こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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訪問看護は、家族もまるめ。

2012-06-15 23:58:18 | 訪問看護、緩和ケア
看護学生さんが来て、在宅の特性を学ぶにあたって、理解してほしいのが家族とのかかわりです。

在宅で療養する時に、最も大切と言えるのが「家族」の存在です。

もちろん独居で身寄りもなくて、在宅療養を貫いている方はたくさんいらっしゃいますが、それならば家族の役割をどうするかかが、最大の支援のポイントとなりますから、やはり家族がとても大事です。

いったい誰がキーパーソンなのか、実際の介護者は誰なのか、患者さんと一番いい関係なのは誰なのか、遠隔操作をしている方がいるのか、本当に介護する気があるのかないのか・・。

そして、経済状況やご家族の仕事、病状の認識度やご家族への思い、今後どこでどのように、患者さんを過ごさせたいのか。

色々観察することは、山ほどあります。

そして、訪問の継続する中で、私たちの目は患者さんと同じくらいに、ご家族へと注がれています。

疲れていないかな?
夜は眠れているかな?
介護は辛くないかな?
精神状態は安定しているかな?

患者さんのケアをしながら、時には玄関の外に出て、辛い思いやうれしかったこと、不安や疑問や愚痴も聞きます。

そう言う関わりを学生さんはじっと見ていて、カンファレンスでは、ほとんどの学生さんがそこに気づくのです。

昔、私が病棟ナースの頃、こんな風に患者さんの家族とじっくり話すことはほとんどなかったなぁ・・とおもいます。一生けんめい面会に来るご家族に、労いの言葉なんて、きっとかけた事なかったんじゃないかと思います。
だから、学生さんには、何故それが必要なのかをよく理解してほしいし、近い将来病院勤務を始めた時には、一言でいいからご家族に労いの言葉をかけられるナースになってほしいと思います。

最近、患者さんより長く介護されているご家族の体調が悪くなってしまった患者さんが増えてきていて、みんなすごく心配しています。

主介護者が倒れれば、患者さんも家にはいられなくなります。

久しぶりにあったら、びっくりするほど痩せてしまっていたり、げっそり疲れ切っていたり・・・

老々介護の場合などは、患者さんとその配偶者にも声をけ、バイタルなども測ったり、健康相談もしたりします。

共倒れが一番怖い在宅療養です。

訪問したら、家族も丸めで観察する。
それもまた、訪問看護の大切なお仕事です。