経産省は工場立地法の緑地規定を大幅に緩和する方針を固めた。現行では敷地内に20%以上の緑地設置が義務づけられているが、この規定が工場拡充や建て替えを阻害しているとの認識による。場合によっては緑地ゼロ工場も可能になるとのことで、近年の経済界寄りの施策には呆れるばかりである。私はなんでもかんでも緑化という姿勢には必ずしも賛同するものではないが、それでも緑地・緑化施策というものが規制緩和の対象とはなり得ても規制強化されることがまずもってほとんどないという状況はあまりに不自然だと思う。また、ムチをふるうだけで、緑化する工場に対してインセンティブや優遇措置ーアメーを考慮してこなかったこともこうした事態に至った一つの原因ではないか。
何故我々は緑化することで企業イメージが向上したり、長期的には経済に跳ね返ってくる、という視点を持ち得ないのであろうか。。。仮にも先進国と呼ばれる国で、ここまで「経済」に甘い国というのを私は知らない。あのアメリカだってミティゲーションが法制化されているではないか。環境の時代に、緩和すべき対象を全く見誤っていると言わざるを得ない。産業の不振を「緑」のせいにすべきではない。産業の活性化は別の方法でできるはずだし、そうすべきである。いや、それどころか逆に「緑」は産業の活性化に役立てるべきもの、という認識を我々は持つべきなのである。。日本経済の「レベル」を垣間見たような気がした。