先週のことです。
急に思い付いて、生徒のYちゃん(大3)をお誘いしました。
Yちゃんは今、療養中です。
なので、毎日お家にばかり居ると聞いていました。
なので、Yちゃんを、お外に連れ出したい
と云う気持ちもありましたし、
ちょっとお話ししてみたいこともあったのです。
行き先は、Yちゃんの希望で、パンケーキ屋さんにしました。
Yちゃんと私は、パンケーキ屋さんのテーブルに座りました。
Yちゃんの表情は、先回よりも、ずっと柔らかでした。
私は「先日ね、メアリーさんに会ったのよ。」と、話を切り出しました。
Yちゃんと、メアリーさんのお嬢さんは同級生なので、
Yちゃんは、メアリーさんとも顔見知りなのです。
「その時にね、カズオ・イシグロさんの話になったの。
そうしたらね、メアリーさんが、イシグロさんの本を読むと、
宮沢賢治と同じ印象を受ける~と仰ったのよ。」
Yちゃんは、黙って聞いていました。
「私は、ちょっとピンとこなかったのだけど、
Yちゃんは どう思うのか聞いてみたかったの。」
Yちゃんは、しばらく黙って聞いていましたが
「もしかしたらそれは、自然に対する思いが同じ。。。
と云う意味かもしれません。」
と、小さな声で答えました。
ああ、なるほど
確かに、カズオ・イシグロさんも、風景描写が素晴らしく、
本を読んでも、情景が在り在りと眼に浮かびます。
まるで映画を観ているかの様です。
そして、宮沢賢治の自然に対する思いは、人並み外れたものがあります。
自然に対する親しみ、そして畏敬。。。
そのような思いが、2人の文学者の共通点なのかもしれません。
私は、メアリーさんと会ってから ずっと考えていた事の答えが見つかり、
胸のつかえが取れた様に思いました。
そして、Yちゃんの読解力の鋭さに脱帽したのでした。