こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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どこまでが仕事?

2012-06-13 22:49:34 | 訪問看護、緩和ケア
地域でいろんなケースを見ていて、時々感じることがあります。

ヘルパーや看護師に関しては、とりあえず仕事の範囲は決まっていて、その線引きで時々もめることはあっても、決められた時間内でのことなので、比較的答えは明確です。

でも・・・

以前、ケアマネさんの動きで??と思ったことがあります。

そのケアマネさんは、ご利用者さんAさんの、まるでご家族のような役割を果たしていました。
何でも頼まれれば車を出す。
驚いたのは、お盆やお彼岸の度に、お墓参りまで連れて行ってました。

ですから、ご利用者さんにとっては、とっても有り難いケアマネさんです。

でも・・
肝心なことになると、どうも動きがおかしい。
というか、必要な事や法として遵守すべき事も、ちゃんと伝えられないわけで、担当の看護師看も時々その事業所に申し入れなどをしていました。
そこでも揉めたのかどうか、そのケアマネさんはその事業所を退職されたので、次のケアマネさんが引き継ぐことになりました。
Aさんは、今までお願いしてきた私的な事、アッシー君の役割も同様に引き継ついでくれると思っていますが、当然そんなことはできません。
「前のケアマネさんはやってくれたのに、今度のケアマネはなんて使えないの?!」と言う事になりました。
そこから、すったもんだの末、数人のケアマネさんが変わる事となりました。

ヘルパーでも、自立支援のヘルパーなどは、自立のためなので「一緒にお掃除をしましょう」とか「一緒にお料理を作ってみましょう。」などと声をかけて、自立を目標に支援するののが本来の役割ですが、「いいですよ~。寝ててください。私が全部やっときますから。」と言ってくれる人がいたら、本来の役割を果たそうとする事業所よりも、寝てて楽できるほうを選んじゃいますよね。こんなことも、意外にある話らしいです。

そして、私にはあまりよくわからないのが、民生委員さんの役割です。

ほぼボランティアで、地方自治体から任命されるのでしょうか。
地域の人たちの困った時の相談役であり、支援の窓口であったりします。

民生委員さんは、児童委員も兼ねるそうで、なかなか大変なお仕事を、ボランティアでするわけですから、よほど生活にも時間にも余裕がなければ出来ない仕事です。

ただ、民生委員さんの関わるケースなどを見たり聞いたりしていると、これも本当にご家族の役割を果たされていることが多くて、ご自分の生活にも支障をきたすのではないかと思う事さえあります。

たとえば、通院の同行や移送をされたり、転倒などのトラブルの度助けに来てくれたりと、独居の老人などには、とっても有り難いです。
そして、さらにはお米をとぐとか、ご飯を作るとか、トイレの介助をするとか、まるでご家族かヘルパーさんのようなことまでして下さることもあるようです。

たぶん、個人個人考え方は違いますし、支援内容も違うと思いますが、あまりご家族的な支援を、継続的にすることに、ちょっと疑問を感じてしまいます。

もちろん「困っている人を助ける」ことは素晴らしいことですし、私もそうしたいと思います。
でも・・。
自分がそれを請け負うのではなくて、地域としてどう支援するのかを考えれば、きちんとサービスにつなぐべきだと思うし、繋げる場所がなければ、ご家族に連絡を取るとか、行政やケアマネと考えるようにするべきだと思うのです。

緊急時に駆けつけて、救急車に乗って下さったりすると、本当に有りがたいなと思います。
何かの時に、向こう三軒両隣の助け合いみたいに、その場を乗り切って下さる行動力はすごいですよね。
お金や時間ではない、人のために頑張る気持ちに、本当に頭が下がる思いです。
私たちも、独居のご利用者さんがいたりすると、お声をかけさせてもらったりします。

でも、ご飯を作ったり、毎回通院にマイカーで連れて行ったりするのは、どこかおかしいなと感じるのは、私だけでしょうか?

いつまでも出来るのかな?
通院途中に転倒して骨折でもして、責任を問われたら誰が守ってくれるのかな?
同じ地域で、同じような人がいたら、みんなに同じ支援が出来るのかな?
やってくれる人がいるから、やらないで済ませるご家族がいるんじゃないかな?

人は、面倒な手続きもなく、うるさいことも言わず、お金もかけずに動いてくれる人がいれば、誰でもそちらにお願いしたいですよね。

なんてことを考えたりするのは、意地悪でしょうか?
あまりに、いろんなケースを見たり聞いたりするので、ひねくれているのでしょうか?

私は、なるべく早くご家族も交えて、行政やケアマネ、医療機関につないで、サービスを導入していく道筋をつけることを優先にしてほしいなと思います。

そのうえで、時々様子を見に来てくれたり、お話を聞いてくれたり、困ったことがあったら相談に乗ってくれたり、いろんなサービスにつないでくれたり、緊急時に素早く動いてくれたりしたら、本当に心強い存在ですよね。(もちろん、たくさんの民生委員さんがそのように動いてくれているのですが。)

こう考えうると、福祉って本当に難しいですね。
誰かがやらなければいけない事、でもやりすぎてはいけないこともある。
自立促すことも、自己責任を負う事も、権利意識や責任の持ち方も、人それぞれですからね。
だから人間て面白いのかもしれませんが、時には斜めから見てみるのも必要だと思います。