1都3県に発令中の緊急事態宣言が21日で解除されるのを前に、週末を迎えた首都圏の行楽地は20日、多くの人でにぎわった。

 桜並木がちらほらと色づき始めた東京・台東区の上野公園の「さくら通り」には、標識コーンによる中央分離帯が設置され、利用客は片側通行が求められた。園内のあちこちに「宴席禁止」の注意書きが貼られ、例年花見客が宴会などを行う場所が一部封鎖に。歩きながら花見を楽しむ人の姿が多く見られ、都の対策が奏功した形となった。

 台東区在住の50代女性は「宣言が終わる週明けには桜が満開になる。そうすれば外出する人も増えるだろうし、すぐにまた感染が拡大しそうで心配だ。来週以降も気を引き締めて行動したい」と語った。

 一方、スカイツリーと桜が望めることで人気の隅田公園(墨田区)では、テントや敷物を広げて花見を行う人の姿が多くみられた。同公園を家族3人で訪れた20代女性は「ショッピングセンターに行くよりは屋外だしいいかなと思って。桜は三分咲き位なのに、思ったより人がいて驚いた。1時間くらい子供を遊ばせたら帰ります」と話した。

 園内には「大人数での飲食を伴う宴会は控えるように」との注意書きが掲示されている。この日、酒類や弁当を持参して会社の同僚9人で飲み会をしていた30代男性は「ワクチン以外これといって具体的な策もなく、自粛や我慢ばかり強いられてもう限界というのが本音だ」と不満を漏らした。

 昨年は、都内で3月20日からの3連休中に花見の名所や繁華街で混雑がみられ、約2週間後の4月4日に1日の新規感染者が初めて3ケタに上った。今回、首都圏は宣言解除が決まったが、新規感染者数は微増傾向に転じている。

 

小池知事はこうした声を無視すべきではない