインのアレックス・デ・ラ・イグレシア監督の
ブラックコメディを2作まとめて。
ちょうど公式サイトはこの2本まとめてになってた。
どちらもちょこっとネタバレありで。
まずは、魔女が主役のこちらから。
強盗計画を実行して逃亡中に魔女伝説の地として有名なスガラムルディに迷い込んだ強盗団が繰り広げる決死の脱出劇を描き、
スペイン・アカデミー賞(ゴヤ賞)最多8部門受賞
(助演女優賞(テレール・パベス)、編集賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイク&ヘアメイク賞、特殊効果賞、録音賞、プロダクション賞)
トロント映画祭 2013MIDNIGHT MADNESS 部門出品ほかで、席巻した作品
スガラムルディの魔女
WITCHING AND BITCHING 2013年 スペイン 114min
「アイム・ソー・エキサイテッド!」などのウーゴ・シルバ、「灼熱の肌」のマリオ・カサス、
過去のイグレシア監督作品に出演者、カルメン・マウラほか出演。
失業した揚げ句妻ともうまくいかなくなったホセ率いる強盗団。キリスト、兵士、透明人間、スポンジ・ボブ、ミニーマウスの
コスプレ大道芸人になりすまし白昼堂々宝飾店を襲撃
ホセは息子を含め共に偶然通りかかったタクシーに飛び乗り逃げる。タクシーの運転手を巻き添えに
パトカーの追跡をかわすうちに道に迷って、魔女伝説が伝わるスガラムルディ村にたどり着く。
そこには食欲旺盛な人食い魔女たちが強盗団を追ってきた者たちも加わり魔女軍団と人間の壮絶バトルへ
刈り上げゴス系魔女。
6/10(68点)
この村では、男は食いもん
強盗を企んだ子持ちの主犯格、ホセが意外とイケメンだったことで
パンクでゴスなセクシー魔女に惹かれ見入っていると逆に一目惚れされて厄介な展開に。
偶然乗り込んだタクシーの運ちゃんがまた、彼らに共感して逃げるうちに絆?がうまれて仲間化いくところが面白い。
ホセの息子セルジオが、魔女達に「選ばれし者」扱いされて、誘拐される。
せっかく強盗して手に入れた大金の入ったバッグも魔女の館に忘れて引き返すも
魔女達の、自分たちがディナーの餌食となる準備が着々と進められていて、、、、。
魔女ってか、オカマもいるとこがウケる。
息子の危機を知った別れたホセの元妻まで来て、展開はぐちゃぐちゃに。
魔女だけど、フツーに男に愛され、恋愛したかったとゆー複雑なキャラ。
すぐキレる。
いきなり恋人のような感じになるゴス魔女の弟が15年間も監禁されていて
この後半で、巨大な女神?バケモノみたいなのが出て来て、息子セルジオを丸呑みに、、、
ってそこまでみててなんかやりすぎ 笑 と思ったけど
なかなか面白かったけど2時間近いのはちょっと長い。90分でテンポよかったらもっと面白かっただろうな。
ラストではちゃんと人間界でホセとゴス魔女エバはつき合ってた 笑
こないだみた「シェアハウスウィズヴァンパイア」の方がかなり好きだけど。
このゴス魔女役のカロリーナ・バングって、この監督の作品にしか出てない。
ちなみにこのあとでレビューの「刺さった男」の方にも出演。
本当はこんな可愛らしい人でした~
「スガラムルディの魔女」予告編
刺さった男
LA CHISPA DE LA VIDA 2012年 スペイン 94min
AS LUCK WOULD HAVE IT
スペインの経済不況のとばっちりを食って職を失ってから数年の中年男ロベルト。
就職活動に失敗したある日、かつて新婚旅行で訪れた思い出の街に立ち寄った彼は、
ローマ劇場の遺跡発掘現場にさまよい、高所から転落
一命は取り留めたものの、鉄筋が後頭部に突き刺さって動けなくなったロベルトは、大勢のマスコミに取り囲まれ、
一躍世界中が注目する時の人に……。
主演はスペインのコメディ俳優、ホセ・モタ。
ハリウッドでも有名なサルマ・ハエックが男の妻。
息子は超ゴス。この監督、ゴス好きなのね。笑
たまたま頭に鉄筋が刺さった男(もちろん事故)の、命がけの金儲け大作戦
5/10(56点)
命あってこそのお金だと思うけど、、、?? 笑
家族を遺してる場合はまた話が違うか。
こないだ観たジェイクの怪演、「ナイトクローラー」では
他人の不幸をカネにしてたけど、今回は自分の不幸をカネにしようとする男
なんともブラック。
痛いわ
コーラのCMで一発有名な広告を打ち出した事も過去の栄光となってしまった 元、広告のヒットメイカーだったロベルト。
そんなわけで、プライドもあるのに ずっと仕事がないという切羽詰まった状況なので
級友に仕事をもらいに行くがあっさりと断られて。
頭に鉄筋が刺さるという大惨事となるも、意識はあるので その間ずっと金のことばかり考えてる。
自分のことしか頭にないキャラばっかの中、
妻だけは唯一まともな人で、愛する夫の瀕死状態を見守り励まし続ける。
娘と息子も駆けつけ、、、、
妻が実はなんかやらかすかと思ったら、妻、いい人すぎ。
結局、夫はそのまま息をひきとり
ラストではその映像を大金で買うと言って来たテレビ局の男がトランクに入れた大金をほんとに持ってくるけど、
そんなのいるか!という勢いで 蹴飛ばし去って行きTHE END.
なーんだ。 普通じゃん。という印象でした~。
原題は「La chispa de la vida」で、スペインでは良く使われる表現らしく劇中にコーラのキャッチフレーズを彼が考えたとして、
「人生のきらめき」と訳してるけど
そんなんじゃ「この映画、観よう!」とは思えないもんね。
勝手な邦題だけど惹かれるのは「刺さった男」。
そのタイトルだけで惹かれてみると、そこまで笑えないのがやはりシニカルすぎる。
内容はブラックシニカルコメディだけど、実は家族愛というか、
妻の愛あってこそで、不幸な人生でもひとつの幸せ的なメッセージもあり
そんなわけでただひたすら笑うコメディではなく、なんだか物悲しさも残る。
最後までブラックジョークで締めた方が好み。
なんか当たり前のようにしんみりさせられてもねー。
という、タイトルで笑いを期待するとちょっとハズれ。な感じ。
意外に最後で感動、みたいなのが好みで分かれるところ。
映画『刺さった男』予告編