百歳に向かってもう一度歩いて世界一周

平成7年1月1日より歩いて世界一周に挑戦して居ますので引き続き続けますのでご照覧あれ!

戦友のつぶやき ㉜

2015年03月16日 17時26分27秒 | 軍国物語

        百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月16日 晴

 或る晩、戦友がつぶやいた。「沖縄の次はいよいよ九州だ。それは陽動作戦で、本命は千葉海岸上陸だ。俺にはカカアも子供も居る。イヤンなっちゃうなぁ!金玉取られてアメリカに連れて行かれて一生奴隷だ。やだ! やだ!位牌書きもやんなちゃう」

 こんなことは人前で言う言葉じゃない。まして軍隊内で呟く言葉じゃない。軍法会議モノだ。敗戦ムードが漂ってる気配は誰もが感じてはいるが、口に出せるものじゃない。それが聞かれてもイイのが戦友だ。

 このつぶやきでM上等兵の本心を覗くことができたが、やがて私に、戦友に報いるチャンスがやって来た。《弱兵解除》だ。

        百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月16日          

 

日数「日」

総歩数(歩)

総距離(m)

平均歩数(歩

今  日

    1        

25,306

17、714

      

今  月

          16

401、499

281,049

25,094

今  年

75

 1,765,838

1,236.087

23,545

2005年から

3,689

56,237,083

39,365,958

15,245

70歳の誕生から

7,221

138,187,214

96,731,050

19,137

 ワシントンからアメリカ大陸横断へ、デンバーに向って後 1,594,042

 


お守りの中に10円札が ㉛

2015年03月15日 17時50分07秒 | 軍国物語

           百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月15日  晴

 下士官室でお金が無くなったという話が伝わって来た。初年兵は外出出来ないので、お金の必要が無い筈。下士官は外出できる日があるので、お金を使うことが出来る。お金を必要とする時もあるだろう。しかし誰が拝借したかは判るまい、と私は思った。

 朝食が終わった時、班長が一寸班長室に来てくれ、と言う。T班長は飯山の者で嘗ては近衛兵だったこともある老兵で、同郷の誼で私は親代わりと思い慕って居たので、着いて行った。

班長は困った様子だったが、重い口を開いて言った。「お前の手箱のお守りの中から10円札が出たのだ。正直に話してくれ」と。これには驚いた。他人事と思って居たが、下士官室から10円札を盗み取った犯人が俺だと決めつけられたのだ。

 誰かが、私を犯人に仕立てたのだ。思い当たる者は浮かんでこなかったが、私でない証拠を示さなければ疑いを晴らすことにはならないと思って焦った。

 「自分の手箱に入って居たお守りは入営するときに伯母から貰ったものです。若しかすると、伯母が入れて呉れたのかもしれません。自分が入れたのならば、その札に自分の指紋が点いているでしょう。伯母の指紋も自分の指紋も点いて居なければ、第3者が入れたのではないですか。指紋を採って自分の無実を明らかにしてください。」と真剣に訴えた。

 班長は「判った。疑ってすまん。」と言ったが指紋は採らなかった。しかし、お守りも札も戻っては来なかった。この件をM曹長に話したところ「指紋とは名案だったなぁ!」と言った。

 この件は有耶無耶のままに消えたのか、犯人が摘発されたという噂も聞こえては来なかった。

        百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月15日          

 

日数「日」

総歩数(歩)

総距離(m)

平均歩数(歩

今  日

    1        

25,172

17、620

      

今  月

          15

376、190

263,333

25,079

今  年

74

 1,740,529

1,218.370

23,521

2005年から

3,688

56,211,774

39,348,242

15,242

70歳の誕生から

7,220

138,161,905

96,713,334

19,136

 ワシントンからアメリカ大陸横断へ、デンバーに向って後 1,611,758

 


戦友 ㉚

2015年03月14日 20時22分48秒 | 軍国物語

        百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月14  

私の子供の頃、出征兵士を送るときに歌った軍歌があった。其れが《戦友》だった。

 此処はお国を何百里 離れて遠き満州の 赤い夕陽に照らされて 友は野末の石の下
 思えば悲し昨日まで 真っ先駆けて突進し 敵をさんざん懲らしたる 勇士はここに眠れるか
 ああ戦いの最中に 隣に居ったこの友の 俄かにはたと倒れしを 我は思わず駆け寄りて

此処でいう《戦友》は共に戦った仲間「部隊の兵ら」だし、戦友とはそういうもんだと、私も思って居たが、入隊して知った《真の戦友》とは同一班で自分の両脇に寝ている兵を《戦友》というんだ、と聞かされた。

 その戦友と星の数が同じならば問題ないのだが、階級が違うと、数の少ない者は古兵の身の廻りまで一切の面倒を看なければならない不分律がある。

 私は星1つで両脇はT上等兵とM上等兵だ。これは大変だと思って居ると、Tさんは少々知能が遅れいて居て、かなり厳しく仕込まれたらしく、私の褌まで洗って呉れる。Mさんは堺村出身で明大出のインテリで、星の数など気にしないリベラル派。護国神社へ位牌書きに行っている。

 私の出る場は無いので有難いが、廻りからは私が横着者で上司に何でもやって貰ってると映るらしい。私は通信中隊に籍はあるが、医務室の事務室勤務だからやりようがない。これには参った!       百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月14          

 

日数「日」

総歩数(歩)

総距離(m)

平均歩数(歩

今  日

    1        

24,904

17、433

      

今  月

          14

351、018

245、713

25,073

今  年

73

 1,715,357

1,200.750

23,498

2005年から

3,687

56,186,602

39,330,621

15,239

70歳の誕生から

7,219

138,136,733

96,695,713

19,135

 ワシントンからアメリカ大陸横断へ、デンバーに向って後 1,629,379


体重統計から食事改善 ㉙

2015年03月13日 21時14分32秒 | 軍国物語

        百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月13日 晴

 事務室勤務の暇を見ては聯隊の体重総計を集計していたが、平均体重が次第に低下していることに気付いたのでM曹長に報告した。

 曹長は《面白い》と関心を示してくれた。それまで兵舎をカモフラジーするため、大根の葉を屋根に並べて畑に見せかけていたが、時間が経つと黄葉するので交換して、それを味噌汁の身に使って居た。それがとん汁など栄養価のあるものに変わったのだ。

 曹長が体重の低下を強調して、肉類の多用を進言して呉れたのが採用されたのだ。戦時下、食料品の調達の困難の中、兵士に歓迎され、士気も上がった。曹長は鼻を高くした。私も先日の好意に報いることが出来、肩の荷が下りた思いをした。

       百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月13          

 

日数「日」

総歩数(歩)

総距離(m)

平均歩数(歩

今  日

    1        

25,408

177865

      

今  月

          13

3261147

228、280

25,086

今  年

72

 1,690,453

1,183.3117

23,479

2005年から

1,686

56,161,698

39,313,189

15,236

70歳の誕生から

7,218

138,111,829

96,678,280

19,134

 ワシントンからアメリカ大陸横断へ、デンバーに向って後 1,646,811

 


沖縄から来たM曹長 ㉘

2015年03月12日 20時46分56秒 | 軍国物語

       百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月12日雪のち晴

 自分たち医務室の事務室の長はM曹長で、沖縄から松本に転属して来たのだという。沖縄はその時玉砕覚悟で米軍と死闘を繰り返していた。転属命令は直前か直後かは判らないが兎も角松本に赴任したのだ。しかし曹長はいつも飄々として鼻歌交じりで勤務している不思議な人物だった。わが軍の苦闘も全く意に介する風はなかった。事務室内の指揮はすべて軍曹に任せて居た。だから室内は何時も和気藹藹だった。

 ある日、未来の妻たる彼女が面会に来た時、私を連れて営門を出て,曹長の私宅に行った。奥さんはお茶を出した後、私と彼女を残して夫婦で出掛けて行ってしまった。気を利かしてくれたのだ。やがて戻ってきて、わたしに《市内薬物購入を命ず》という書付を寄越して、「営門を入るとき、歩哨に渡せ」と言っただけだった。

 その後も恩に着せる風も無かったし、沖縄が米軍に席捲されても、何の意思表示もなかった。米軍の上陸が判って居た時点で何故?どうして松本転属が発令されたかについても聞く機会も無かったし、発言も無かった。不思議な軍人だった。

       百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月12          

 

日数「日」

総歩数(歩)

総距離(m)

平均歩数(歩

今  日

    1        

24,079

16,855

      

今  月

          12

300,707

210、495

25,059

今  年

71

 1,665,046

1,165.532

23,451

2005年から

1,685

56,136,291

39,295,404

15,234

70歳の誕生から

7,217

138,086,422

96,660,495

19,133

 ワシントンからアメリカ大陸横断へ、デンバーに向って後 1,664,596