自律が強く、こだわりも持つAさん。
体調はすぐれず、衰弱が進んでいます。
SPO2も徐々に下がっており、息苦しさも出てきました。
眠ってしまうとSPO2は92%~93%くらいまで下がるので、息苦しくて目が覚めるようでした。
そして、うつらうつらの夢のなかで、何度も嫌な夢をみるのが辛いんだと言っていました。
連休に入ってしまうので、昨日のうちに酸素も設置してもらいました。
今日はお休みですが、不安の強いご夫婦ですので、訪問させていただきました。。
私の訪問を待っていてくれたAさんご夫婦。
質問がいっぱいあるのだそうです。
今日は休日なので、「とことんお付き合いしましょう。」と腰を据えました。
今日は、姪御さんやお姉さんも見えていて、しっかりと目を開けてお話をしてくれました。
SPO2は94%前後。「ちょっと息苦しい」とのこと。
「もし、嫌ではなかったら、酸素をしてみますか?」
「うん、試してみる。」
酸素が導入になった事で、いろいろ考えることがあったようです。
一つは、酸素をする事で、延命になってしまうのではないかという事。
もうひとつは、自分で全部理解して納得してから使いたいということ。
Aさんは延命を希望されていません。
「酸素は、Aさんの苦しさを緩和するために導入したので、これをしたら延命と言うわけではないんですよ。
それに、酸素を使うか使わないかは、Aさんが決めていいんです。
ここは病院ではないので、Aさんが選択していいいんですよ。
だから、酸素飽和度が低くてもAさんがいらないと思えば使わなくてもいいです。
でも、苦しいのを我慢してうつらうつらするのは辛いと思いますので、いつでも使えるように酸素はここにありますからね。」
と言うと、彼はうなずいてかすかな声で言いました。
「なるべく、苦しくなく逝きたいんです。」と。
「なるべく苦しくなく・・ですね。なるべく苦しくないようにお手伝いします。
それにO先生は、苦しくないようにするためのプロですから、大丈夫ですよ。」
Aさんは、納得したようにうなずきました。
けれど、酸素の機械を妻が扱うことに不安があるようです。
3度も妻にカニューレの付け方を練習させたりしましたが、今度は起き上がって、酸素を自分のそばに持ってこさせました。
そして、パルスオキシメーターを付けてくれと言います。
彼の指にパルスオキシメーターを挟み、酸素濃縮器をAさんのほうに向けました。
そして、Aさんに機械の操作を伝えました。
彼はひとしきり、酸素のダイアルを回しながら、自分の酸素飽和度を確認しながら、「僕は、自分が納得しないと嫌なんです。
比較したいし、データーがほしい。」と小さな声で言います。
「このひと、精密機器の測定の仕事をしていたから、細かい数字が気になるみたいなんです。」と妻。
妻も姪御さんも、先ほどから涙をポロポロこぼしながら、彼の納得がいくように一緒に寄り添っていました。
Aさん「今は酸素を止めているのに、酸素飽和度94%とあまり下がらないけれどなぜ?」
「今は座位になって横隔膜も下がっているし、意識的に呼吸をされているからだと思います。でも横になって眠ってしまうと、横隔膜も上がっているし、呼吸回数も減って浅くなり、酸素飽和度が下がるので、息苦しくて目が覚めるのかもしれませんね。」とお話ししました。
Aさん「分かりました。それじゃあ酸素は寝るときだけ付けてみます。調節は自分でしたい。妻は機械音痴なんです。」
「もちろんご自分でやっていただいていいですよ。でも、この機械は在宅用でいたってシンプルで誰でも使える機会なので、奥さまでも簡単ですから、そこは信じてあげてくださいね。」
妻は泣き笑いで「もう!」って言ってましたが、一番Aさんの性格を知っているのは彼女なので、そっと見守ってくれると思います。
これからも、きっと出来る限りご自分で選択されると思いますが、最後までAさんらしく過ごしてほしいと思っています。
人それぞれこだわりを持っています。
病院ならあたりまえの酸素吸入も、在宅では希望しない方もたくさんいらっしゃいます。
傾眠状態で上気道が乾燥しているので、なおさら酸素の刺激が辛く感じたりもします。
湿度調節だけでは、どうにもならないものですが、マスクだともっとうっとうしかったりして・・
もう少し、何とかならないのかな。。と思ってみたりして。
いろんな意味で、力不足を感じながら、それでも患者さんの思いに耳を傾けていければいいな・・と思います。
体調はすぐれず、衰弱が進んでいます。
SPO2も徐々に下がっており、息苦しさも出てきました。
眠ってしまうとSPO2は92%~93%くらいまで下がるので、息苦しくて目が覚めるようでした。
そして、うつらうつらの夢のなかで、何度も嫌な夢をみるのが辛いんだと言っていました。
連休に入ってしまうので、昨日のうちに酸素も設置してもらいました。
今日はお休みですが、不安の強いご夫婦ですので、訪問させていただきました。。
私の訪問を待っていてくれたAさんご夫婦。
質問がいっぱいあるのだそうです。
今日は休日なので、「とことんお付き合いしましょう。」と腰を据えました。
今日は、姪御さんやお姉さんも見えていて、しっかりと目を開けてお話をしてくれました。
SPO2は94%前後。「ちょっと息苦しい」とのこと。
「もし、嫌ではなかったら、酸素をしてみますか?」
「うん、試してみる。」
酸素が導入になった事で、いろいろ考えることがあったようです。
一つは、酸素をする事で、延命になってしまうのではないかという事。
もうひとつは、自分で全部理解して納得してから使いたいということ。
Aさんは延命を希望されていません。
「酸素は、Aさんの苦しさを緩和するために導入したので、これをしたら延命と言うわけではないんですよ。
それに、酸素を使うか使わないかは、Aさんが決めていいんです。
ここは病院ではないので、Aさんが選択していいいんですよ。
だから、酸素飽和度が低くてもAさんがいらないと思えば使わなくてもいいです。
でも、苦しいのを我慢してうつらうつらするのは辛いと思いますので、いつでも使えるように酸素はここにありますからね。」
と言うと、彼はうなずいてかすかな声で言いました。
「なるべく、苦しくなく逝きたいんです。」と。
「なるべく苦しくなく・・ですね。なるべく苦しくないようにお手伝いします。
それにO先生は、苦しくないようにするためのプロですから、大丈夫ですよ。」
Aさんは、納得したようにうなずきました。
けれど、酸素の機械を妻が扱うことに不安があるようです。
3度も妻にカニューレの付け方を練習させたりしましたが、今度は起き上がって、酸素を自分のそばに持ってこさせました。
そして、パルスオキシメーターを付けてくれと言います。
彼の指にパルスオキシメーターを挟み、酸素濃縮器をAさんのほうに向けました。
そして、Aさんに機械の操作を伝えました。
彼はひとしきり、酸素のダイアルを回しながら、自分の酸素飽和度を確認しながら、「僕は、自分が納得しないと嫌なんです。
比較したいし、データーがほしい。」と小さな声で言います。
「このひと、精密機器の測定の仕事をしていたから、細かい数字が気になるみたいなんです。」と妻。
妻も姪御さんも、先ほどから涙をポロポロこぼしながら、彼の納得がいくように一緒に寄り添っていました。
Aさん「今は酸素を止めているのに、酸素飽和度94%とあまり下がらないけれどなぜ?」
「今は座位になって横隔膜も下がっているし、意識的に呼吸をされているからだと思います。でも横になって眠ってしまうと、横隔膜も上がっているし、呼吸回数も減って浅くなり、酸素飽和度が下がるので、息苦しくて目が覚めるのかもしれませんね。」とお話ししました。
Aさん「分かりました。それじゃあ酸素は寝るときだけ付けてみます。調節は自分でしたい。妻は機械音痴なんです。」
「もちろんご自分でやっていただいていいですよ。でも、この機械は在宅用でいたってシンプルで誰でも使える機会なので、奥さまでも簡単ですから、そこは信じてあげてくださいね。」
妻は泣き笑いで「もう!」って言ってましたが、一番Aさんの性格を知っているのは彼女なので、そっと見守ってくれると思います。
これからも、きっと出来る限りご自分で選択されると思いますが、最後までAさんらしく過ごしてほしいと思っています。
人それぞれこだわりを持っています。
病院ならあたりまえの酸素吸入も、在宅では希望しない方もたくさんいらっしゃいます。
傾眠状態で上気道が乾燥しているので、なおさら酸素の刺激が辛く感じたりもします。
湿度調節だけでは、どうにもならないものですが、マスクだともっとうっとうしかったりして・・
もう少し、何とかならないのかな。。と思ってみたりして。
いろんな意味で、力不足を感じながら、それでも患者さんの思いに耳を傾けていければいいな・・と思います。