ゆみねこ日記

日常日記です。

3月の読書記録その2

2015-04-01 09:50:20 | ブックレビュー
睦月童(むつきわらし)睦月童(むつきわらし)感想
人の良心を映す鏡の力を持つ「イオ」、その力によって再生した央介。江戸の町で不思議な力で色々な人を救うのかと思いきや、睦月神とのつながりは思ってもみなかった方向へ。表紙の赤い花を読み終えてから見直すと禍々しいです。女にとって永遠の若さと美貌は魅力なのでしょうね。これも面白かったです。大人向けの時代ファンタジー、お勧め。
読了日:3月27日 著者:西條奈加
風花の里 (佐々木丸美コレクション)風花の里 (佐々木丸美コレクション)感想
シリーズ完結編かと思ったけれど、何だかもやもやな読後感。時代背景もあるのでしょうが、莫大な資産を受け継いだお嬢さんたちが、会社の思惑であちこちに捨て駒のように使われて乙女心を利用されてなんて言う…。韓流ドラマのようなストーリー?(実際韓流ドラマ見たことありませんが^^;)この作品では「とら」が影の主役か(笑)
読了日:3月27日 著者:佐々木丸美
私はフーイー 沖縄怪談短篇集 (幽BOOKS)私はフーイー 沖縄怪談短篇集 (幽BOOKS)感想
沖縄を舞台にしたホラー短編が7つ。ホラーだけどそこまで怖くはなく、夢の中の物語のようでした。タイトルの「私はフーイー」が印象に残りました。
読了日:3月28日 著者:恒川光太郎
未練 (新潮エンターテインメント倶楽部)未練 (新潮エンターテインメント倶楽部)感想
久しぶりに音道貴子刑事と再会出来ました。自宅アパートの隣人に降りかかる嫌がらせ事件「未練」、ホシがほぼ特定出来ているのに決定的証拠がないために起訴出来ない「立川古物商殺人事件」、とある事件によって心身ともに疲れた音道の休暇中の「山背吹く」、保育園児が砂場で不審な死を「聖夜まで」、音道の実家での「よいお年を」、立川事件のその後「殺人者」。「聖夜まで」辛くて悲しくて切ない物語でした。やっぱり音道貴子最高です!
読了日:3月28日 著者:乃南アサ
床屋さんへちょっと床屋さんへちょっと感想
父から受け継いだお菓子会社を潰してしまった二代目社長と、彼の娘の物語。真面目で無器用なイメージの勲さん、家族や部下たちに対する優しい想いがたまらなく素敵でした。こんな上司のもとで働いてみたかったなあ。床屋さん、たまに私も産毛剃りに行きたくなりましたね~。
読了日:3月28日 著者:山本幸久
星に願いを―さつき断景 (新潮文庫)星に願いを―さつき断景 (新潮文庫)感想
1995年から2000年までの世紀末を過ごした3人の物語。5月1日を切り取って描いています。どこかでこの3人が交錯するのかと思ったらそうではなかったですね。その時々の事件を折り込んで、時代を振り返る物語としては悪くないのですが、何となく中途半端な読後感でした。不安な時代を生きる私たちへの提言なのでしょうか。
読了日:3月29日 著者:重松清
血の騒ぎを聴け (新潮文庫)血の騒ぎを聴け (新潮文庫)感想
宮本作品が大好きな私。このエッセーは作者自身の自作に対する想い、亡き父への想いがちりばめられ、作品の背景がより理解できました。愛犬「マック」のエピソードには笑わせてもらい、ドナウの旅人の取材旅行で知り合ったハンガリーの青年との縁、奥さまとの日常など堪能させていただきました。過去の作品をまた読み返したくなりました。
読了日:3月30日 著者:宮本輝
誰でもよかった誰でもよかった感想
渋谷のスクランブル交差点に軽トラックで突っ込んだ28歳フリーターの男。ナイフを振りかざし11人の命を奪った犯人はセンター街の喫茶店に10人の人質を取って立てこもる。交渉人の渡瀬との息詰まる攻防、上司横川の思惑…。そうか!「誰でもよかった」の意味に愕然とさせられました。内容はちょっと薄い感じでしたが、文章は読みやすいので一気に読めました。
読了日:3月30日 著者:五十嵐貴久
つちくれさんつちくれさん感想
定年退職した元警察官の福山登と、つちくれさんと呼ばれる元高名な考古学者瀬川が、遺跡の発掘現場で起きた殺人事件の謎を解くと言う物語。瀬川と登のコンビと助手の明子、中々個性豊かなメンバーなのだけど、謎ときは意外とあっさり。軽く時間の空いたときに読むには良いかもしれません。
読了日:3月30日 著者:仁木英之
FLY (文春文庫)FLY (文春文庫)感想
新野さんは「あぽやん」のイメージが強いので、作風の違いに少し驚きました。北九州若松区の公園で、不自然にキャンプをしている戸浦と言う男と知り合った高校生向井広幸は、彼が指名手配犯と知り通報するが戸浦は察知して逃亡する。その4カ月後広幸の目の前で恋人佳奈は戸浦に殺害され、そのまま逃亡する。佳奈を想う広幸の執念、時を経て追跡の果てに明かされた真実は何ともやり切れず。悪人は最初から最後まで悪人だったと言うことなのかしら。登録数は少なめのようですが、私はかなり面白く読めました。
読了日:3月31日 著者:新野剛志

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3月の読書記録その1

2015-04-01 09:33:35 | ブックレビュー
3月も楽しい読書ができました。

西加奈子さんの「サラバ!」上・下は、直木賞受賞作。
瀬尾まいこさんの「戸村飯店青春100連発」、これ良かった!


2015年3月の読書メーター読んだ本の数:56冊読んだページ数:18229ページナイス数:5892ナイスキャプテンサンダーボルトキャプテンサンダーボルト感想期待通りの面白さ!一気に読了しました。昨年夏に蔵王御釜に行って来たので、より親近感が増しました。山形・仙台の知っている場所が沢山登場してそちらも良かったですね。ワクチン接種の問題や、細菌兵器問題等々絡めて、考えさせられる部分も多いのですが、スピーディーな展開で軽く読めます。名前の良く分からない犬が良い味!井ノ原の息子が健剛って!(笑)読了日:3月1日 著者:阿部和重,伊坂幸太郎
赤ヘル1975赤ヘル1975感想1975年、広島カープが赤ヘル軍団と呼ばれるようになった年に中学生になったマナブ・ヤス・ユキオ。東京から転校してきたマナブの視点を中心に、家族・友情・野球、そして原爆から30年の広島の熱い半年間の物語。厚い本ですが、引きこまれて一気に読了。カープに対する広島の皆さんの熱い思いが伝わってきます。これはお勧め本ですね!読了日:3月1日 著者:重松清
首都感染 (100周年書き下ろし)首都感染 (100周年書き下ろし)感想強毒性の鳥インフルエンザが人類を襲った時、政治家・医師・官僚はどう対処するのか?感染者を封じ込めることで被害を最小限に抑え込もうとする大作戦。これは読み応えアリ、面白かったです。読了日:3月2日 著者:高嶋哲夫
息を聴け息を聴け感想感動!熊本県立盲学校の打楽器アンサンブルを指導した筆者と、8人の生徒たちの挑戦。見えないハンデをいかに克服し、息の合った演奏を作り上げるか。コンクールの場面は涙があふれてどうしようもなかったです。読友えい きときとさんに感謝!これも多くの方に読んで貰いたいですね。読了日:3月3日 著者:冨田篤
Q.O.L.Q.O.L.感想東京バンドワゴンの葉山若者三人組の物語。龍哉の父の死で遺されたもの、そこから三人が封印してきた過去が浮かび上がる。それぞれの重い過去、特にくるみの義父の行為は許せない・・・。読了日:3月3日 著者:小路幸也
深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)感想地球に「大異変」と呼ばれる危機が迫る中、陸上民と海上民の戦いが激しさを増す。一民間人となった青澄は、人類の危機にどう立ち向かうのか。2段組みでやや小さい文字に苦戦しながら読了。下巻に行きます!読了日:3月4日 著者:上田早夕里
深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)感想この物語は、この後も続くのかしら?終わり方がちょっと切なすぎます。「大異変」をどのように迎え撃つのか25世紀の人類は。。他民族に対する差別、紛争で利益を得る輩、今の地球でも同じようなことが。人間と言うものは精神面では進化は出来ないのでしょうか。考えさせられます。アシスタント知性体のマキ、コピーマキくん、どちらも大好きです。読了日:3月5日 著者:上田早夕里
許されざるもの許されざるもの感想獣害に悩む地域に食物連鎖の頂点に立つオオカミを取り入れたら?オオカミ=悪というイメージ、反対派や地元民の意志、興味本位のマスコミや町おこし程度の認識しか持たない政治家。「約束の地」の七倉父娘はその渦中の人となる。中国でのオオカミ探索行の場面は読みごたえがありました。満月に向かって吠えるオオカミ、一度は目にしてみたいものです。読了日:3月6日 著者:樋口明雄
四〇一二号室四〇一二号室感想所沢の駅近くにある、高層マンション。40階建ての四〇一二号室は「心理的瑕疵物件」だという。夢落ちなのか、妄想なのか、おどろおどろしさは真梨さんらしさ満載。読了日:3月6日 著者:真梨幸子
いそぶえいそぶえ感想伊勢志摩の安乗と言う集落で海女の家に生まれた孝子。幼くして母を亡くし、大海女と呼ばれた祖母に育てられる。叶わぬ恋に悩み、女性の地位が低い封建的な時代に懸命に生きた姿が潔い。谷村さんと言えば北海道が舞台というイメージなので、とても新鮮な感じがしました。力作、お勧めします。読了日:3月7日 著者:谷村志穂
鬼はもとより (文芸書)鬼はもとより (文芸書)感想第152回直木賞候補作。江戸時代中期、困窮する地方の小藩は藩の財政を立て直すために藩札を発行する。主人公奥脇抄一郎の藩は多額の藩札の発行で破たんし改易になるが、抄一郎は最貧の東北の小藩の依頼で藩の立て直しを担うことになる。貧しさにあえぐ藩を救うために執政梶原清明は鬼となり、改革に挑む。時代ものではあるけれど、読みやすかったです。既読の青山さんの路線とは少し違っている感も。登場する女性は、今一つ魅力を感じられないのが残念。読了日:3月8日 著者:青山文平
薫香のカナピウム薫香のカナピウム感想熱帯の緑が延々と連なる森で生きる少女愛琉。彼女らは樹上で暮らす一族。年頃になると彼女らの前には巡りを合わせる《巡りの人》がやって来る。この世界は人類が宇宙で暮らすようになり、そのあとで森で暮らすようになった未来のこと。何とも壮大で考えさせられる物語。船出をした愛琉と鷹風たちの今後の物語を待ちたいです。読了日:3月9日 著者:上田早夕里
ダブル・ジョーカーダブル・ジョーカー感想期待通りの面白さ!D機関と風機関のダブル・ジョーカー、これは予想通り。蠅の王・仏印作戦・柩・ブラックバード、刻々と第二次世界大戦へと突き進む日本。結城中佐の壮絶な過去が…。次も読みます。読了日:3月10日 著者:柳広司
ふちなしのかがみふちなしのかがみ感想怖い話が続きますが、「八月の天変地異」はちょっと泣ける男の子の友情の物語。「踊り場の花子」が怖かったです。したい、は何でしょうか?読む人の想像に任せるのでしょうか…。読む時期を選ぶ本ですね。読了日:3月10日 著者:辻村深月
寂しい丘で狩りをする寂しい丘で狩りをする感想執拗に追いかける男から逃れようと必死な女。犯罪被害者が全く守ってもらえないという状況にやりきれない思いで読了しました。この物語のモデルになった事件を記憶しています。もっと犯罪被害者が守られ、安心して暮らせる制度の充実を願いたいですね。辻原さん初読み。読了日:3月11日 著者:辻原登
パラダイス・ロストパラダイス・ロスト感想シリーズ第3弾。「誤算」はフランス、「失楽園」はシンガポール、「追跡」は日本、「暗号名ケルベロス」は太平洋上の船の上。日本に潜入したイギリスのスパイが結城の正体を探る「追跡」が面白かった!ラスト・ワルツは予約中、さてかなり先になりそうだけど楽しみに待ちます!読了日:3月11日 著者:柳広司
裁判官が日本を滅ぼす (新潮文庫)裁判官が日本を滅ぼす (新潮文庫)感想本村さんの裁判で「私たち裁判官は、あなたたち被害者に会う義務もないし、あなた方が裁判官に会う権利もない」と言い放った横暴な輩。「裁判というのは、裁判官と検事と被告の三者でやるもので、被害者には特別なことは認められていない」と追い打ちをかけた廷吏。障がいのある少年をリンチした加害少年たちを「感受性豊かな少年たち」と庇う裁判官等々、読んでいてこの国の裁判の酷さを感じて胸が悪くなりました。もっと被害者の立場にたった判決をしてほしいですね。読了日:3月12日 著者:門田隆将
高校入試 (単行本)高校入試 (単行本)感想長い人生を送ってきた自分から見たら、高校入試は一つの通過点にしか過ぎない。地域一の名門校を舞台に入学試験当日の事件が起きて、その収拾策と真犯人を炙りだす物語。後半、ある人物が唐突に登場して、あっけなく真相が…。まあ、面白くて一気に読めましたが、何となく不完全燃焼。読んだ時期としてはタイムリーでした。読了日:3月13日 著者:湊かなえ
スターダストパレードスターダストパレード感想出所したイケメンの暴走族の元ヘッドを迎えに来たのは彼を逮捕し、刑務所に送った刑事鷹原。言葉を失ったハーフの美少女を守るための役割を担った守・・・。背景がかなりダークなのに、怖さが感じられない(笑) これで終わりとはちょっと不完全燃焼かも読了日:3月13日 著者:小路幸也
戸村飯店青春100連発戸村飯店青春100連発感想年子の戸村飯店の兄弟、ヘイスケとコウスケ。18歳でそれぞれが旅立ち、将来を考える。何とも会話のテンポが愉快で楽しく読めました。忙しいお店を切り盛りしながら、この家の両親はちゃんと息子たちのことを分かっている。そこに感動しました。良い本、あらゆる年代の方にお勧めです。読了日:3月14日 著者:瀬尾まいこ
母の道をまっすぐに歩く母の道をまっすぐに歩く感想浜さんの子育てのエッセーは、以前新聞の連載コラムで目にしていました。子育てに悩む母親への暖かい目線は、まさに古き良き時代のおばあちゃんの言葉。子供を産んですぐに母性が生まれるなどという、出産経験のない男性産婦人科医に痛烈な言葉のパンチもあったり。産後不安にかられたり、自信を失ったりすることは不自然なことではない、むしろ何にでも病名を付けてひとくくりにするような世の中を憂えるそこに私も共感しました。読了日:3月14日 著者:浜文子
ふたつの月の物語ふたつの月の物語感想富安さんの本は初読みです。読友さんの感想をきっかけに手にしました。文句なしに面白かった!児童書なので読みやすく、読メがなければ巡り合うこともなかったと思います。節子さんの選択に涙、美月と月明に幸せな未来が訪れますように。読了日:3月14日 著者:富安陽子
早春の化石早春の化石感想シリーズ第2弾らしいです。特に順番に拘らなくても良さそうですが。福島県の白河・いわき辺りを知っていたら、結構楽しめます。このシリーズ2作読みましたが、もういいかな?読了日:3月15日 著者:柴田哲孝
逃北―つかれたときは北へ逃げます逃北―つかれたときは北へ逃げます感想能町さん、初読みです。何だか北に逃げたくなる?!ちょっと分かるような気がします。毎日雪が降る豪雪地帯は苦手だけれど、やっぱり雪景色は好きだし、南のリゾートは未経験だけど暑さでバテそうな気がするので、私はきっと北に逃げるかな~?尻屋崎の寒立馬と青空、共感しまくりです。あそこは素敵だったなぁ。そしてあとがきでビックリ仰天、そうか、そうだったのか…。彼女の来歴を知って、他の著作も読みたくなりました。読了日:3月15日 著者:能町みね子
トラップトラップ感想読み始めてから、ナンバーの続編と気づきました。西澤警部補、真面目で好感持てますね。キャリアの小堀さんが良い味出していました。知能犯対捜査二課、読編を楽しみにしたいと思います。読了日:3月16日 著者:相場英雄
黙示黙示感想日本の農業について問題提起された作品。農薬の開発研究者、元戦場カメラマンの養蜂家、農水省の官僚たち、目立ちたがりの女性代議士(どこかで見たような)、マスコミ。世界規模での食糧問題と遺伝子組み換え農産物。スッキリとした解決ではないけれど、真剣に農業を考えてみなくてはと思いました。読み応えアリ。読了日:3月16日 著者:真山仁
教場教場感想警察学校とは、こんなに過酷な場所なのだろうか?同期のメンバーと言えば、深い絆とか友情を連想しがちだけれど、皆が競争相手であり蹴落としても上に行かねばならない。こんな訓練を経て本物の警察官になるのか?むしろ、性格の歪んだ人間を作るのではないかと思ったり。風間教官は、クールで格好良いです。読了日:3月17日 著者:長岡弘樹
春狂い春狂い感想狂気のような欲望にさらされる美しい少女と、彼女が唯一心を開いた美しい少年。こんな鬼畜のような教師たちや肉親がいたら、救えないでしょう。美しさの故の不幸、それは彼女らの責任ではないと言うのに。不快な描写の連続なのに、読むのをやめられない。これも筆者の力があればのこと。読了日:3月17日 著者:宮木あや子
微睡みの海 (単行本)微睡みの海 (単行本)感想リアスの子の続編でしょうか?笑子と言うヒロインが好きになれなくて、最後までモヤモヤ・・・。早坂希が素敵な女性になっていたのが良かった。物語は3月10日で終わる。この続きはあるのでしょうか?熊谷さんの作品としては性描写が多すぎて、あまり評価したくない本でした。 読了日:3月17日 著者:熊谷達也
レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たちレンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち感想貧困がまた貧困を呼ぶ、まさに負の連鎖…。物乞いをするには、哀れなことを売りにする。幼い子供に障がいを負わせ路上で憐みを乞う。稼げなくなるほど大きくなると容赦なく切り捨て、その子供たちがまた彼らより弱い立場の者から搾取する。高度成長まっただ中のインドの光と闇、やり切れない思いで読了しました。彼らの未来に少しでも希望がありますように。読了日:3月18日 著者:石井光太
ロマンスロマンス感想昭和初期、戦争に向かう暗く重い時代。華族と陸軍、特高と柳さんの得意分野の物語。ロマンスというタイトル、ちょっと腑に落ちなかったのですが、物語としては中々読ませます。昭和8年、そうかそうだったのか、ラストシーンで皇室が当時考えていたことも納得。読了日:3月18日 著者:柳広司
サラバ! 上サラバ! 上感想イラン生まれのアユム。強烈な姉と母に翻弄されつつも冷静に自分の居場所を確保する少年。生まれてから高校生になるまでがこの上巻。一気に引きこまれて読了しました。感想は下巻で。読了日:3月19日 著者:西加奈子
サラバ! 下サラバ! 下感想下巻に入っても読むスピードは止まりません。歩がだんだんと生き難くなってゆく姿と裏腹に姉貴子は落ち着いて行く。父と母のこともラスト近くで分かって来る。サラバ!は素敵な言葉でした。前向きに歩むようになった歩、読後感は爽やかでした。第152回直木賞受賞作、西さんおめでとうございます。読了日:3月19日 著者:西加奈子
さくらの丘でさくらの丘で感想仲良しだった祖母たち3人からそれぞれの3人の孫娘たちに遺された田舎の古い洋館。かつて学校と呼ばれたその場所に眠っていた、切ない愛の物語。小路さんらしい、悪人の出てこないストーリー。読了日:3月20日 著者:小路幸也
嗤う淑女嗤う淑女感想恐ろしい女、蒲生美智留。中山さんの文章は読みやすいのですぐに読了出来ましたが、何となく印象には残らなそうな…。いくら美人で巧みな会話が出来ようと、やはり操られる方が愚かだと思ってしまいました。読了日:3月20日 著者:中山七里
憂いなき街憂いなき街感想道警シリーズ第7弾。今回は津久井さんのロマンス?!夏の札幌ジャズフェスを舞台に殺人事件が起こる。真犯人はあらら?!って言う感じでしたが。佐伯さんの登場シーンは少ないけれど、圧倒的に存在感がある。格好良いなぁ。そして新宮くんの成長も頼もしい。楽しみなシリーズ、次も待ちます!読了日:3月20日 著者:佐々木譲
雪の断章 (佐々木丸美コレクション)雪の断章 (佐々木丸美コレクション)感想読友さんの感想から手にしました。初読みの作家さんです。札幌の美しい雪の光景を連想しながら読むと、その世界にすっと引きこまれますね。みなしご飛鳥のやや屈折した思いをしっかりと受け止める祐也、殺人事件の真相とその真犯人の思い。シリーズをちょっと追いかけて読みます。読了日:3月21日 著者:佐々木丸美
家族喰い――尼崎連続変死事件の真相家族喰い――尼崎連続変死事件の真相感想一人の女にこうも容易く心を操られてしまうのでしょうか?ワイドショーやニュースでの報道でもかなり衝撃を受けましたが、獄中での自殺と言う幕切れに唖然とした記憶が残っています。犠牲になった家族の多さにまた驚愕。警察がもっと早く動いていたらとの思いが強く残りました。読了日:3月22日 著者:小野一光
佐々木丸美コレクション2 忘れな草佐々木丸美コレクション2 忘れな草感想みなしごシリーズ第2弾。「雪の断章」とどうつながるのかと思ったら、早々にトキさん登場でビックリ。二人の少女とその教育を任された青年、彼女らの出自ととりまく大人たちの思惑。独特の言い回しにやや苦戦しましたがこの作品も面白く読了しました。次、行きます!読了日:3月23日 著者:佐々木丸美
花嫁人形 (佐々木丸美コレクション)花嫁人形 (佐々木丸美コレクション)感想シリーズ第3弾、本岡家の5人の娘たちの一人、養女の昭菜。母の弟である叔父をめぐる姉の織と従姉妹奈津子との争い。「雪の断章」の飛鳥、「忘れな草」の葵と楊子。4人の娘たちと3つの会社をめぐる権謀術数。時代的には昭和の中頃だと思うけど、細かく突っ込むのは野暮ですから、物語の世界を楽しみました。次は孤児シリーズ最終章へ。読了日:3月23日 著者:佐々木丸美
機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)感想なんとなく乗れない感じでやっと読了しました。シリーズらしいですが、ひとまず離脱します。読了日:3月24日 著者:月村了衛
13歳の黙示録 (講談社文庫)13歳の黙示録 (講談社文庫)感想少年と犯罪、人を殺すとどうなるのかと言う事実。13歳以下なら、少年院にも送られず、わずかな期間で世間に出てくると言う実態。13年前の犯罪とその遺族の思い。主人公の無垢さを作者は表したかったのだと思いますが、あまりにも無防備過ぎてハラハラさせられました。罪はしっかりと償い、キチンと謝罪の意を伝える、相手の立場でものを考える想像力、それがなければ少年犯罪はなくならないだろうと思います。読了日:3月24日 著者:宗田理
春を嫌いになった理由(わけ) (光文社文庫)春を嫌いになった理由(わけ) (光文社文庫)感想面白かったです。霊能者エステラと通訳の瑞希のパートと、中国からの密入国者たちのパートが交互に進み、初台の廃ビルから見つかった白骨死体の謎を追ってゆくというもの。テレビ番組の進行と同時に迫って来る殺人者、ちょっとドキドキしながら読めました。読了日:3月24日 著者:誉田哲也
命をつないだ道―東北・国道45号線をゆく命をつないだ道―東北・国道45号線をゆく感想普段何も考えずに車を走らせている道路。それを作ったり守ったりしてきた人々があの大震災後の道路をどうやって復旧させたのか。「啓開」という言葉を初めて知ったのも震災復旧の書物でした。国や県の指示を待つまでもなく自発的に自分たちの町を守ってくださった土木業者のみなさん、本当にありがとうございました。読了日:3月25日 著者:稲泉連
店長がいっぱい店長がいっぱい感想他人丼を友々丼と名付けたチェーン店「友々家」の店長たちの物語。創業者の会長とその息子の2代目社長、本社のやり手女性社員霧賀。「江の島が右手に」の女性店長の物語が一番好きですね。あとは沢渡さんの南の島国の。さて、「友々家」のこれからはいかに?他の作品とのコラボ、今回は見つけられませんでした。読了日:3月26日 著者:山本幸久
烈風のレクイエム烈風のレクイエム感想函館で潜水夫として生きる泊敬介の、過酷な人生一代記。昭和9年の函館大火、終戦間近の空襲、そして洞爺丸事件と三たびの惨禍に遭遇しつつも屈せずに生き抜く海の男の物語でした。面白くて一気読み、お勧めです。読了日:3月26日 著者:熊谷達也
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