こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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在宅援助の徒然 その1

2012-06-26 21:58:35 | 訪問看護、緩和ケア
このところ、毎日新患さんの依頼やら、いろいろな背景の中での調整やらで、日々頭を悩ませていますが、訪問看護を含めて在宅サービス全般、どこまで私たちが支援をするのかというのは、永遠のテーマなのかなと思います。

次から次へと、思いつくままいろんな要望が出てきて、一つクリアすれば次の要望、今がよければ経過は忘れられ、これもあれもと求められることが多くて、時々お膳をひっくり返したくなることだってあります。
だからと言って、本当にひっくり返せるわけもなく、また、そこには理由があるかもしれないわけで、その中で重要な鍵を探して、向き合っていかなければならないのです。

私たち在宅の支援側の人間は、表面は涼しい顔をしていても、実は水鳥のように、水面下では両足をバタバタと必死にかき混ぜているわけです。

たとえば、ケアマネをやっていて、ご家族の要望でデイサービスをご案内するとします。
とにかくお試しからと、あちこち電話をかけ、ここならこの患者さんにぴったりと思い、ご紹介をして「是非に」と言われ、日にちを決め、ADL表を書き、申込用紙を書き、基本情報を用意し、プラン全体を計算し、調整し、デイサービスを設定します。
でも、直前になって「やっぱりやめます。」と言われキャンセル。
あちこち再調整し、ぺこぺこと頭を下げ、元のプランに戻します。
でもすぐ後に「近所の○○さんと同じところにしようかしら。あそこなら行ってみたい。」といわれ、再度一から調整します。
すると、前日になって「やっぱり、気乗りがしなくなったからキャンセルして。」などと言われます。
でも家族は「どこかに出してもらわないと困る!」といい、また一から始める・・
実は、私の利用者ではなくて、私の身近の知り合いがこんなことをやっているのを、「あらら・・」と思いながら見ています。

表面的には、ご利用者さんのご希望に添うよう、ご家族の介護負担を軽減できるよう、要望があれば一生懸命探しますが、デイにせよ、ショートにせよ、ヘルパーにせよ、サービスを入れるためには、何枚もの書類を用意し、あちこちに電話をかけ、プランを調整するのだと言う事は、ご利用者さんは知る由もないのです。

3回でも5回でも、結果サービスに繋がればいいものの、最悪どのサービスにもつながらなければ、そこでプランは白紙となり、ケアマネはタダ働きとなってしまいます。

まあ、在宅サービスはこのリスクは常につきもので、何時間も訪問して、説明したり何かしても、まったくサービスに繋がらないと言う事はよくあることです。

そんなことも日常茶飯事なので、逆にごく普通の感覚というか、一般的な感覚で対話が進んでいくご家庭は、本当にほっとして、うれしくなったりします。

物事の価値観は、人によっても環境によっても変わってきますから、なるべくご利用者さんに
添いたいと思いますが、それを良しとしてくれるかどうかは、全くわかりません。

ただ、権利ばかりを主張され、義務は知らんぷりという方も、たまにいらっしゃるので、出来ること、出来ないことは毅然と伝えられなければいけませんね。

まあ、この線引きがなかなか難しいのですが、ここは在宅チームでも十分に話し合って、共通した線引きをする必要があります。
自分たちがどこまで出来るのか。
どこまでしていいのか。

してはいけないけれど、放っておけないこともあるしで、いやはや奥が深いお仕事です。

なんてことを書いていますが、WEB上で書くと言う事は、本当はすごく怖いことなのですよね。

たった一言から、ブログ炎上なんてことは、芸能人のブログなんかでは良くあることのようですね。
今は、ツイッターで呟いた一言で、個人を特定され、ずっと追いかけまわされたり、誹謗中傷されたりすることもあると聞きました。本当に怖いことです。
私のブログでも、ありえない所に転載されていたり、悪意に満ちたコメントが入っていたりと、ぞっとすることがたまにあります。

どうしても、エピソードを書くことが多いので、これも十分注意しないといけませんね。

情報の発信、自分の思いの発信、未知との出会いや情報交換、自分のメモリー。
でも、誰が何を思って見ているのか、それがわからない怖さがあります。

少なくとも、自分のブログで不当な誹謗中傷、偏った思想、個人攻撃は避けたいと思います。