(2011年6月20日発行)(次回2011年6月27日予定)
ものづくり・工場改善の3回目になります。
年間12冊の中の6月の一冊です。
タイトル:できる・使える 生産管理の基礎テキスト(1998年発行)
著者:福田拓生(日立製作所 専門コンサルタント室長。技術士(経営工学部門)。千葉工業大学卒。
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
ここが読みどころ:
”第2章 生産管理の混乱のいろいろ”は必読です。
生産の現場でいろいろな問題(混乱)が次から次に発生しててんやわんやという方も多いかもしれませ。その問題(混乱)への対策が紐付けられています。
筆者のコンサルタントとしての実務経験から、「生産管理の混乱を鎮める」という観点からまとめられています。そのため、まず生産管理の混乱のいろいろなものを2章で述べ、その混乱への対策と関連項目が混乱の項目ごとに表にまとめられています。そのため、自分が現在困っている生産の混乱の項目を探し出し、対策のところを読むことで、効率的な対応が可能になります。
内容のポイント
第2章に以下の記載があります。
①「混乱」の実相のつかみ方
②記述されている混乱の事例
以下の14項目の混乱に思い当たる方はぜひ本書をお読みください。
材料切れが多発する
飛び込み短納期による混乱
物がどこにあるかわからない
外注が生産の足を引っ張る
何がどこまで進んだかわからない
在庫が多く経営の阻害要因になっている
生産品種が多くて管理できない
コンピュータのデータがあてにならない
不良品が多くて計画が達成できない
季節変動が大きくて毎年混乱を繰り返す
多額の不良資産が発生する
海外生産・海外調達にかかわる混乱
新製品立ち上げ時の混乱
増産時の混乱
目次:
第1章 生産管理とは
第2章 生産管理の混乱のいろいろ
第3章 在庫管理の改善
第4章 現品管理の改善
第5章 生産管理の改善
第6章 生産管理方式の選択
第7章 源流管理による生産管理の簡素化
あとがき
索引
ページ数:197p
価格:2300円(当時)
写真
最後に:
この本は中小企業診断士の勉強を始めたころ、生産管理の問題への対応テキストとして書店を調べ回って見つけました。大変懐かしい本であり、当時、大変役に立ったテキストです。技術士(経営工学)になって今読んでみても、生産の問題は全く変わっていないと思います。
井上三右衛門