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道議会水産林務委員会で新型コロナの影響を議論 緊急事態宣言後、鮮魚や高級品の価格が下落傾向に

2021-06-05 21:25:32 | ニュース

 道議会水産林務委員会(三好雅委員長)が1日開かれ、紋別沖の漁船海難事故、稚内沖の漁船拿捕に関する報告、新型コロナウイルス感染症による水産業、林業・木材産業への影響について道から報告を受けた後、質疑を交わした。

 古村龍次水産局長によると、5月26日午前6時頃、紋別港から北東約23㎞付近で紋別漁協所属の毛ガニかご漁船漁船「第八北幸丸」(9.7㌧)が操業中にネベリスク船籍のカニ運搬船「アムール」(662㌧)が衝突し、船底が見える状態で転覆した。海中に投げ出された船員5名全員をアムールが救出したが、3名の意識がなく、紋別海上保安部所属巡視船「そらち」により負傷者2名、心肺停止状態の3名を紋別港に搬送したが、10時20分頃、3名の死亡が確認された。

 5月27日から紋別海上保安部による実況見分、アムールの調査、両船の船長から任意の事情聴取を開始し、28日から国交省・運輸安全委員会による調査が開始された。また、同27日道水産林務部長から各漁協、関係団体にライフジャケットの着用、航行中の安全確認の徹底、海難事故の未然防止に向けた文書を発出した。

 新型コロナの水産業への影響は、前年同期と比較して4月までは多くの魚種で価格の回復傾向にあったが、緊急事態宣言後、外食需要が落ち込み、価格が低下している地域、魚種が出ている。直近の聞き取りでは、市場関係者によると全体的に荷動きが悪く、特に外食産業で使われるウニ、カニなどの需要が落ち込み、価格が低下している。漁協によると、外食向け商材の流通停滞、消費地市場の需要低下により、ヒラメ、マツカワなどの鮮魚やカキ、ウニなどの高級品の価格が下落傾向にある。オホーツク海のホタテ本格操業は6月からだが、現時点では昨年と同程度から高い価格で推移している。また漁業関係者が感染し、操業に支障が生じた事例が発生している。古村水産局長は「定期的に調査を実施し、影響などの把握に努めるともに、価格や消費動向を見据え、当初予算で措置した道産水産物の消費喚起に向けた対応などを重点的に実施する」と説明した。

 報告を受け、佐々木大介道議(自民、石狩地域)が緊急事態宣言後の対応を質し、古村水産局長は「根室管内のウニや胆振管内のマツカワなどの価格が低下しているため、定期的な調査に加え状況の変化に応じた迅速な調査を行い、必要に応じて漁業経営を支援する実質的な無利子の運転資金の積極的な活用や巣ごもり需要に対応した道産水産物の一層の需要喚起に努める」と答えた。



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