前回、生徒さんが音大を受験する話を書きました。
音楽へ進みたい子は、
一旦諦めたとしても、心の中でずっと燻り続ける。。。
と聞いたことがあります。
なので今回、最初は大反対していたお母様が
最終的に賛成してくださった事は、凄く良かったと思います。
お母様の思いに報いる為にも、
トモアキ君には頑張ってほしいと願っています。
さて、前回 音大受験の話を書きながら、
私は、かつて指導した女の子の事を思い出していました。
20年程前、大学受験を理由に、
ピアノを辞めたリサちゃんのことです。
リサちゃんは、
きちんと練習をする真面目な女の子でした。
可愛いし、頭も良いし、性格も穏やかで、
私は凄く可愛がっていたのです。
そんなリサちゃんが、
大学受験を理由にピアノを辞めることになりました。
私は凄く残念で、
出来れば引き留めたかったのですが、
こればかりは仕方がありません。
受験の為なのですから、
引き留めたらリサちゃんが困惑することでしょう。
「受験、頑張ってね。」と送り出しました。
リサちゃんは、少し涙ぐみながら
「はい、頑張ります。」と言いました。
暫くしてリサちゃんは
ストレートで国立大学に合格した、と聞きました。
聡明なリサちゃんらしい快挙だと思いました。
それから何年か経ち。。。
偶然、本屋さんでお母様にお会いしました。
「リサちゃんはお元気ですか?」
「それが。。。
リサは今、家で療養しています。」
「まあ、どうされたのでしょうか。」
「ちょっと気力を失ってしまって。。。」
「そうだったのですね。それは心配ですね。」
「実はリサは、ピアノを辞めたくなかったのです。
私が無理に辞めさせてしまって。。。」
「大学入試だと、仕方無いですものね。」
「大学に入ってからも、
『あの時、何でピアノを辞めさせたの?辞めたくなかった!』
と何度もリサに泣かれてしまい、
本当に悪い事をした、と反省しています。」
「まあ、それならば何時でもレッスンに来てください。
私もリサちゃんに会いたいので。」
お母様には そう伝えましたが、
リサちゃんが再びレッスンに来ることはありませんでした。
受験を控えていると、
親は我が子に対して、勉強以外の事は止めてほしいと願うものです。
親はどうしても心配になりますし、
色々と先回りしてしまうものだからです。
ですから、リサちゃんのお母様のお気持ちも
凄くよく分かります。
もし受験期に息子達が楽器を習っていたら、
私自身も、辞めなさい!と言っていたかもしれません。
学校等の集団生活は、時として神経をすり減らします。
ましてや受験を控えていれば尚更でしょう。
しかし、ピアノが好きな子達は、
そんなストレスをピアノで癒やしているのかもしれないのです。
そんな時、辞めたくないピアノを辞めさせたら。。。
繊細なリサちゃんは、心の拠り所を失ったのかもしれません。
そう考えるのは大袈裟かもしれませんが。
その後、リサちゃんはどうしているのでしょうか。。。
今は連絡の取りようが無く、
私は、時折リサちゃんの可愛い笑顔を思い出しては、
元気に過ごしていますように!と祈っています。
お願いです
習い事をさせる事に対して
躊躇している多くのお母様達に
このブログを読んで頂きたいと願っています。
ランキングが上がると多くの方の眼に留まります。
ポチッと押して応援してくださいね~
↓ ↓ ↓