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トドなど海獣類の漁業被害状況(平成29年度)5億6千万円と大幅減少、トドも4億2千万円減

2018-10-12 11:41:20 | ニュース

稚内・弁天島に上陸したトドの大群(写真:道総研・稚内水試提供)

 道水産林務部水産振興課がまとめた平成29年度(4月〜3月)の海獣類による漁業被害は、全道で15億6,139万円と前年より5億7,880万円、27%減少したが、いぜんとして15億円を超える大きな被害が続いている。

 海獣別では、トドが11億7,870万円で全体の4分の3を占め、前年に比べ4億1,900万円(26%)減少。次いでアザラシが2億5,545万円と同633万円の微減。オットセイは1億2,724万円と同1億5,347万円(55%)の大幅な減少。

 振興局別では、宗谷、留萌、石狩、後志、桧山で11億6,049万円と、日本海側が全体の7割強を占める。また、根室で2億6,582万円、日高で6,010万円と多い。全道的に漁業生産が下がっているだけに海獣類の漁業被害は深刻だ。

 一方、トドの採捕は、26年度に枠が倍増したあと着実に実績を積み上げており、28年度は540頭と前年より20頭多かったが、29年度は464頭にとどまった。

 道によると、宗谷管内の弁天島に来遊が集中したこと、沿岸域への寄り付きが少なく採捕が難しかった、漁海況条件などで採捕機会の減少といった理由で減少したという。今シーズンは採捕枠の取り残し分を勘案し、採捕枠を591頭とした。

 水産研究・教育機構の北海道区研究所によると、トドの来遊状況は、道北海域で弁天島を中心に数千頭が集中している半面、道央海域は出現がわずかとなっている。ただし、祝津〜積丹岬では遊泳個体が多く、祝津に上陸した個体は最大100頭ほどを観察した。また、道南海域も出現がわずかだった。


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