ある日のレッスンの時、
テツ君(高1)は、椅子に座るなり
「僕、レッスンが終わったら、通信制高校の面談に行くんです。」
と言いました。
どうやらテツ君は、今の高校を中退して、
通信制の高校へ行く方向に、心が傾いているようです。
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不登校と医師の診断書
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「だから僕、緊張しているんです。」
と言って、テツ君は溜息をつきました。
「そんなに緊張するの?」
「僕、すぐ緊張するタイプでしょ?
だから今、メッチャ緊張してるんですよ。」
「そうなんだ。
でも、試験じゃないんでしょ?」
「まぁ、試験じゃないんですけど。
あぁ~緊張する~」
そう言いながら、テツ君は何度も溜息をつきます。
なんか、ピアノのレッスンどころではない雰囲気です。
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思えばテツ君は、小学生の頃から学校を休みがちで、
中学の頃は、ほとんど支援室で過ごしていました。
それでも希望する高校に入学し、
最初の頃は楽しそうにしていたのですが。。。
やはり無理があったのかな?
最近は、ずっと行けていないようでした。
それでもテツ君の不思議なところは、
学校に行けていないことを私に隠さないところです。
中学の頃から、こちらが聞くわけでもないのに、
「僕、最近学校に行っていないんですよ。」
と、アッケラカンと言っていました。
先週も、
「先生、僕、最近また学校に行けなくなったんですよ。」
と明るく言うので、
「あら、そうなの? 何でかしらねぇ。」
と私も軽く答えたりしました。
このテツ君の屈託の無さは、きっとお母様の育て方だと思います。
小さい頃から凄く大らかに育てていらっしゃいました。
テツ君が小学2年生の頃だったかな、
顔に、猫のような黒い縞模様とヒゲを描き、
意気揚々とレッスン室に入って来たことがありました。
「え~っ テツ君、どうしたの?
」
「僕、自分の顔に猫の模様を描いたらどうなるかな?と思って
マジックで描いてみたんです。」
「もう 先生、ビックリしちゃったよぉ。」
私がビックリしたので、テツ君は満足そうです。
「僕、本当の猫みたいでしょ?」
「うん、猫が入って来たかと思って焦ったよ。」
「やっぱりそう思った?」
テツ君は嬉しそうです。
「うん。 でも、お母さんに叱られなかった?」
「お母さんも笑ってた」
この時、私は凄く感動したのです。
もし自分の子供が、おけいこ事の直前に同じ事をしたら。。。
私は焦って顔のマジックを消そうとするでしょう。
そして、笑うどころか叱ったと思います。
それをテツ君と一緒に笑うなんて、
凄く素敵なお母様だな、と思った記憶があるのです。
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私がそんな事を思い出している間も、
テツ君は「あ~緊張する~」と言い続けています。
「テツ君、面接はきっと大丈夫よ。」
「何で分かるんですか?」
「だって、テツくんは良い子だもん。」
私がそう言うと、テツ君は真顔で
「まあ、そうですね。」と言いました。
「うん、だから堂々と面接を受ければ大丈夫」
「はい」
テツ君の、こんなところ
どうかこの良さが、いつまでも失われませんように。。。
そう願っています。
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習い事をさせる事に対して
躊躇している多くのお母様達に
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