子供は純真、無垢。だけど素直な行動に出るがゆえ、時に残酷だ。
2022年ノルウェーのアカデミー賞「アマンダ賞」で監督・撮影・音響・編集の4部門受賞、
世界の映画祭で16映画賞を受賞。
本国ノルウェーのアカデミー賞を総なめにした話題作『イノセンツ』(英題 THE INNOCENTS)
このブログを読んでくださっている方には今更説明不要だと思うけど、わたしの妹が
ノルウェー人の旦那様で長年妹がノルウェーに住んでいることもあり、
わたし自身すでに5回ノルウェーへ行っているので、北欧映画特にノルウェー映画となれば
観ないわけにいかない。そしてこれはとんでもなく傑作だったのでレビューしておかなくては。
監督を務めたのは、ヨアキム・トリアー監督の右腕として「母の残像」「テルマ」「わたしは最悪。」の共同脚本を共に手がけ、アカデミー賞脚本賞にもノミネートされた、エスキル・フォクト。
本作はフォクト監督の長編2作目、日本劇場初公開の監督作品。
重い自閉症の姉を持つイーダ。
団地に住む子供たちがたまたま知り合い、ある大きな出来事に繋がっていく。
子供は残酷だと上に書いたけれど、善悪の判断がつかないまだ子供
いや、ついていたとしても好奇心が勝って、または怒りのコントロールが効かない状態で
意志を持って悪いことをしたら。
どうすることもできない孤独や退屈、不安を持った子供たち。
4人の子達(俳優)はそれぞれ、かなり自然にキャラクターになり切っていて
観ているこちらも感情移入が相当だ。本当に、キャスト全員が良い
大友克洋の「童夢」と言う漫画にインスピレーションを受けているらしく、内容は似ているらしい。
そちらは読んでいないのでぜひ読みたいところだけど、こちらは演出がかなり抑え目で
いわゆるサイキックバトルのシーンもいわゆるハリウッド映画の、ドーン!バーン!じゃなく
静かに動く展開とジワジワ歩み寄るような怖さ。冷たい不穏な空気と、続く緊張感が半端ない
この世界にのめり込んで見入ってしまう。
撮影をマッツ(ミケルセン)様主演の「アナザーラウンド」のシュトゥルラ・ブラント・グロブレンが担当。
アナザーラウンドも良かったなぁ(2021年のmy BEST)
10/10
久しぶりに素晴らしい作品を観た感。終始緊張感が途切れない。
気になっている人はぜひ!多くの人に見てほしい。(※衝撃が辛い人にはお勧めできません)
ノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友達になった4人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試す中で、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめるのだった。
イノセンツ 7/28〜公開中
監督・脚本/エスキル・フォクト 出演/ラーケル・レノーラ・フレットゥム、アルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ、ミナ・ヤスミン・ブレムセット・アシェイム、サム・アシュラフ、エレン・ドリト・ピーターセン、モーテン・シュバラ
2021年/ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン/117min