杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2014-9-23~24 北穂東稜

2014-09-25 13:07:43 | ガイド山行記録

台風16号は温帯低気圧に変わったようですが、その16号がまさに近づこうとしていた23日~24日で、北穂の東稜へ行ってきました。

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23日、日本列島は高気圧に覆われとても穏やかな天気。上高地も今季久々といえるほどの良い天気で、穂高の山々もきれいに見えてました。また空気も冷たく澄んでおり、まさに秋晴れの中の入山でした。

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涸沢の紅葉も色づき始め、秋の装いを始めた感じ。目指す北穂の東もきれいに望むことが出来ました。

あとは気がかりなのが天気。台風の影響はどの程度か?午前中だけでももってくれるのか?そんなやきもきした気持ちの中で就寝しました。

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あけて24日は、満天とはいかないまでもオリオン座もまたたく程度の晴れ模様。これは台風の影響はないか!?

4時に起床し、涸沢ヒュッテを5時に出発。予報とは裏腹の良い天気の中、 期待に胸を膨らませながらのアプローチでした。

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北穂へ向かう途中で見たモルゲンロートもきれいでした。

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南稜の鎖場へ向かう道との分岐あたりで小休止。ハーネスをつけ身支度を整えます。

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南稜の鎖場へ向かう道と分かれ、ここからはガレ場をトラバースして東稜へ。

ここは大きな岩も不安定にゴロゴロと動くので要注意!

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ガレ場の急登をひと登りで東稜の上へ。向かいには前穂の北尾根が圧倒的な存在感でたたずんでいます。そして頭上にはこれからたどる東稜と、その先には 北穂の山頂がすぐ近くに望めます。

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ここからはしっかりとロープもつけ、確保しながらの登攀。ところどころ3級程度の岩場もあり、緊張感もあってとても楽しい!

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いくつかの小ピナクルを越え、いよいよ核心部の岩場へ到着。眼下には涸沢の大カールが広大なスケールで広がっています。

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岩稜を一段下り、いよいよ登攀開始。ホールド、スタンスともに豊富なので、ぐいぐいと登りました!

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さらに進むと岩稜はいよいよ細くなり、ナイフリッジの通過はスリル満点!!

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最後のクライムダウンも慎重にこなし、東稜の核心部は無事通過!

あとはひたすら北穂をめざし、ガレた岩稜を登りつめていきました。

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最後はガレ場のトラバースを 繰り返し、大キレットからの縦走路に合流。

縦走路も無難にこなして北穂の小屋に到着。休憩の前にまずは山頂へ!

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10時少し前に北穂の山頂へ到着。岩稜、岩場、ナイフリッジと、変化に富んだ東稜を、悪天間近のスキをつき紙一重でこなすことが出来ました。山の神様に感謝!!

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次の目標は、後ろにそびえる前穂の北尾根でしょうか?