こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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在宅でのチーム医療

2011-05-12 23:04:14 | 訪問看護、緩和ケア
4月いっぱいでめぐみ在宅クリニックを退職されたS先生が、私たちに置いて行ってくれたもの。
それがサイボウズライブの活用です。

今、数人の患者さんをサイボウズライブを活用することで、すごくタイムリーにサポートしています。

たとえばAさんのチーム。
主治医、クリニック看護師、訪問看護師、ケアマネ、ヘルパー、薬剤師、栄養士、歯科医師、訪問入浴が毎日情報交換をしています。
目標は、気切を閉じ、経口摂取が出来るようになること。
そして、少しづつ前へ進んでいます。

Bさんは、主治医、クリニック看護師、訪問看護師、ケアマネ、ヘルパー、薬剤師、そして画期的なのが大学病院の主治医も参加してくれていることです。
毎日、誰かが更新するたびに、メールに連絡が来ます。
そこを開き、お互いの情報を交換します。

今、腎瘻の閉塞が頻回なBさんのために、対応について一日何回もネット上での話し合いが行われています。

もちろん患者さんには承諾を取っていますし、もともと誰がどんなチームで、どんなパスワードを使っているかもわからないので、関係者以外存在すらわかりません。
セキュリティの安全性も高くなっています。
また、全員やっているわけでもなく、チームケアが重要な何人かの患者さんに限定しています。
ですから、普通のメールで状況報告や意思の疎通を図るより、またFAXで連絡を取ったりするよりも、セキュリティーは安全と言う事になります。

毎日の変化、たとえば褥瘡の患者さんの創の変化も、添付の写真でわかりますし、検査結果などからの治療方針も、すみやかにチーム全体に共通理解され、同じ方向でケアが行われます。

ここに、大学病院の先生も加わり、今とてもいいチームが出来上がっています。

本当は、他にもこういうチームケアが必要な患者さんはいっぱいいますが、主治医にその気がなければできないですからね。

とにかく柔軟な発想や好奇心、安全を見極めたうえでのチャレンジができるというのも、在宅では重要だと思います。
在宅は、事業所が違うと同じ患者さんと関わるのに、てんでバラバラになりがちですが、仮想空間でのケアカンファレンスを毎日開いているのと同じ効果がありますから、チームみんなが同じ情報をもって、それぞれが専門性をもって分担して関わることが出来るのです。

電子カルテの時代、在宅でもITをもっと有効活用していくべきだと思います。

サイボウズ上での患者名も、仮名であったり○山○男であってもいいわけで、チームの中でだけ了解していれば問題ないので、さらにセキュリティーに不安がある方は、もっと暗号化するなどしてもいいかもしれません。

現在、褥瘡などデジカメで撮った写真を主治医とメールでやり取りしている事業所は多いと思いますが、それよりは安全性が高いので、もっと在宅で普及していくといいですね。

そのおかげで、腎瘻の洗浄など、大学病院の先生が指導を買って出てくださったので、来週はクリニックのナースとS大学病院まで行ってきます。
ついでにその病院の連携室ナースとのアポもとれたので、連携体制を深められるように話し合いたいと思っています。

毎日いろんなところに顔をだし、たくさんの人たちと出会います。
そして、知り合った人から、その知り合いへとつながっていき、意外な情報をもらったり、新しいドレッシング材の開発に協力したり、山ほどのサンプルを頂いたり・・。
どんどん広がっていく世界にびっくりしながら、それにおじけずく事の無いようにいいもの、新しいものを吸収できたらいいなと思います。