弁当シリーズです。以前に作ったものですが、これは力作です。緑と赤と彩りにも気をつかってみました。それも長女と次男の2人分です。丸い弁当は納めるのがなかなか難しいですね。
「舞鳥太鼓編 4話」
でも、どうしても釣りに行きたかったわけではない。昨日の釣りは時間を埋めるためのものだった。僕の頭の中をおととい、帰りがけに言われた哲じいの言葉がグルグルと巡っていた。
「親子二代の飛翔太鼓だな」
この言葉が繰り返し聞こえてきて…さぼりたくなった、どうしても練習場である小学校の体育館へと足が向かなかった。
そして、僕は嘘は嘘をついた。理由を言うことなしにこの状況を逃れることはできないと判断して嘘をついた。
「釣りがしたかったんだ。」
昇竜の滝に大きな鯉がいること、そして、そいつを釣るのは誰かと競争していることを説明して、みんなに抜け駆けして釣り上げてやろうと思ったと…怒鳴られることを覚悟の上で、嘘をついた。
父さんに「飛翔太鼓から逃げたかった」と言えるはずなどない。
全身に力を入れて、父さんの声を待った。
すると、予想に反して、「釣りに行ってたのか」とつぶやくように、穏やかに一言。そして、次にこそ、雷が落ちると思った時だった。
「ヒデさん、いるかい?」
玄関のドアを開ける音とともに、父さんを呼ぶ声が聞こえた。
栗沢の町の中で、僕の好きな秋の風景です。