はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「虚ろな十字架」

2015-06-04 17:39:13 | 本・映画・ドラマ
東野圭吾さんの小説『虚ろな十字架』を読みました。感想など綴っています。

娘を殺されたら、あなたは犯人に何を望みますか…?
8歳の一人娘を殺害され、裁判の間は、犯人を死刑にすべく夫婦力を合わせて頑張れたけれど、
裁判が終わると、虚無感でいっぱいになり、また、お互いの顔を見ると、娘の事件を
思い出してしまうのがつらく、、離婚した。

離婚から5年…別れた妻が殺された。
その5年の間の、元妻の行動をたどりつつ、殺された本当の理由にたどりつく。

東野圭吾さんが書く濃密な文章、と、重いテーマ。

2つの殺人事件を通して、「死刑」「再犯」「加害者周辺の人への影響」「被害者周辺の人への影響」などなど
いろんなことを考えたり、感じたりしつつ、読みました。

一番印象に残った文章を引用させていただくと…

『死刑判決によって、遺族が何らかの救いを得られるわけではない。遺族にとって、犯人が死ぬのは、当たり前のことなのだ。遺族にしてみれば、犯人の死など「償い」でもなんでもない。それは、悲しみを乗り越えていくための単なる通過点だ。しかも、そこを通り過ぎたからといって、その先の道筋が見えてくるわけではない。まったくわからないままだ。』

『人を殺せば死刑…そのように定める最大のメリットは、その犯人には、もう誰も、殺されないということだ』

印象に残ったのは、私の思ってることと、近いからかもしれない。


元妻を殺した犯人は、自首してきたのだけれど、本当のところは、違うんじゃないかなとか、
殺人の動機はなんだろう?、、などなど、想像しつつ読んでたのとは、全然違う結末で、、
動機に関しては、なんとなく、違和感をおぼえてしまい、納得がいかなかったのだけれど、、、。

読み終わって、ようやく、装丁の写真の意味を知りました。

読後、1日経っても、気持ちの整理がつかないほど、いろんな感情がたくさん湧きました。

コメント
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