スライスは別名「こすり打ち」と言われます。(本当は違うのですが・・・)
スライスそのものよりも「こすり打ち」というのに 解決のヒントがあると思っていいでしょう。
そのこすり打ちの典型が
このパターによる ショルダー打ち 肩を揺さぶって打つ方法です。
確かにパターと言う道具は クラブの中で最もロフト角度が立っており
こすり打つ という認識から最も遠い気がするでしょう。
しかし、この同じ動作を60度のウエッヂで やってみたらどうでしょう?
おそらく 何回かに一回はボールの下を潜り抜け
ボールがポコんとほぼ真上にあがり
数十センチしか飛ばない だるま落としになってしまうでしょう。
これが典型的な『こすり打ち』です。
ボールの底 下部分をこすって打つのでそう呼ぶのです。
アプローチで多くの方が ヘッドの動く軌道をフェース面でなぞる
そんなイメージを持たれていると思いますが、
それがこすり打ち、スライスを産み出します。
フェースで軌道をなぞる のは
実質上、ロフト効果90度で打つことイメージです。
60度のウエッヂを30度も余計に増やして打つイメージです。
60度前後のロフト効果でボールを打つのは
ヘッドの動いてきた上下の軌道に対し
60度の前後の角度になって ボールを打撃することです。
まして そのヘッドの高低差、上下の高さの変化が
体に前傾姿勢があって、回転するから発生するのです。
それを腕や肩の揺さぶりで作ってしまったのでは
体の回転で作る円弧よりも小さな急激なものになり
ヘッドの姿勢の増え 以上にロフト効果は付いてしまいます。
パッティングでもそうですが 小さなアプローチの時点でこすり打ち
スライスを打つ為のトレーニングをしていることなります。
練習で要注意なのですが、 ショットの練習をして、
アプローチの練習もする。 ショットでこすり打ちを気にし、
体でクラブを動かす意識を 持ってトライしていたとしても
いざ アプローチで腕や肩の揺さぶりで行ったのでは
そのショットの練習はリセットされてしまいます。
ショットやスイングの改良は スピードや力で誤魔化せる部分や練習では 改善されていきません。
出来るだけ 遅い速度の非常に基礎的なクラブの扱い 基礎的な動作でしか改善されていきません。
その習慣付けがとても大切です。
それとこれは マメ知識 ですが ゴルフクラブのアイアンの厚み(高さ・タッパ)のことを
『プロファイル』と呼びます。
このプロファイルは アイアンの先端部-トゥ側の方が高く
根元部-ヒール側の方が低いのが常識的なものですが、
これはボールがヒール下部からトゥ上部に斜めに
逃げていくのを防止するためのモノでは ありません!
ゴルフクラブには安全上の問題で 重心距離と言って、
グリップ~シャフトの延長線上に 重量の中心点がなく、
その距離分 シャフト軸線から離れています。
そして 限度はあるのかもしれませんが、
同じ質量のヘッドであれば その距離が離れているほど
ボールを打撃する力が強く かつ 慣れれば安定感もあるものです。
と同時に その形状、 トゥ側の方がプロファイルは高い、厚みがある というのは
番手間の違いがあっても
テークアウェイを取り易く、 移動させる方向を視覚的にガイドする役割
を持っていて クラブ設計にはとても重要なポイントです。
良いアイアン形状と言うのは 番手間の違いを上手に
その長さなりの軌道を視覚的に統一させる というものです。
以前は アイアンの設計に削り手さんが関わっていましたが
現在はパソコンによる画面上の設計のみ が主流なので
設計する人にその観念が存在せず
番手間にその造りに統一性が無いものばかりに なってしまいました。