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教育系ポップスバンド 風船花(ホウセンカ)の活動日記
日常の中であれこれ思ったことなど

続 ひまわりのころ 15 テーマは「いじめ」

2015年09月29日 20時02分52秒 | 続 ひまわりのころ

転校したヒロトの物語。テーマは、「いじめ」です。

昼休み、僕はやっぱり、舞鳥の仲間のことを思いながら、自分の席に座っていた。すると、随分、体格のよく、仲間に対して、命令するように話すコウタ、小柄で坊主頭のシンジ、そして、きりっとして頭が良さそうに見えるリョウタがやってきた。この時は名前はわからなかったけれど…。そして、僕がいることなんか、おかまいなしで、タケオを筆箱にトンボや蝶を詰め込んだ。そして、ニタニタと笑っている。
僕は、「ひどいことをするな、いじめじゃないか」と思ったものの、まだ、名前もわからない、この三人に何も言うことができなかった。

「はい、いいですか。五時間目の授業を始めますよ」
遠山先生は、また、「いいですか」と言い、当番の子に授業をはじめの挨拶をするよう促した。先生の声は、とても高い音で、きりきり聞こえて、僕の耳には馴染まなかった。

五時間目、授業は国語。
「はい、いいですか、鉛筆を持ちましたか」
そんな先生の指示にタケオが筆箱を開く。中に何が入っているかを知っている僕。あいつらがそれを入れる場面を見ていながら、止められなかった僕。それが入れられたことタケオに教えてあげられなかった僕。罪悪感が胸の中に広がる。心が重たい。
タケオは蓋を開けた途端、驚いた表情を見せると、慌ててその蓋を閉じた。そして、辺りをキョロキョロと見回し、大きなため息と共にがっくりと肩を落としてしまった。
僕は、コウタ、シンジ、リョウタを見る。三人は何か小さくサインを送り合い、タケオを指さしてにやけていた。僕は、許せない気持ちになったが、どうすることもできなかった。

どうする?ヒロト!、どうなる?ヒロト!
がんばれ!ヒロト!

しかしながら、今日は寒い!雨も随分降りました。
皆さん、風邪などひかれませんように!

「ひまわりのころ~舞鳥ロックス」(文芸社)発売中。間もなく、発売1周年!


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